
コロナ禍に伴い在宅時間が増える中、住まいをリフォームする人はどれくらい増えたのだろうか?
世界最大級の家づくりとインテリアデザインのプラットフォームを提供するHouzz Japanはこのほど、「2021年版 HOUZZ & HOME(日本) 住宅リフォーム・リノベーション市場調査」の結果を発表した。この調査は、Houzzに登録している国内ユーザー900人以上から回答があった。
住宅リフォームへの支出は昨年1年間で23%増加し、中央値が185万円
調査によると、住宅リフォームへの支出は昨年1年間で23%増加し、中央値が185万円だったことがわかった。2020年、高額の費用をかけたリフォーム(上位10%の支出額)は、1,000万円を超えた。また、2020年にリフォームをした人の割合は2018年の13%から18%へ増加している。
Houzzシニアエコノミストのマリネ・サルグシアン氏は、「当初、新型コロナウィルスの感染拡大は住宅リフォーム業界に懸念をもたらしました。しかし、時間と経済的な見直しをしたことで、これまで住宅に手をつけることを後回しにしていたけれど、この一年間でリフォームを決断する住まい手が多く見受けられました。居住する住宅への投資を続けるにあたって住まい手の後押しをしているのは、こういった繰り延べ需要と、長年にわたる市場原理です。」と説明している。
パンデミックにより、おうち時間が増えた住まい手たち。「以前から住宅をリフォームしたいと思っていたが、ようやく時間的な余裕ができた」と答えた人の割合は、2018年の34%に対して2020年には12ポイント増えて46%となり、依然としてリフォームをおこなった最大の理由となっている。
また、「以前から住宅をリフォームしたいと思っていたが、ようやく経済的な余裕ができた」という意見も、2018年の22%から29%へ増加した。住まい手のおよそ5人に2人が、引っ越しの代わりに、より手の届きやすいリフォームを通して、自らのニーズに合った住宅を求めたと答えている。さらに、住宅の老朽化によるリフォームは、2018年の15%から4ポイント増加して2020年は19%となっている。
■キッチンの大規模なリフォーム
リフォームした住まい手の半数が、床や天井の上げ下げおよび下地の組み直し(50%)、配管・電気・空調の改修(50%)など、キッチンに大規模な変更を加えている。
また、5人に2人が、壁の移動、追加および下地の組み直し(44%)、キッチンのレイアウト変更(38%)を行い、5人に2人以上が、新しくリフォームしたキッチンの家電製品をすべて交換している(44%)。その他のキッチンの改良点については、水栓や配管設備(69%)、壁の色や仕上材(63%)、床材(56%)、照明(50%)、シンク(44%)という結果になっている。
■インテリアへの注目
最も一般的な住宅リフォームは、既存の住宅の範囲内で行う部屋の模様替え(80%)で、部屋別ではバスルーム(27%)、リビングまたはファミリールーム(24%)、キッチン(19%)が多くを占める。また、2018年から注目が高まるホームオフィスは2018年の9%から2020年の11%に伸びている。
■多くの住まい手が、複数の専門家にリフォームを依頼
2020年、7人に6人近く(86%)が、専門家にリフォームを依頼している。依頼を受けた専門家のうち最も多いのが、工務店(34%)、大工・職人(30%)、水道工事業者(18%)、設計施工・リノベーション会社(16%)となっている。
<HOUZZ & HOME(日本) 住宅リフォーム・リノベーション市場調査について>
毎年おこなわれているHOUZZ & HOME(日本) 住宅リフォーム・リノベーション市場調査は、住宅のリフォーム、新築、家具や部屋の装飾に関する最大の調査であり、2020年に実施されたインテリアのリフォームや増築から、住宅設備、エクステリアの改修、外構工事まで、幅広いリフォームを網羅している。
また、収集されたデータには、過去の支出や予定支出、プロジェクトに関わった専門家、新築・リフォーム・家具や部屋の装飾が行われた背景にある動機や課題、2021年の活動計画などが含まれている。日本国内だけでも900人以上から回答があった2021年の調査では、何百万人ものHouzzサイトやモバイルアプリユーザーユーザーたちによる住宅を改善するための活動に関するインサイトを提供している。
HOUZZ & HOME(日本) 住宅リフォーム・リノベーション市場調査は、Houzzに登録したユーザーを対象に2021年5月~6月に実施されたもの。
出典元:Houzz Japan株式会社
https://www.houzz.jp
構成/こじへい