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新型コロナウイルス、自然感染による集団免疫獲得は期待できない可能性

2021.11.03

飲酒習慣とARBは抗体継続に影響する可能性あり

神奈川県内科医学会によると、昨年の調査にて抗体陽性が確認され、今回追跡調査が可能だった全33例におけるIgG抗体の陽性率は、抗体陽性判明2ヶ月後 11/32 (34.4%)、4ヶ月後 8/33 (24.2%) 、6ヶ月後8/33 (24.2%)だった。

また、抗体陽性継続の要因を解析したところ、飲酒習慣がないこと、高血圧症の治療に使われる薬剤であるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を使っていることは、抗体が継続する要因である可能性が示唆された。

これまで新型コロナウイルスに自然感染する人が国民の7割を超えると、集団免疫が成立するのではないかという期待があった。

しかし、今回の結果からは自然免疫による抗体は半年で約2割まで低下しており、抗体が長期間に持続することはないことがわかった。このことから、自然感染による集団免疫が期待できないことが明らかになった。

有効な薬剤が広く早期に使用できない現状では、ワクチン接種を広く進めていくことが重要であると考えられる。

これまでに、新型コロナウイルスに感染した患者の抗体継続状況については、いくつかの報告がある。

4ヶ月~6ヶ月までは維持されるという報告もあれば[1-5]、短期間で減弱する報告もあり[6-8]、一様ではなかった。一方で、重症だった症例ほど、高力価の抗体ができることや[1,3,6,9]、抗体を長期間維持できることなども報告されていた [3,4]。

しかし、無症候での抗体の獲得とその継続については報告がなく、調査を実施した。

今回神奈川県内科医学会では、神奈川県内の65施設において、2020年5月18日から6月24日までに医師・看護師および通院患者、検診受診者等1,603名の調査をした結果、2.4 %が不顕性感染による抗体獲得をしていたことを報告した[10]。

この抗体が陽性だった被検者のうち、追跡調査の協力に同意が得られた33名を対象に、抗体陽性判明2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後の抗体の有無を調査した。

検出キットは、シカイムノテスト SARS-CoV-2 IgG[11]を用いた。これは横浜市立大学学術院医学群微生物学 梁明秀教授と関東化学株式会社の共同研究により開発された、COVID-19罹患者の血清中に含まれる抗SARS-CoV-2ヒト抗体(IgG)を検出する試薬だ。

本キットは、イムノクロマト法の原理に基づいている。

本人が気付かないうちに感染して抗体を得ていた39名のうち、研究参加の同意が得られた33名の追跡調査を実施した。抗体陽性継続率は、2ヶ月後11/32(34.4%)、4ヶ月後8/33(24.2%)、6ヶ月後8/33(24.2%)だった。

2ヶ月後に抗体が陽性から陰性に変わってしまったグループ、4ヶ月後に抗体が陽性から陰性に変わってしまったグループ、6ヶ月後も抗体陽性が継続していたグループに分けて、被検者の背景情報を比較した結果、飲酒習慣がないこと、高血圧症の治療に使われる薬剤であるアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を使っていることは、抗体が継続する要因である可能性が示唆された。

データは平均値±標準偏差、もし く症例数(割合)で示した。名義尺度は Fisher の正確率検定にてし 、連続変数は一元配置分散析法の正確率検定にてし 、連続変数は一元配置分散析法。

飲酒習慣と免疫の持続に関しては、1日あたりのアルコール摂取量が10~20 g増加すると、市中肺炎のリスクが8%上昇するという報告がある [12]。また、別の研究においても、アルコールの摂取により免疫力を損なう可能性があることが報告されている[13-15]。

千葉大学の研究では、頻繁なアルコール摂取は、ワクチン接種後の血清抗SARS-CoV-2S抗体価の低下と関連していると報告されている[16]。

 ワクチンの抗体価はスパイクタンパク質(Sタンパク)にて評価されるため、本研究におけるヌクレオカプシドタンパク(Nタンパク)による評価とは検査方法が異なるが、同様の傾向を示した。

また、SARS-CoV-2は、侵入の際に細胞の表面に存在するアンジオテンシンⅡ受容体に結合する[17]。ACE阻害薬とARBがCOVID-19の悪化を防ぐ可能性があることを示唆した報告もあれば[18-20]、影響はないという論文もある[21]。

患者がARBを内服すると、負のフィードバックが働き、アンギオテンシンⅡ受容体数が増加。ウイルスの結合箇所が多いことが、抗体の継続に影響している可能性がある。

今後、大規模かつ長期的な研究による、さらなる報告が待たれる。

※研究では、ヌクレオカプシドタンパク(Nタンパク)を認識する抗体を検出するキットを用いた。現在日本で使われているワクチンはスパイクタンパク(Sタンパク)を標的としている。このため、ワクチンの効果の持続とは異なる。

文責;神奈川県内科医学会 学術部会長 松葉育郎

構成/ino.

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