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【動画付き】5ℓ、V8エンジンを堪能できるレクサスのラグジュアリースポーツ「LC500コンバーチブル」

2021.10.31

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 トヨタが高級ブランドのレクサスを立ち上げたのは1989年。当初は北米市場専用だったが、生産、販売が軌道に乗ったことで、日本でも2005年から本格的に始動した。扱うモデルも最初はトヨタ車を高級、高額化しただけだったが、2012年以降は専用のプラットフォームを開発、採用するなど差別化を明確にしている。最近では高級車ブランドとして世界規模で認知され、認知度ではメルセデス、BMW、アウディに次ぐ4位に入っている。

「LC」はレクサス初のラグジュアリークラスの2ドアクーペとして、2012年にコンセプトカーが発表された。その後、開発に着手し、2017年に発売された。「LCコンバーチブル」は2020年に新たに加わったスポーツコンバーチブル。アストンマーティン、ベントレー、フェラーリ、ランボルギーニ、ポルシェなどでは、当然の、速くて豪華なオープン2+2カーだ。コンバーチブルのデザインは、クーペと同じくトヨタのカリフォルニアデザインスタジオ「CALTY」が担当した。

 幌を降ろした時のプロポーションの美しさは、世界のスーパースポーツカーの中でもトップレベルといえる。ルーフに幌を採用したのは車両重量の軽量化があった。オープンボディー化にあたり、車体の剛性強化などの補強材で重量が増える。さらに、ルーフをメタルにすれば重くなるし、重心が高くなってしまう。実際に「LCコンバーチブル」はクーペよりも120kg重い。

 ソフトトップのルーフは、4重構造なので対候性、耐熱性、静粛性に優れている。しかも折り畳まれた時はトランクスペースの上部に収まるので、トランクスペースに影響がない。カラーは黒とベージュに加え、2021年9月からブルーも加わった。リアのトランクスペースも奥行きは約700mm、左右幅は820~1400mm、高さも400mm4以上確保されている。

 室内は幌を閉じている状態ではフロントウインドウが迫っており、やや閉所感がある。着座位置は低めなので、フロントフェンダーは見えない。斜め後方視界も左後ろはCピラーでの死角はある。「LC」は後方に座席が設けられている。とはいっても+2的な広さだ。背もたれは垂直で、足元はミニマム。頭上は身長150cm以下なら耐えられる程度の広さ。ここはコートやバッグの置き場と割り切ったほうがよさそうだ。

 幌はセンターコンソールの隠れスイッチを操作すれば約15秒で開閉できる。走行中でも時速50km以下ならOKだ。オープンになった室内はサイドウインドウとリアシートのところにウインドスクリーンを立てれば、室内は風の巻き込みも少なく、100km/hまでなら耐えられる。個人的にはドアウインドウも全開にして走るのが好きだが、それでも風の巻き込みはビックリするほど多くはなかった。

 動力性能だが、パワーユニットはV型8気筒DOHCの5.0ℓで自然給気、出力は477PS、トルクは540Nmを発生する。「LC500」のクーペには、V8のほかにV6、3ℓのハイブリッドもあるが、コンバーチブルはV8のみの設定となっている。また、V8エンジンのサウンドを楽しめるように吸気音を室内に共鳴させるサウンドジェネレーターやより迫力のある排気音を演出するための外装バルブを採用。これはクーペと同じだが、ルーフをオープンにできるコンバーチブルのほうがきっと楽しいはずだ。

 ミッションは最新の10速ATを採用。8速以上は95km/hを超えないと、シフトされない。ちなみに100km/h巡行での10速でのエンジン回転数は1200回転、9速1400、8速1600回転になる。試しに0→100km/h加速を計測してみると、5秒台半ばで走り切った。V8、5ℓエンジンは6500rpm+まで一気に上昇する。スタート時の低回転ではやや重めだが、3000回転から5500回転あたりのレスポンスやサウンドは小気味のよさを楽しめた。

 サスペンションだが「LC」の乗り味はレクサス全モデルの方向づけを担当していると言われている。そのために常時、手直しが行なわれ、それをあえてインフォメーションしないので、ユーザーは分かりにくい。実際に公式なインフォメーションなしでの改良も行なわれているようだ。

 2021年9月に実施された一部改良でも、コイルスプリング、スタビライザーのスペックやショックアブゾーバーの制御の最適化を行なっている。タイヤの接地感や操舵入力に対する車両の応答リニアリティと高G領域でのコントロール性を高めた。実際にNORMALモードでの乗り心地は低速ではゴツゴツ感はあるが、カドはなく、上下動もキツさは抑えられ、快適なドライビングが楽しめる。ボディー剛性もかなり高く、目地の乗り越えなどでウインドウフレームやミラーがブレることもなかった。

 これがSPORTモードになると操舵力は重く、コーナーでの切りこみも重くなり、男のスポーツカーに変身する。タイヤはミシュランのランフラットパイロットスポーツを履いていたが、ランフラット化によるトレッド面の堅さも感じさせず、サスペンションもランフラットを見事にこなしていた。クーペがデビューしてから5年、コンバーチブルは2年目だが、「LC500」は世界のスーパースポーツの中でも見劣りしないクルマに仕上がっている。レクサスブランドでベストなクルマと言える。

◆ 関連情報
https://lexus.jp/models/lc/

文/石川真禧照(自動車生活探検家)

雑誌「DIME」の連載「カー・オブ・ザ・ダイム」を長年にわたり執筆。取材で北米、欧州、中東、アジアをクルマで走破するなど、世界のクルマ事情に詳しい。国内外で年間に試乗するクルマは軽からスーパーカーまで200台以上。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)副会長。日本モータースポーツ記者会(JMS)監事。日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。

撮影/萩原文博(静止画)、吉田海夕(動画)


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