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人口減少が進むと年金給付は抑制されるのか?

2021.11.01

少子高齢化が進み、現行の年金制度では立ち行かなくなりそうだ。

年金の仕組み

年金には、自営業者や扶養に入っている主婦等が加入する国民年金と会社員・公務員が加入する厚生年金がある。

国民年金は誰でも一律の保険料を支払い受給額は支払期間に応じて決まる。現在の支払保険料は16,610円(令和3年度)で、受給額は全期間支払済の人で月額65,075円受け取れる。

なお、会社員・公務員の扶養に入っている場合保険料は支払わなくてよい。

一方、厚生年金は国民年金と厚生年金の保険料を支払い、厚生年金部分は収入に応じて保険料が高くなるがその分受給額も増える。また、支払保険料は会社と折半となり、支払保険料は納める保険料の半分程度で済む。

今支払っている保険料はどこにいっているのか。年金の支払保険料はすべて自分に返ってくるわけではない。年金は賦課方式という仕組みをとっていて、現在現役世代が支払っている保険料は今年金を受給している世代の年金の財源となっている。

年金は、現役世代の保険料だけでは賄えないため、1/2は国から資金が出ている。

平成21年までは国の負担は1/3だったが、平成21年4月から1/2に引き上げられた。これは、少子高齢化が進んだことにより、今の給付水準と保険料水準を保つためには国の負担を増やさないと成り立たなくなったためである。財源はこれまで貯まっていた国の剰余金や積立金いわゆる霞が関埋蔵金でしばらくは賄われ、その後は消費税によって賄われている。

年金の給付抑制になる「マクロ経済スライド」

年金の受給額は、受給時の物価水準、賃金水準を考慮して決められている。

例えば、マクドナルドのハンバーガーが1971年の発売当初80円だったのが、90年代には210円まで上がり、2000年代には59円まで下がり、今は100円となっているように、物の価値やお金の価値は時代の変遷とともに変動する。年金は老後の生活保障であるため、受給時の物価に合わせた給付水準となっていなければならない。具体的には平均的な年金収入を受け取る世帯(モデル夫婦世帯)が現役世代の収入の50%程度になるよう設定されており、これを所得代替率という。

したがって、物価や賃金が上がれば、自動的に年金受給額も上がるようになっている。

2020年度は賃金や物価が上昇したため、上記の物価や賃金を考慮して年金受給額が決まるなら0.3%受給額が引き上げになる。

しかしながら、実際に引き上げられたのは0.2%である。

これは、マクロ経済スライドが発動したからだ。

マクロ経済スライドとは、保険料を支払う側の現役世代の人口減少や平均余命の伸び等による受給側の高齢世代の増加等物価とは別の社会情勢に合わせて、実際の年金受給額を決める仕組みだ。

本来の物価の上昇による年金受給額の伸びから、マクロ経済スライドによる調整率が差し引かれて実際の受給額が決まる。

マクロ経済スライドを使うことで、支払保険料の伸びに対して実際の給付額を抑えることができ、実際に2020年は約3兆2,500億円の給付抑制となった。

ただ、2020年の物価上昇が珍しく、マクロ経済スライドが導入されて以来物価や賃金が上昇することなくデフレが続いたため、抑制することがほとんどできなかった。

厚生年金で年金給付抑制の延長が必要?

マクロ経済スライドだけでは給付抑制はできず、少子高齢化により保険料収入は減少し、老後の生活の最低保障となる所得代替率は現行のままだと2019年は所得代替率61.7%に対して、経済成長と労働参加が進む最も楽観的なケースで2046年度に51.9%、経済成長が進まず労働参加が進まない最悪なケースでは2043年度に50%となり2052年にはGPIFの運用する積立金がなくなり保険料と国庫負担で賄う完全賦課方式になり所得代替率38~36%となってしまう。

現在、厚生年金のマクロ経済スライド調整期間を国民年金と同じ2033年度までとする案が出ている。

国民年金は現在2046年までマクロ経済スライドで年金給付を抑え、一方で厚生年金は2025年までの調整で済む。つまり、物価が上がったときに給付が減る期間が国民年金はあと25年、厚生年金はあと11年と厚生年金の方が抑制される期間が短い。これを国民年金と厚生年金同じ2033年にすることで2033年の所得代替率が55.6%と50%近くまで下がらなくなる。

国民年金のために、厚生年金の給付が抑制されるのは嫌だと反対する向きがあるが、厚生年金はそもそも1階部分が国民年金が財源となっているため、国民年金が改善されることは厚生年金を受給する会社員にも良い影響がある。ただし、高所得者(40年間平均年収1790万円以上)の所得代替率がこの制度でわずかに悪化する。

他にも、年金の払込期間を65歳までに延長する案、消費税の増税案、厚生年金加入者を増やすための適用拡大案など様々な案が出ているが、年金制度はこのままだと老後の生活保障の目的が果たせず、改革が急務となっている。

(参考)
日経新聞 2021年9月22日 年金改革 人口減で急務に
厚生労働省 2019年財政検証結果

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。


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