ネットショップを簡単に作成できるなど、商品の取引を支援するサービスが活況だ。CtoCのリユース市場規模が1兆円を超えるなど、メルカリとベイス、2大ECプラットフォーマーの躍進が際立つ。
機能をブラッシュアップし新規利用者取り込みに成功
市場規模は1兆583億円! リサイクル通信が今年9月に発表した推計によると、フリマアプリなどのネット販売の個人間取引は、前年比14.7%増と拡大中(左図表参照)。ネット販売の企業対消費者取引は2%増で、いずれも前年を上回った。コロナ禍での外出自粛は、EC需要が一時的に高まるきっかけにはなったが、飛躍の底流にあるのはEC化の進行だ。
「年々成長してきた取り引きのEC化がさらに加速した結果であり、コロナ禍が収束しても元には戻らない不可逆の変化と考えています」(ベイスCOO・山村さん)
ネット販売は今後もさらに伸びる余地があるという分析も。
「経済産業省の調査によると商品売買のEC化率は、たった8%ほど。当社の調査ではECサイト開設者のうち、商品が売れたと感じた人は約25%というデータもあり、まだまだ改善できる状況です」(メルカリPRグループ・韓さん)
メルカリは事業者向けの新規事業「メルカリShops」を立ち上げ、一方のベイスはショップのページデザイン機能を拡充し、好評を博す。両社とも実店舗を立ち上げ、ユーザーとの接点をつくるなど、ハードルを下げる施策を活発化し、新規利用者を増やした。
CtoCのリユース市場規模は1兆円超え!
出典:リサイクル通信「データで見るリユース市場(2021年最新版)」
国内流通総額25%増で上場以来初の黒字化!
販売総額と利用者数の推移
上場以来初の黒字化を達成。利用者は2000万人目前
コロナ禍に入った2020年から流通取引総額(GMV)は大きく上昇。今年4〜6月期の月間アクティブユーザー数は1954万人、売上高は前年比39%増の1061億円に達した。
メルカリはオフラインとBtoCの強化
リアル店舗で使い方が学べる「メルカリステーション」
出品する商品の撮影ができる撮影ブースなどを設置した、メルカリの使い方が学べるメルカリ教室を開催。期間限定店舗含め11店展開し、4万人以上が利用。
メルカリ以上の簡単操作で出店できるBtoCサービス
「メルカリShops」は中小事業者がネットショップを持てる新サービス。在庫管理などがしやすくなった。7月プレオープン、10月本格始動。
1年で50万店が新規開設し売上高215%増の大躍進!
累計ショップ開設数の推移
スピード開設で今年9月に160万ショップ突破
2012年にスタートしたネットショップ作成サービスで、最短即日でオープンできるなど使いやすさが評判。昨年半ば頃から開設数は急増し、今年9月に160万店を超えた。
ベイスは既存の機能拡充と委託販売スペース開業
1か月で1万インストールを達成デザイン機能「ページ追加 App」
ネットショップにページを追加できる機能が好評。特別なスキルは必要なく、一から自由にページをデザインでき、最大5ページまで公開することができる。
今年10月、阪神梅田本店2階に「THE BASE MARKET」開店
「SHIBUYA BASE」「BASE Lab.」に続く関西初のリアル店舗。前述の東京2店と異なり、ショップオーナーは陳列・接客・精算などの業務を委託可能。
取材・文/編集部
DIME12月号の特集は「行列店に学ぶヒットの方程式」
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