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孤立した集団の中にいると人はどうなる?ロンドン映画祭で最優秀作品賞を受賞した傑作「MONOS 猿と呼ばれし者たち」

2021.10.26

■連載/Londonトレンド通信

 一昨年のロンドン映画祭コンペティション部門で最優秀作品賞を受賞した『MONOS 猿と呼ばれし者たち』が10月30日公開。アレハンドロ・ランデス監督の長編3作目となるこの映画は、ロンドン映画祭だけでなく世界各国で様々な賞を獲得している。

 激しく体を鍛えるティーンエージャーたちの冒頭から引きつける。年頃から言えばスポーツの練習など浮かぶところだが、明らかに違う。彼らの緊迫した様子と、人里離れた山頂らしいロケーションが、ただ事ではない。

 8人の少年、少女たちは、MONOS(猿たち)というコードネームで呼ばれている。時々、ゲリラ組織の上部からメッセンジャーがやってくる。

 そこがどこなのか、彼らは誰なのかも明かされずに進むストーリー、ロケーションが神話的にさえ感じられるのに対し、キャラクターは妙に生々しい。彼らのほとんどが職業俳優ではない。メッセンジャー役のウィルソン・サラザールがジャングルで暮らした元コロンビアの少年兵だったのをはじめ、それぞれ特徴的な背景を持ち、それが役柄にもにじむ。

 キーマンとなるビッグフットを演じるモイセス・アリアス(冒頭写真)は、個性的な顔立ちで、個性的な役が多い俳優だが、そのアリアスに負けないほど、それぞれのキャラが立っている。

 MONOSに与えられた任務は人質の監視だ。

 同時に大事な牛の世話も任されているのだが、誤って死なせてしまう。そこから歯車が狂いだす。

 リーダーが交代したグループは先鋭化し、仲間内でもお互いを疑い出す。敵の攻撃により、ジャングルへと逃れた彼らは、上部組織との連絡も絶たれ、孤立した集団となって暴走を始める。

 舞台も人種も違うが、連合赤軍によるあさま山荘事件を連想した。だが、アレクシス・ドス・サントスと共同で脚本も手掛けたランデス監督は、あさま山荘をモデルにしたわけではない。

 1980年ブラジル生まれ、エクアドル人の父とコロンビア人の母をもつランデス監督が下敷きにしたのは、50年以上続いたコロンビアの内戦だという。閉じた集団が狂気に陥っていくのは、古今東西変わらないのだろう。

 それこそ太古の昔から人の奥底に眠っているのであろう禍々しい部分を直視させる映画だ。

「MONOS 猿と呼ばれし者たち」
10月30日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
(c) Stela Cine, Campo, Lemming Film, Pandora, SnowGlobe, Film i Väst, Pando & Mutante Cine
配給:ザジフィルムズ

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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