5Gのエリアが急拡大している。KDDIとソフトバンクでは、2022年3月頃までに人口カバー率を90%まで拡大する予定だ。最近は主要駅とその周辺で5Gの電波をつかむことも多い。『iPhone 13』シリーズへの乗り換えで〝5Gデビュー〟するには絶好の時期だ。
『iPhone 13』の5G通信は日本でどの程度使える?
スタート当初は利用できる場所がかなり限られていた5Gだが、都市部を中心にエリアの拡大が進んでいる。中でもKDDIやソフトバンクは、4Gからの周波数を5Gに転用することでエリア拡張のペースを上げている。都市部では、駅から離れた場所まで面でカバーする場所も増えてきた。『iPhone 13』はミリ波以外の周波数帯をすべてカバーしており、5Gを利用できる場所は多い。
日本向け『iPhone 13』シリーズが対応する国内キャリアの5G帯域
◎n77(TD3700) ※au/ソフトバンク/楽天
◎n78(TD3500) ※ドコモ/au
◎n79(TD4700) ※ドコモ
『iPhone 13』が利用できる国内の5G専用周波数帯は主に3つ。4Gからの転用でエリア拡大に利用されるn3やn28にも対応する。
5Gを実感できる活用法(1)
■ 配信動画のダウンロード
動画の読み込みがスムーズになり、YouTubeなどのストリーミング動画が、あたかも端末内にあるかのようにサクサクと再生される。5Gエリアにいる際に、あらかじめ見たい動画をダウンロードするような場合でも、4Gの時より時間がかからないのはメリットだ。また、サービスによっては5G接続時に画質を向上させることもある。
5Gを実感できる活用法(2)
■ 撮影ビデオのアップロード
5GのSub-6は上りの通信速度が最大200Mbps以上に高速化しているため、『iPhone』で撮った動画のアップロードも4Gより高速。シネマティックモードやDolby Visionの4K、60fpsに対応した『iPhone』の動画はデータサイズが大きくなりがちなだけに、アップロードには5Gを活用したい。iCloudのバックアップも、5G経由で行なえる。
5Gを実感できる活用法(3)
■ オンライン会議
高速な5Gは、コロナ禍で増えたビデオ会議の際にも活躍する。『iPhone』には、5G接続時に自動的にビデオなどの画質を向上させる機能が搭載されており、iOS 15でビデオ会議アプリとして使いやすいUIになったFaceTimeもこれに対応する。5G接続時の画質は、肌のディテールまで見えるほどの精細さになるので、ぜひ試してほしい。
『iPhone 13』で利用できる各キャリアの5G最新事情
サービス開始から1年半がたち、5Gのエリアは一気に広がり始めている。中でも急拡大しているのが、KDDIとソフトバンク。この2社は、4Gに使用していた700M㎐帯や1.7G㎐帯を5Gに「転用」して、エリア化を加速させている。700M㎐帯はプラチナバンドと呼ばれる周波数帯に近く、電波が飛びやすい。
対するドコモは「瞬速5G」にこだわり、5G用の新周波数帯でのエリア整備を地道に続けている。4Gから転用した5Gはエリアが広げやすい反面、速度が4Gと同等になってしまい、メリットが薄くなるからだ。そのため、ドコモの5Gは人口カバー率こそ2社に見劣りするが、つながれば速い。
同じ5Gでもこうした違いがあることは、押さえておきたい。
KDDIの5Gエリア例。4G転用はもともとある基地局を活用できるため、エリアを拡大しやすい。KDDIとソフトバンクは2022年3月の人口カバー率90%が目標。ソフトバンクは2021年10月で人口カバー率80%を達成する。
取材・文/石野純也
※本記事内に記載されている価格などの情報は2021年9月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。