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Z世代の価値観を理解する上で見落とされがちな「個人の特性」

2021.10.24

「ジェネレーションギャップ」はどの世代にとっても常に付きまとうトピックであり、特に20代前半からオーバー60歳の世代まで一緒に働く会社/社会においては一挙手一投足に気を使っているという人もいるかもしれません。

文房具やオフィス家具を販売する「コクヨ株式会社」では、2021年10月13・14日に「働くのミライ会議」と題し、現代の働き方、ビジネスの在り方について話し合うオンラインイベントを開催。本記事では、社会に進出したばかりの“Z世代”の価値観に焦点を当てた「日本社会を変える、若き“Z世代”の価値観 これからの企業成長に欠かせないヒント」というセッションから垣間見えた、“Z世代”の価値観や働き方について紹介していきます。

そもそも“Z世代”とは

オンラインイベントの内容に触れる前に、まずは“Z世代”とはどの年齢を指すのかについて簡単に解説しましょう。

一般的に“Z世代”というと、「1990年代後半から2012年ごろ」に生まれた世代を指す言葉として定着しつつあるようです。2021年現在の年齢でいうと、大体25歳前後から8歳前後までとなるので、社会人1・2年目とされる世代から小学生までと、幅広いことがわかります。イメージとしては、「ゆとり世代」と呼ばれる年齢の少し下になるでしょうか。

ちなみに筆者は1996年生まれ、2021年で25歳なのでギリギリ“Z世代”の一員。ということで、自分自身の体験も踏まえながら、Z世代の価値観に触れてみたいと思います。

物心をついたころからデジタルデバイスに触れてきたZ世代の価値観

コクヨの「働くのミライ会議」には、Z世代の代表としてタレントのりゅうちぇるさん、Z世代向けタレントのプロモーション活動などを行っている「N.D.Promotion」と、博報堂グループの「オールブルー」の2社からなる「Z総研」を代表して道満綾香さんも登場。コクヨのZ世代社員も複数加え、それぞれの考え方や価値観について話し合いました。

道満さんによると、Z世代は「物心をついたころから、スマートフォンやタブレットが身近にあった世代、もしくは学校の授業でパソコンに触れてきて、常にSNSと近い距離にある」世代です。

確かに筆者も小学校の授業で初めてパソコンに触れ、中学生になって初めて与えられた携帯電話は「iPhone 3GS」でした。25歳の筆者ですら、いわゆる“ガラケー”を所持した経験がないので、携帯電話=スマートフォンと考える世代ともいえるでしょう。新社会人にガラケーの話をしても、不思議そうな顔をするかもしれません。

ネットリテラシーが高いZ世代にとって、複数のSNSアカウントを持つことは一般的。Z総研の調査によると、88.6%の人がインスタグラムのアカウントを複数持っているとのこと。親しい友人のみと繋がるアカウントや、趣味の話だけをするアカウントといったように使い分けているようです。

わざわざアカウントを分ける理由としては、自分の好きなことを発信したり、情報収集をする中で、そのコンテンツに興味がない人の目に触れてしまうのが申し訳ないと考えるようです。小さいころからネットの世界に触れてきたZ世代ならではの価値観かもしれません。

また、同世代の連絡先交換には「LINEよりインスタグラム」と考えている人も多いようです。インスタグラムは、「プロフィール帳」のように使われていることが多く、LINEはよりパーソナルなツールになりつつあるようです。気軽にLINEの交換を申し出ると、びっくりされるかもしれませんね。

“推し”がいるのが当たり前! “推し”ってなんだ!?

ちなみに、Z世代では“推し”という言葉が一般的に使われています。“推し”とは、好きな俳優やアニメのキャラクターなど「応援している」対象を指す言葉で、“推し”のための専用SNSアカウントを持っていることも、Z世代にとっては珍しくありません。

筆者の場合、幼少期からサッカーが好きで、「横浜F・マリノス」を“推し”ています。このように応援しているスポーツチームなどに対しても“推し”という表現は使われます。

「仕事よりプライベートが大切」「飲み会に行きたくない」は個人差が大きい!?

Z世代、いわゆる若者世代というと、「飲み会に参加したがらない」「仕事よりもプライベートを重視している」というイメージを持っている人もいるかもしれません。コクヨのZ世代社員の中には、企業や仕事を選ぶうえでの基準として、「仕事以外の時間も欲しい」と考えている人もいました。

もちろんこういった価値観/意見はあるのですが、あくまで「こういう人もいる」程度に考えてもいいかもしません。道満さんは「仕事が好きなので、仕事以外の時間が欲しいとはあまり思っていなかった」と話しており、個人差がかなりあるようです。

当たり前といえば当たり前なのですが、考え方は「世代」に依存するものではなく、「個人」に依存するものということかもしれません。

りゅうちぇるさんは、最も忙しかった10代のころを振り返り「最初はお金を稼ぐためにもバリバリ働いていたけど、仕事ができる人はうまくさぼることができる人だと気づいた」とし、沖縄に帰ろうと考えたこともあると話していました。

飲み会に関しても同様で、「お酒やたばこが苦手」「上司と勤務時間外に一緒にいたくない」と考えている人も中にはいるかもしれませんが、「いつ誘われても大歓迎」という意見や、「時間制限があるランチから」と考えているZ世代もいました。

個人的な話にはなりますが、筆者はお酒があまり強くないけどお酒の席は大好きです。上司や先輩に誘われると嬉しいですし、喜んでついていきます。りゅうちぇるさんもお酒が好きとのことで、「お酒おごってもらえてうれしい!」という感覚のようです。

“Z世代”はあくまで愛称! 「個人の特性」を見るのが大切

飲み会の話やプライベートの時間の使い方など、一口に“Z世代”とくくってしまうのは簡単ですが、当然同世代であっても考え方や価値観はそれぞれです。筆者もインスタグラムのアカウントは1つしかありませんし、年に1、2回程度しか更新していません。(これは少数派かもしれませんが……)

どの世代も共通かもしれませんが、様々な価値観を持った人がいるため、それぞれがどう考えているかはじっくり観察/対話をしないとわからないものでしょう。SNSの発達によって多くの人が自分の意見を発信できるようになった今、SNSを使いこなすZ世代は「多様で接し方が難しい世代」に見えてしまうだけなのかもしれませんね。

インターネットで誰とでも簡単に繋がれる今だからこそ、「相手とじっくり会話をする」ことを大切にしてみるのも、ジェネレーションギャップを埋める手かもしれません。

取材・文/佐藤文彦

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