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走り、乗り心地はどう変わった?10年ぶりのフルモデルチェンジをはたしたトヨタの新型「アクア」

2021.10.19

国内専用、そして初代が世界最高レベルの燃費性能を誇ったトヨタのコンパクトカーがアクア。プリウスの弟分とも言える、空気を味方につけたハイブリッド専用車であり、一時は国産乗用車販売台数のトップに君臨するほどの人気を得ていた。

そんなアクアが、約10年ぶりにフルモデルチェンジ。その新しさを確認すべく、最上級のZグレード(FF)を借り出し、試乗した。

新型アクアは5ナンバーサイズを守りつつ、ヤリスから採用されたトヨタ最新のGA-Bプラットフォーム(Bセグメントという意味もある)を使い、2600mmとなったホイールベースは初代比で50mm伸ばされている。エクステリアデザインはやわらかい面で構成され、見る者にやさしい万人向けのデザインと言える。ちょっと尖ったヤリスとは対照的ではないか。

パワーユニットは初代の4気筒1.5L+モーターから、ヤリスと同じHVモデルと相性のいい新世代ダイナミックフォースエンジン、3気筒1.5L+モーターに換装。ハイブリッドシステムはおなじみのTHSIIとなるが、Xグレード以上のバッテリーは量産HV車として世界初のバイポーラ型ニッケル水素バッテリーを採用する。その特徴を簡単に言えば、よりコンパクトかつ高出力が可能になる”神バッテリー”である。おかげで、バッテリーだけで走れるEV走行可能速度は初代の倍以上となる約40km/hを達成しているのだ。なお、燃費性能はWLTCモードでこのZグレードが33.6km/L、G、Xグレードは34.6km/Lとなり、今ではヤリスHVの Gグレード35.8km/L、Xグレードの36.0km/Lには及んでいない。

パッケージ面では、ホイールベースの延長によって、初代のウィークポイントのひとつだった後席の狭さを改善。具体的には、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で頭上に約100mmは初代同等ながら、膝周り空間は約180mmとなり、初代の約160mmを超えた余裕がもたらされている。ただし、空気抵抗スペシャルのルーフラインは初代から継承され、ルーフ後部がなだらかに下がっているため、後席のヒップポイントを高められず、前席シートバックが壁のように高く迫って感じられるのは残念な部分である。ショルダーラインが後ろでキックアップしているため、後席乗員の真横の視界もやや制限される。とはいえ、後席座面の高さ=ヒール段差(フロアからの高さ)は初代の355mmから370mmに高まり、より自然な椅子感覚の姿勢で座れるようになっているのは褒められる点だろう。ヒール段差が低いと、膝を立てるような着座姿勢となり、お尻だけで体重を支えることになるため、長時間の着座で疲れやすくなりがちなのである(立ち上がり性も悪化する)。

ラゲッジスペースは開口部地上高、奥行きこそ初代と大きく変わらないものの、幅方向が拡大。ラゲッジボードによる上下2段で使える使い勝手の良さも継承されている(ラゲッジフロア全体が深さ約130mmの隠し収納スペースになる)。

先進運転支援機能のトヨタセーフティセンスは全グレードに標準装備。素晴らしいのは、昼夜の歩行者、昼の自転車運転者検知機能付きのプリクラッシュセーフティ(いわゆる自動ブレーキ)のほか、レーントレーシングアシスト、そして全車速追従+停止保持機能付きのレーダークルーズコントロール(ACC)が含まれていること。新型アクアには電子パーキングブレーキは採用されず、したがって素晴らしく便利なオートブレーキホールド機能も付かないのだが(兄貴分のプリウスへの配慮か?)、ACCにはしっかりと、ACCの有難みを強く感じられる渋滞追従、停止保持機能を与えているのである。望めば、試乗車に付いていたブラインドスポットモニターまでオプションで装備できるのである。

加えて、全グレードに車載専用通信機DCMを装備していることもあって、前席頭上にヘルプネット=SOSコールボタンが付いているのだから、心強い(あおり運転被害にあったときにも有効)。

運転席に着座すれば、シートは背中をやさしく包んでくれる、最近のトヨタ車に共通する心地よいホールド感あるものだった。しかも、贅沢にもパワーシートなのである。もっともその機構はヤリスクロスから採用された1モーターでクラッチにより動作を切り替える廉価版で、作動音がうるさく、動作にスムーズさを欠くのが難点。とはいえ、手動式より細かいシート調整ができることは言うまでもない。

新型らしいのは、センターディスプレーの大きさだ。なんといきなり10.5インチのディスプレーオーディオで、車格、サイズに見合わないほど大きい(いい意味で)。これなら老眼のシニアドライバーも満足できるはずである(ナビなどのスイッチ類やメーターの速度、CVTのレンジ表示もすっごく大きい。その代わりに下1段の表示=外気温時計などは小さすぎるのだが)。なお、基本はナビなどをスマホ接続で動作させるディスプレーオーディオだが、オプションで純正ナビも利用できる(試乗車はそうであった)。

インパネの随所にステッチ入りのソフトパッドを使っているのも、見た目の上級感の演出として嬉しいポイントである。

初代アクアは燃費性能に特化したHV専用車としてその存在感を広く示したものの、筆者の印象としては、乗り心地が物足りなかった。具体的には、良路ならともかく、荒れた路面、段差での音、振動、ショックが大きめで、その点ではライバルに劣っていたのである。

しかし、新型アクアはそうしたウィークポイントをほぼ解消している。試乗車はZ(Gグレードも)にオプションの195/55R16サイズの転がり抵抗の小さい燃費スペシャルなBSエコピアを履いているにも関わらず、乗り心地は初代とは別次元。おおらかでマイルドなタッチを示し、一般的な段差の乗り越えでは、それこそしなやかにいなしてくれるマナーを身に着けていたのである(鋭利な段差は別)。高速走行でのフラット感も、ホイールベースの延長もあって、格段に進化。乗り心地面では、ズバリ、ヤリスよりずっと快適である。

動力性能は、こうしたエコスペシャルなHVカーとして文句なしのレベルにある。エコモードの高速走行でさえ、1~2名乗車であれば交通の流れにしっかりと乗れる速さを示してくれる。ノーマル、パワー+モードも備えているのだが、普通に走る分にはエコモードで十分という印象が持てた。そうそう、パワー+モードの話が出たところで、新型アクアの新しい走行機能を説明したい。それは「快適ペダル」と呼ばれるもので、パワー+モードでのみ作動。日産ノートe:POWERのワンペダル機能に近いのだが、しかし、アクセルオフ時の減速Gはノートe:POWERよりずっと穏やか(同乗者にとってはより快適だろう)。無論、停止まで持っていくこともできない。つまり、その名の通り、ワンペダルの「快適ペダル版」というわけだ。同乗者の強い減速Gによる車酔いのしにくさにも貢献するのだが、実際、スピードコントロールのしやすさはもちろん、高速道路の料金所通過などで、絶妙な減速度を発揮してくれたのである。

街中でUターンをするときにおやっと感じたのは、小回り性だ。初代アクアの4.8mに対して新型は駆動方式によらず全車5.2mになっているのだ(Bグレードを除く)。扱いにくいほどではないが、初代の小回り性が懐かしかったりする・・・。

操縦性はどうか。まさか、アクアにスポーティなハンドリングまで望む人はいないだろうが(望むならヤリスがある)、新型は穏やかな操縦感覚ながら、初代よりずっとリニアで正確だ。しかも、タイヤの接地感、安定感は文句なしのレベルにあり、首都高速道路のきついカーブも安心してトレースでき、走り抜けることが容易だった。

先ほど、カタログ値の燃費性能はヤリスに及んでいない・・・と書いたのだが、バイポーラ型ニッケル水素バッテリー搭載のメリットは、EV走行比率、実燃費の良さに効いていることに間違いないようだ。高速走行+一般道を普通に走った後にインフォメーションに表示されるEV走行比率データを確認すると、60~70%を示していたほどだった。思い返せば、多くの走行シーンで、(初代よりもずっと)EV走行を粘り強く行ってくれていたのである。

高速走行では渋滞追従&停止保持機能付きのACCが威力を発揮。レーンキープ機能もあり、時代とともにトヨタの実用車向けのACCもかなり進化していることが伺え、再加速時なども歯がゆい思いをせずに済むから使いやすい。

最後にこれだけは触れておきたいのが、新型アクアは全グレードにトヨタの2モーター、ストロングHVならではのAC100V/1500Wコンセントが、最新のプリウス同様、全グレードに標準装備されていること(ヤリスHVは4万4000円のオプション)。車内外で家電品が使え、アウトドアでも有用だが、災害大国の日本においては、万一の際、新型アクアがわが家の電源車として活躍する。ガソリン満タン、消費電力400Wであれば、約5日分の電源を供給してくれるのだから心強い。バイポーラ型ニッケル水素バッテリーの採用などもさることながら、そうした気の利いた!?配慮、英断が嬉しく感じるのである。

https://toyota.jp/aqua/

文・写真/青山尚暉

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