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コロナ禍のスペインで大腸がんの診断数が40%減少した理由

2021.10.16

コロナ禍のスペインで大腸がんの診断数が40%減少

スペインでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中に大腸がんの診断数が40%以上も減少したことが明らかになった。

アラゴン医療研究所(スペイン)のMaría José Domper Arnal氏らによるこの研究結果は、欧州消化器病週間(UEG Week Virtual 2021、10月3〜5日、オンライン開催)で発表された。

Arnal氏らは、スペインの複数の病院における大腸がんの診断や検診などに関するデータを、COVID-19パンデミックの最初の1年間(2020年3月15日~2021年2月28日)と、その前年とで比較した。

その結果、この2年間に診断された大腸がん1,385例のうち、ほぼ3分の2(868例、62.7%)は、パンデミック前の1年間に実施された2万4,860件の大腸内視鏡検査で発見されたものであることが判明した。

これに対して、パンデミック中に診断された大腸がんは517例(37.3%)のみで、大腸内視鏡検査の数も前年から27%減少の1万7,337件だった。

パンデミック中に大腸がんと診断された人では、その前年に診断された人に比べて、年齢と症状の出現頻度が高く、合併症の数も多く、がんがより進行した段階で来院したという特徴が見出された。

合併症には、腸穿孔、膿瘍、腸閉塞、入院を要する出血などがあった。このような合併症を伴う症例が大腸がんの全診断例に占める割合は、パンデミック前年の10.6%からパンデミック中には14.7%へと増加していた。

また、ステージ4の大腸がんの診断割合も、パンデミック前年の15.9%からパンデミック中には19.9%へと増加していた。

このような診断数の減少理由としてArnal氏らは、スクリーニングプログラムの停止や緊急性の低い大腸内視鏡検査の延期などを指摘している。

また、パンデミック中は、定期的なスクリーニングで発見されるがんが少なく、症状が現れてから診断される症例の割合が高かったことも報告している。

Arnal氏は、「これは実に憂慮すべき結果だ。パンデミックのために多くの大腸がんが未診断のままになっていることは間違いない。大腸がんの診断数が少ないだけでなく、診断された患者では、病状が進行して症状に苦しんでいることが多いのも気に掛かる」と述べる。そして、「この数字はスペインの約130万人の集団におけるものだが、世界中で、特にCOVID-19がひどく蔓延して、スクリーニング検査が中止されたり手術が延期されたりした国では、同様の減少が起きている可能性が極めて高い」と付け加えている。

さらにArnal氏は、「大腸がんは、早期に見つかれば多くは治癒する。われわれが懸念するのは、早期診断の機会が失われることによって、患者の転帰や生存率に波及的な影響が及ぶことだ。今後数年にわたり、その影響が続く可能性が高い」と述べている。

なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2021年10月4日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Press Release
https://ueg.eu/a/282


構成/DIME編集部

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