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血中ニューロフィラメント軽鎖濃度の測定が重度の外傷性脳損傷の予後予測に有用である可能性、英インペリアル・カレッジ・ロンドン研究報告

2021.10.14

血中のニューロフィラメント軽鎖濃度はTBI患者の予後予測に有用

重度の外傷性脳損傷(TBI)を負った患者の長期的な予後予測は難しいのが現状だ。こうした中、血中のニューロフィラメント軽鎖(NfL)と呼ばれるタンパク質濃度の測定というシンプルな方法が、重度TBI患者の予後予測に有用である可能性を示した研究結果が明らかになった。

英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のNeil Graham氏らが実施したこの研究の詳細は、「Science Translational Medicine」9月29日号に発表された。

NfLは、脳細胞がシグナルを伝達するときに使われる神経線維の一部を構成している。重度のTBI患者において、こうした神経線維(軸索とも呼ばれる)の損傷は予後悪化の予測因子であることが知られている。

TBIは脳震盪のみの軽度なものから、深刻な障害が残る重度のものや死に至るものまで重症度はさまざまだ。米疾病対策センター(CDC)によると、米国での2019年の重度TBIによる死者は6万1,000人に上る。

また、死亡を免れたとしても、身体障害、記憶力や思考力低下の問題が残り、仕事や自立した生活を送ることが難しくなる患者が少なくない。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の神経学者であるChristopher Giza氏は、「重度TBI患者の予後を予測するのは難しい」と話す。

同氏によると、質問に答えられるか、指示通りに体を動かせるかといった患者の反応や、CT検査の所見に基づき予後の評価が行われているのが現状だという。ただ、これらの方法には限界がある。

Graham氏らの研究は、交通事故や高所からの落下などが原因で中等度から重度のTBIを受傷した患者197人(年齢中央値47歳)を対象に実施された。

対象者には、標準的な評価とCT検査に加えて、血中NfL濃度の測定が受傷後10日以内に2回、その後は受傷後10日から6週間の間(亜急性期)と6カ月後、12カ月後に行われた。

また、対象者の71%は、血中NfL濃度と脳内の軸索損傷との関連を調べるために、亜急性期にMRI検査も受けた。

その結果、血中NfL濃度の値は、受傷後、経時的に著しく増加し、亜急性期に当たる受傷後20日頃にピークに達することが明らかになった。

脳損傷のない外傷患者25人(年齢中央値41歳)でも血中NfL濃度を測定したところ、濃度上昇が認められたが、TBI患者の血中NfL濃度はその5〜10倍程度高かった。この異常値は、その後も1年間続いた。

また、血中NfL濃度の値が高い患者では、MRI検査で軸索を含む脳組織である白質の変性が認められる割合が高かった。さらに、血中NfL濃度が高い患者は、1年後の障害レベルがより高いことも明らかになった。

Graham氏は、「軸索損傷の程度を正確に測定することは、予後を予測する上で重要である」とした上で、「NfLの血液検査はその点で極めて有用であることを、今回の研究で明らかにすることができた」と話す。

またGraham氏は、「この研究結果は、血中NfL濃度の測定を日常診療に組み込める段階にあることを裏付けるエビデンスをより強固にするものだ」と主張。

「確固たるエビデンスのある新たなツール全般に言えることではあるが、患者がその恩恵を受けられるように、慎重に臨床導入を進めるべきというのが私の考えだ。実際、われわれは数カ月以内にそうするつもりである」との考えを示している。

Graham氏は、「予後をより正確に予測できるようになれば、患者やその家族が求めている情報を提供できるようになる」と話す。

また、「血中NfL濃度に基づき予後不良リスクが高いと予測される患者には、フォローアップをより高頻度かつ集中的に行うこともできる。そうした取り組みは、長期的なケアにも影響を与えるだろう」との見方を示している。(HealthDay News 2021年9月30日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abg9922

Press Release
https://ukdri.ac.uk/news-and-events/ultrasensitive-blood-test-set-to-transform-detection-of-brain-damage-and-poor-prognosis-after-head-injury

構成/DIME編集部

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