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ホームボタン廃止、USB-C接続、最新チップセット、進化した新型「iPad mini」は買いか?

2021.10.12

■連載/石野純也のガチレビュー

 約2年ぶりとなるiPad miniの新モデルが登場した。6代目となるiPad miniは、デザインを大きく変えたのが最大の注目ポイント。現行のiPad ProやiPad Airと同様、前面全体がディスプレイのデザインになり、5世代ぶん続いてきたホームボタンが廃止された。ただし、持ち前のコンパクトさはそのままで、ベゼル(額縁)が狭くなっただけ、ディスプレイのサイズが拡大している。持ち運びやすさはそのままに、ディスプレイだけが大きくなったというわけだ。

 コンパクトなタブレットゆえに、パフォーマンスを心配する向きがあるかもしれないが、内蔵するチップセットはiPhone 13シリーズと同じ最新の「A15 Bionic」。しかも、GPUが5コア搭載されているバージョンで、これはiPhone 13 ProやPro Maxと同じだ。Apple Pencilは第2世代のものに対応。側面にマグネットで張りつく仕様で、チャージが簡単になった。また、iPad Pro以外のiPadで初めて通信方式が5Gになったのも、第6世代iPad miniの特徴と言えるだろう。

 コンパクトで高機能なタブレットとして不動の地位を築いたiPad miniだが、フルモデルチェンジ後の第6世代もその立ち位置を受け継いでいるように見える。では、実際に触ってみた印象はどうか。発売前からいち早く第6世代のiPad miniを使ってきた筆者が、その実力をジャッジしていきたい。

デザインを一新して、iPad AirやProをコンパクトにしたような見た目になった第6世代のiPad mini

片手で持ちやすい抜群のポータビリティでApple Pencilも使いやすい

 “mini”と自ら名乗っているだけに、iPad miniはコンパクトさが命。第6世代のiPad miniも、デザインは大きく変わったが、サイズ感は顕在だ。手の大きな人であれば、片手でガシっとつかむことができ、どちらかと言えば、スマホに近い感覚で持てる。さすがにそのまま片手でフリック入力とまではいかないが、ほかのどのiPadよりも片手持ちしやすいのは事実だ。しかも重量がWi-Fi+Cellular版でも297gと軽くて、長時間持っていても疲れづらい。

片手で難なくホールドできるサイズ感。これができるiPadは、iPad miniだけだ

 ハイエンドスマホの一部は重量が200gを超えてきているが、そことの差が縮まりつつある。しかもサイズが大きいため、手のひら一点に重さが集中するスマホよりも、軽いような印象すら受ける。このポータビリティこそが、iPad miniの売りと言えるだろう。横幅のサイズは134.8mmで、これはホームボタンのあった第5世代のiPad miniと同じ。パンツのポケットには入らないが、コートなどのアウターについた大きめのポケットなら、収納できそうなサイズ感だ。

 握りやすく軽いのは、Apple Pencilを使った手書きの使い勝手のよさに直結する。片手でiPad miniを、もう一方の手でApple Pencilを持ってそのまま文字や絵を書くことができ、さながらその佇まいはノートのよう。iPad ProやiPad Airなどで同じことをやろうとすると、iPadを支えている手がかなり辛くなってくるが、iPad miniではそんな心配が不要だった。

撮影の都合上、机の上に置いて文字を書いたが、立ったままメモを取りやすいのはiPad miniの利点と言える

 しかもiPad miniが搭載するiPadOS 15は、Apple Pencilによる手書き機能が大幅に強化されている。わかりやすいのは、クイックメモだ。この機能は、Apple Pencilで画面右下をスワイプするだけで呼び出すことができる小さなメモ帳。ほかのアプリにオーバーレイする形で表示されるため、思い立った時に、すぐメモを取り始めることが可能になる。わざわざメモアプリのアイコンを探し出す必要はなく、サッと呼び出せるのが便利だ。まさにiPad miniにうってつけの機能と言えるだろう。

iPadOS 15で実装されたクイックメモ。素早くメモを取りたい時に便利な機能だ

 先に述べたように、Apple Pencilは第2世代になっているため、側面に磁力で貼り付けられる。ただし、iPad ProやiPad Airと同様、接着力は弱め。あくまで一時的に貼り付けておくだけに留めておいた方がいいだろう。カバンの中で外れてしまうおそれがあるのはもちろん、外出時に外で使う場合も注意が必要だ。一時的なApple Pencil置き場と捉えておき、持ち運ぶ際には別途ペンケースを用意した方がいいかもしれない。

本体側面にはApple Pencilの充電ポートが。磁力でつく仕様だが、あまり強力ではないので取り外しは簡単。逆に言えば、紛失に要注意だ

iPhone 13シリーズ譲りの高いパフォーマンスで、5Gも超高速

 コンパクトなボディのため、iPadの廉価モデルと誤解されることもあるが、iPad miniはパフォーマンスも比較的高い。冒頭で述べたように、チップセットにはiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを採用しているため、ゲームなどの比較的重ためのアプリもサクサク動く。ベンチマークアプリでのスコアは以下の通りで、数値的にはiPhone 13 ProやPro Maxに近い。M1チップを搭載したiPad Proには及ばないものの、Pro以外のiPadではトップの性能だ。

ベンチマークアプリの「Geekbench 5」では、iPhone 13シリーズに近いスコアをたたき出した

 そのため、動画の編集もスムーズにできる。うれしいのは、iPhone 13シリーズで撮ったシネマティックモードの深度やピントの情報まで編集できるところ。これを行うには、iPad mini側に深度情報を持たせたままデータを移すことが条件になる。シネマティックモードで撮った動画の編集は、iPhone単体でもできるが、画面サイズがどうしても小さくなるため、細かくピントを合わせづらい。これに対し、iPad miniはコンパクトと言っても画面サイズは8.3インチで、iPhoneと比べれば格段に大きい。iCloudで動画を同期させ、編集はiPad miniでするといった使い方には最適だ。

動画編集もスムーズ。シネマティックモードの深度情報も編集できた

 もちろん、通常の操作なら動作はスムーズ。アプリの切り替えや立ち上がりもスピーディで、ストレスを感じることは少ない。Apple Pencilの追従性も高く、快適に文字や絵を書くことができる。ただし、ディスプレイのリフレッシュレートは通常のiPadと同じ60Hz。iPad Proが対応しているProMotionには非対応になるため、120Hzでの滑らかな表示にはならない。この点が、iPad Proとの差分というわけだ。

 編集するための動画などのデータを素早く受信できるのは、5Gのおかげ。iPad miniは楽天モバイル以外の大手3社で5Gを利用でき、通信速度が先代と比べて大きく向上している。iPhoneと同様、5G接続時のみ自動的に動画やFaceTimeの画質を向上させる機能にも対応。対応バンドが広く、KDDIやソフトバンクが4Gから転用した周波数帯でも5Gで通信できるため、エリアの広がりも体感しやすい。実際にソフトバンクのSIMカードで測った速度は以下のとおり。転用エリアでも、数100Mbps出ることが多く、ストリーミングなどの読み込みがスムーズだ。

5G接続時にFaceTimeや動画の画質を上げる機能に対応

4Gから5Gに転用した周波数帯でも、一定の速度が出る

 また、第5世代のiPad miniと同様、eSIMにも対応している。iPhone用のeSIMとは少々実装方法が異なり、かつてiPadが採用していたApple SIMを統合した形になっているため、iPad上から直接データプランなどの契約ができる。ただし、日本ではKDDIが新規契約を終了しているうえに、ソフトバンクも料金プランは古いまま。その意味で、国際ローミング専用キャリアと契約するのが簡単なのが、この仕組みのメリットと言える。もちろん、通常のeSIMにも対応しているため、大手3社のデータプランをeSIM化すれば、そのまま通信できる。SIMカードの抜き差しをする必要がないのは手軽と言えるだろう。

eSIMに対応しているため、SIMカードの出し入れも不要になる

便利なTouch IDだがボタン配列には要注意、センターフレームにも対応

 第6世代のiPad miniは、ホームボタンこそなくなったが、Touch IDには対応する。昨年発売されたiPad Airと同様、Touch IDはトップボタンに統合。ディスプレイを点灯させるのと同時に画面のロックが解除されるのは便利だ。ただし、AppStoreでアプリを購入したり、アプリ内のロック解除をするような場合は、わざわざ指をトップボタンに当てなければならない。Face IDのようなシームレスさはないと言えるだろう。逆に、マスクを着けたままでも使えるのは、コロナ禍ならではのメリットだ。

Touch IDはトップボタンに統合された。画面を点灯させるのと同時にロックを解除できる

 コロナ禍つながりで言えば、インカメラが超広角になり、iPad Proで導入された「センターフレーム」を利用できるようになった。これは、ユーザーの顔の位置に合わせてビデオ会議中などに自動でフレーミングをしてくれる機能のこと。iPad mini本体を動かしたり、自分が動いてしまった時に、カメラ側が顔を中心にするよう追従してくれる。本体の位置や座り方を調整する必要がなくなるため、便利な機能と言えるだろう。もっとも、慣れるまではついつい本体を動かして位置を調整しようとしてしまう。センターフレームを利用した際には、あまりカメラ写りを気にせずビデオ会議に集中するといいだろう。

センターフレームに対応し、ビデオ会議などで自分の顔が自動的に中央に合うようになっている

 一点注意したいのが音量ボタンの位置だ。ほかのiPadはすべて本体側面に音量ボタンが搭載されているが、第6世代iPad miniのみ、トップボタンと同じ上部にある。ほかのiPadを使っている感覚で側面を押そうとして、肩透かしを食ってしまったことが何度かあった。基本的には慣れの問題ではあるものの、縦で使う時にどちらが音量アップでどちらがダウンかが、直感的にわかりづらいのは難点。トップボタンと距離が近いため、スクリーンショットを取る際の同時押しも少々しづらい。

音量ボタンは側面ではなく、画面上部に搭載されている

 もう1つ難点を挙げるとすると、ディスプレイサイズゆえに小さな文字が少々読みづらい。特にiPadOS 15の新機能であるウィジェット内の文字が、ものによってはかなり小さくなることがある。目を凝らせば読めるサイズではあるが、視力によってはある程度離すと何が書いてあるのかわからなくなってしまうかもしれない。アプリによっても、iPad miniに最適化されていないと、小さな文字がそのまま表示される。読みづらいと感じたら、フォントを大きくするなど、設定を変更するようにしたい。

小型なゆえに、ウィジェット中に表示される細かな文字とは相性があまりよくない印象

 どちらもコンパクトサイズゆえのトレードオフと言えるが、この持ち運びやすさや性能の高さは、一見の価値がある。ノートにメモをするような感覚で使えるのも、iPad miniならではだ。その意味で、iPad miniは、iPadの利用シーンを広げる端末と言えるだろう。同じiPadも、10インチ前後の端末とは違い、スマホ感覚で使えるタブレットだ。デザインが刷新され、パフォーマンスも上がったiPad miniは、タブレットをアクティブに使いこなしたいユーザーにお勧めできる1台だと評価できる。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★
UI         ★★★★★
撮影性能      ★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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