「アメリカのホラー映画は正直あまり怖くない」と思っている人に観てほしい、日本人好みのジワジワ系ホラー。
2021年9月29日より独占配信中のNetflix映画『ノー・ウェイ・アウト』は、イギリスのホラー作家アダム・ネヴィルの小説『No One Gets Out Alive』を実写化。アメリカで製作された。
同じくNetflix映画の『ザ・リチュアル いけにえの儀式』も、アダム・ネヴィルの『The Ritual』が原作。
主演は『ザ・テラー』のクリスティーナ・ロドロ。
あらすじ
メキシコからオハイオ州クリーブランドに出稼ぎにやってきた、不法移民の女性アンバー(クリスティーナ・ロドロ)。
女性限定の古い格安アパートで暮らしながら、工場で働いている。
アパートの大家は、陰気な中年男性レッド。レッドの兄ベッカーも、独り言を呟きながらアパート内をうろついている。
生活を向上させるため努力を重ねるアンバーだったが、友人の裏切りや解雇など度重なる不運に見舞われる。
それと同時に、アンバーが暮らすアパートでは恐ろしい現象が起こり始める。
見どころ
本作はアメリカのホラー映画だが、じわりじわりと静かに忍び寄るような心霊現象は、日本人好みと言えるかもしれない。
姿がよく見えない状態で女性のすすり泣きが聞こえてくるところも、ジャパニーズ・ホラー的。
薄汚れたモノクロ写真や音質の悪いテープレコーダーなど、不気味な小道具もいい味を出している。
不法移民であるため、頼れる身寄りもなく警察にも通報しづらいというアンバーの立場も、心細さと怖さに拍車をかけていると思う。
アンバーの部屋にあるテレビの番組では、同じくアダム・ネヴィル原作のNetflix映画『ザ・リチュアル いけにえの儀式』と思われる事件が報じられており、製作者の遊び心も感じられた。
Netflix映画『ノー・ウェイ・アウト』
独占配信中
文/吉野潤子