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コロナ禍で問われる「社員食堂」の存在意義

2021.09.27

 どうであれ運動不足であることは紛れもない事実だ。体重も“コロナ前”よりは増えていそうだ。やはり体重計を買うべきなのだろう。

体重計のことを考えながら“ふれあい橋”を歩く

 これまではたまに行くサウナで体重計に乗っていれば体重のチェックには事足りていたが、ご多聞に漏れず目下の感染症禍もあり久しくサウナにも行っていない。とすれば少なくとも1年半は体重を計っていないことになる。驚くばかりだ。

 上野某所からの帰路、山手線を田端駅で降りた。午後2時になろうとしている。田端は久しぶりなので少し歩いてみたい。何かを食べて帰ってもいいだろう。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 北口を出て曇り空の駅前ロータリーを過ぎれば右手に歩道の陸橋が延びている。起点となる入り口の両側に「田端ふれあい橋」と記された塔が立っている。この街独特の景観だ。

 運動不足なので少し時間がとれる時にはなるべくこうして歩くようにはしているがそれでも“コロナ前”よりは運動量が減っているのは明らかだ。体重のほうもやや気になる。体調管理のためにも体重計を買うべきなのだろう。

“ふれあい橋”を進む。空が開けた高台から眺める街の景観に気分も良くなる。こうしたことも街歩きの楽しみだ。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 体重計については部屋に戻ってから調べることにするが、体重計といえば日本人なら真っ先に思い浮かぶメーカーがある。おそらくそのメーカーの体重計を購入することになりそうだが、同社といえば最近は“社員食堂”でも有名である。社員のために健康的なメニューを提供しているという同社の社員食堂はメディアでも話題となり映画化もされ、一般の人も入れるレストランとしての“社員食堂”も各地に出店することにもなった。

 その社員食堂について最近、ネットで気になる記事を見かけた。コロナ禍においてリモートワークが推奨、実施されている中にあって同社の社員食堂は今年1月からずっと休業中であるというのだ。確かにリモートワークが増えれば社員食堂という場所の意味は薄れてくるだろう。そして今後、ある程度コロナが収束した状況においても社員食堂というのはひょっとするとかなり微妙な存在になるかもしれない。

 広い意味でそれは飲食店全般に当てはまることではあるが、はじめから利用客が限定されている社員食堂や学生食堂などは特にコロナの影響を受けているのではないだろうか。考えてみればオンライン授業が増えたことで大学の学生食堂もまた厳しい立場に立たされていそうであることは容易に想像できる。

“ふれあい橋”の終点近くまでやってきた。右側に建つホテルの脇に下へ降りる階段があり、降りてみることにした。

 階段の手すりがついたフェンスをよく見ると「新宿」、「新大久保」、「高田馬場」と文字を浮かび上がらせた金属プレートが1メートル間隔くらいで並んでいるのに気づいた。おそらく山手線の駅名のプレートが順番通りに並べられているのだろう。そこに何か理由があるのかどうかわかるはずもないがなかなか芸が細かい。

食生活に大きな影響を及ぼす「社員食堂」

 階段を降りきった。右側に食堂と立ち食いそば店がある。どちらもこの時間はやっていないようだ。

 辺りにはコンビニや飲食店、メガネ店、歯科医院があり、企業のオフィスもいくつかあるようだが、少し奥に入ればほぼ住宅街といった感じだ。人通りも少ない。信号を待って通りを渡る。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 このへんに来たのは初めてではない。もうずいぶん前のことだが、この近くの人気居酒屋に何度が来たことがあった。新鮮なマグロなどが安く食べられる海鮮系の居酒屋だ。今の状況が変わった暁にはまた夜に伺ってみたいものである。人気店なのでなかなか入れなかったりもするのだが……。

 社員食堂と同じく居酒屋もなかなか大変な状況にあるわけだが、社員食堂には一般的な飲食店にはない重要な理念があることは間違いない。それは社員の健康への配慮である。

 もちろん一般の飲食店でも健康的なメニューを売りにしている店は少なくないが、社員という目に見える利用者を前提に運営されている社員食堂の理念は一線を画したものであるといえる。最新の研究でも社員食堂や学生食堂のメニューが利用者の食生活に多大な影響を及ぼしていることが報告されていて興味深い。社員食堂でヘルシーなメニューを提供することで、利用者の食生活が健康的なものになるというのである。


 介入を実施できる重要な環境の1つは、学校、大学、職場などのカフェテリアです。職場は家の外で食事をする最も一般的な場所であり通常、働く成人のエネルギー摂取量の15%を占めています。

「平均して英国の成人は1日に200~300カロリーを消費します。この研究は、食堂でのポーションサイズの削減とより高いカロリーオプションの入手可能性を下げることが、肥満に取り組む戦略における過剰カロリーの削減に重要な貢献をする可能性があることを示しています」

「職場、学校、大学のカフェテリアがこれらの変更を実施した場合、これはカロリーの過剰消費を減らし、人口レベルの肥満を減らすための広範な取り組みに役立つ可能性があります」

※「University of Cambridge」より引用


 ケンブリッジ大学の研究チームが2021年9月に「PLOS Medicine」で発表した研究では、職場のカフェテリア(社員食堂)で提供しているメニューの量を少なく低カロリーの食材に変えた際の社員の食生活への影響を実験を通じて検証している。

 研究チームはイギリス国内のスーパーマーケットチェーンの19の社員食堂を半年間追跡調査したのだが、食堂のケータリング業者と協力して高カロリーのメニューを低カロリーのものに換えた。たとえばベーコンチーズバーガーをグリルチキンバーガーに交換するなどした結果、ここで1日に摂取する平均カロリーが4.8%減少したのだ。

 次にチームは、たとえばラザニアやポテトチップス、ミートボールなどの高カロリーメニューの一人前の量を約14%削減したところ、それまでの平均と比較して1日あたりの平均消費カロリーが11.5%減少したことが確かめられた。これは平均的な労働者にとって1日あたり約50kcal少ない食事となる。

 いうまでもないことだが、必要以上のカロリー摂取は肥満に繋がり、2型糖尿病、心臓病、がんなどの病気のリスクが高まり、現在世界中の保健当局の問題となっている。そこで健康的な食生活の鍵を握る重要な要素の1つが社員食堂であり、社員食堂でヘルシーなメニューを提供することで利用者の健康的な食生活に繋がることが示唆されることになったのだ。

“街の社員食堂”で親子丼を堪能する

 通りを渡った先には派手な店構えのラーメン店がある。近づいて店頭に表示されたメニューをよく見るとチャーハンやご飯ものなどいろいろある中華料理店のようだ。

 たまにはチャーハンを食べてみるのもいいかとも思ったが、通りの奥にも飲食店があることに気づいた。見る角度のせいもあるのか、遠目からはまったく気づかなった。さっそく店に向かってみる。

 ビルの1階の1フロアを占めているなかなか広い店のようだ。総菜のテイクアウトにも力を入れている店であることが店頭のディスプレイからわかるが、中で食べることもできそうだ。店頭のメニューを見るとそばにラーメン、定食類、カレー、オムライスや丼ものなど一通りある。店の前に置かれた電光スタンド看板には店名の上に「街の社員食堂」と記されている。なるほど、昼食に特化した社員食堂系のメニューということだ。入ってみよう。

 店内はかなり広い。入ってすぐの場所には弁当や総菜、アルコール類をを含むドリンクが並んだ売店になっていて、レジから右奥が広い飲食スペースになっている。まさに社員食堂のようなシンプルなテーブルと椅子が配置されていて、カラス貼りの壁沿いはカウンター席になっていてなかなかの開放感だ。

 最初にレジで注文して会計を済ませるシステムで、メニューにあった親子丼を注文する。嬉しいことにご飯は白米と玄米のどちらかを選べるということで玄米ご飯をお願いする。ご飯の大盛りは無料だが、普通盛りにしてもらった。店内利用客限定という格安のホットコーヒーも追加注文する。会計を済ませるとナンバーカードを渡されて好きな席に着くことになる。

 ランチタイムの終了間際ということもあり先客は1人だけで、ならばと4人掛けのテーブル席に座らせてもらう。近くにおいてあるポットからセルフサービスの水をもってくる。広々としていてゆったりと食事ができそうだ。

 ほどなくして親子丼が運ばれてきた。本来であればナンバーカードの番号を呼ばれて取りに行くシステムのようであるが、今はお客が少ないということもあるのかお店の人がテーブルまで運んできてくれた。感謝しかない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 親子丼も久しぶりだが、玄米ご飯の親子丼を食べるというのは人生初のことだ。“社員食堂”ならではのヘルシーメニューである。

 見るからに丁寧に作られた親子丼をさっそくひと口食べる。美味しい。柔らかい卵の部分と噛み応えのある玄米ご飯が口の中で混ざり合う。

 親子丼やいわゆる“他人丼”などはもっと頻繁に食べたいとは思っているが、身近なところではなかなか食べられなくなっている。立ち食いそばチェーン系ではご飯ものはかつ丼やカレーばかりだし、ローカル店でも親子丼をやっていない店がけっこうある。頼みの綱は某牛丼チェーンくらいだ。手間はそれなりにかかるうえに、かつ丼や天丼よりもお金がとれない親子丼はお店側からもやや敬遠されているのかもしれない。

 ともあれ久しぶりの親子丼を美味しく頂くことができた。自営業ゆえに社員食堂というものからはきわめて縁遠い身だが、役所の食堂や公共施設の食堂などにも機会があれば訪れてみたいとは思う。その時はもちろん、そばや親子丼などの健康的なメニューを選びたいものだ。

文/仲田しんじ

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