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過熱する自民党総裁選、有力候補者たちの経済政策を比べてみた

2021.09.12

退陣を発表した菅首相の後継者が決まる自民党総裁選。有力候補たちは現在、どのような経済政策を掲げているのだろうか?

このほど、三井住友DSアセットマネジメントが以下のレポートにまとめた。

岸田氏は新自由主義からの転換を掲げ成長と分配の好循環を目指しアベノミクス3本柱は堅持

今回のレポートでは、自民党総裁選(9月17日告示、同29日投開票)への立候補が見込まれる主な有力者について、それぞれの経済政策のポイントを整理し、比較する。いち早く出馬を表明したのは、岸田文雄前政調会長で、高市早苗前総務相も9月8日、正式に出馬を表明した。河野太郎規制改革相は9月10日にも正式に出馬を表明する見通しで、総裁選はこの3氏が軸になるとの報道もみられる。

岸田氏は9月8日、経済政策を公表し、小泉内閣以降の新自由主義からの転換を掲げ、成長と分配の好循環を実現するため、「国民を幸福にする成長戦略」、「令和版所得倍増のための分配施策」などを進めることを明らかにした(図表1)。また、デフレ脱却に向け、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の3本柱は堅持しつつ、新しい日本型資本主義の構築を目指すとした。

高市氏はアベノミクスの継承・発展を表明し、河野氏は歳出見直しやデジタル化推進などが理念

高市氏も9月8日、経済政策を公表し、アベノミクスを継承・発展する「サナエノミクス」を打ち出した。金融緩和、緊急時の機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資を3本の矢と位置付け、日本経済強靱(きょうじん)化計画で経済を立て直し、成長軌道に乗せていくと強調した。また、2%の物価目標を達成するまで、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標を凍結すると述べた。

河野氏は、正式に出馬を表明していないため、経済政策は公表されていない。これまでの、発言などをまとめると、増税を避けるための歳出(医療費などの社会保障関係費)見直し、年金制度の抜本的な改正、デジタル化の推進、再生可能エネルギーの利用促進などが基本理念と思われる。金融政策については、2017年4月に、早い段階で出口戦略を市場と共有すべきだと述べていたが、最近は特に目立った発言はないように思われる。

市場は政局好転の期待を織り込み済み、総裁選が進む中で、この期待が変化するか否かに注目

相場の観点からは、緩和的な金融政策と拡張的な財政政策が安定的に継続されることが望ましいため、この路線を踏襲する岸田氏と高市氏の経済政策に、市場が懸念を抱くことはないと思われる。また、総裁選では、次期衆院選を間近に控え、世論重視で「勝てる候補」を探る動きも予想されるが、次の総裁にふさわしい人を聞く世論調査では、河野氏の人気の高い様子がうかがえる。

なお、今回の総裁選では、候補者が国民から直接質問を受け付ける政策討論会(オンライン形式)が初めて開催されるが(図表2)、候補者の考えを詳しく確認できる機会となるため、注目される。市場では、衆院選で自民党の大敗が回避され、政策が安定的に遂行されるという期待は織り込み済みとみられるため、今後、総裁選が日程に沿って進む中、この期待に変化が生じるか否かの見極めが重要になる。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社
http://www.smd-am.co.jp


構成/こじへい

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