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アフターコロナの先を見ている世界と変われない日本【後編】

2021.09.11

まだコロナ禍の収束は見えない。しかし世界はすでに変わり、新しいアイデアとビジネスチャンスにあふれている。コロナ時代に生まれたニューノーマルの先進事例を、15か国69例集めた『アフターコロナのニュービジネス大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者、原田曜平氏と小祝誉士夫氏によるオンラインセミナーの模様をお届けする。

その1はコチラ

原田曜平氏 マーケティングアナリスト 信州大学特任教授

小祝誉士夫 株式会社TNC代表取締役社長 プロデューサー

「Beyond LUXURY」(贅沢の概念が変わる)より自分らしい時間のために

自宅で過ごす時間が増えたことで、より自分らしい時間をつくり、過ごすことこそが贅沢という考え方が広まってきた。コロナ時代に生まれた新しい贅沢の概念は、世界各地、若い人の間で顕著に見られるという。

小祝 一流レストランの一流の料理といった贅沢は残りながら、その一方でもうひとつの贅沢が生まれてきました。デンマークのコペンハーゲンに、予約何年待ちといわれる「noma」という有名なレストランがありますが、コロナになって、期間限定で予約を取らないレストランに変わりました。料理もハンバーガーとワインだけに。食事の原点回帰と言いますか、贅沢の概念が、高級レストランで高級な料理を食べるということから大切な人と食事をともにすることへ変わったという例です。

参考情報URL:
https://noma.dk/the-weather-report/were-opening-a-wine-bar/
https://www.tumlare.co.jp/blog/?p=8524
https://www.tumlare.co.jp/blog/?p=9084

ガーデニングも見直されました。苗や種、ガーデニンググッズがものすごく売れています。私たちは“庭消費”と呼んでいますが、植物に癒されるのでしょうね。

原田 コロナ前のガーデニングは、たまの休日にする非日常作業だった。それが、おうち時間が増えたことで日常の中に非日常が欲しくなる。それが一流レストランの料理デリバリーだったりガーデニングだったり。

小祝 感染対策として自分の免疫を強化することへの関心も高まりました。中国で人気が高まったのが、自宅で納豆やヨーグルトを作る“発酵家電”です。自宅で家族と一緒に作れ、かつ免疫を高めることができるのが贅沢。

原田 日本人も発酵食品が大好きですから、発酵家電は日本でも売れそうですね。「自分でつくる」がキーワードだと思います。日本の若者の間でArtBarが流行っているでしょう。ワインを飲みながら絵画のレクチャーを受け、それなりの絵が描けるんですが、これが「大きな感動体験」になります。絵画だけでなく自分の好きな香水をつくったり。「自分でつくる」感動体験への欲求はコロナ後にも残ると思います。

小祝 ソーシャルディスタンスの普及によって見直されたのが車の価値じゃないでしょうか。

ドイツのレストランの駐車場で車中ディナー(4)が始まって話題になりました。車に乗ったまま礼拝したり、コンサートを楽しんだり。車を持つ理由が広がりました。

(4)ミュンヘンのイタリア料理店Montiが敷地内の駐車場で始めたサービス。料理はもちろん、レストラン内で使用されるのと同じ食器やテーブルクロス、ライトなどでディナーを提供。

原田 若者の車離れが言われてもう十年以上経ちますけれど、コロナを機にだいぶ変わったと思います。世界的に車の価値が見直されている。ドライブインシアター、ドライブインディナー、いろいろな切り口で「×(掛ける)車」ビジネスが考えられそうです。

司会 ドライブインコンサートもただ駐車場で見るのではなく、アーティストが駐車場に降りてきてくれて、車に近寄ってきてパフォーマンスしてくれるコンサートがあるそうですよ。

原田 それはいいですね! フェスもそんな形でできるといいかもしれません。

司会 こちらも最新情報をご紹介します。

アメリカ生まれのサービスで、パーソナイズされた自宅美容クリニックサービスVeracityが注目されています。検査キットでホルモンやpH検査をした上で自分の体質、体調に合ったスキンケア、サプリメント商品をレコメンド、販売。食品や生活習慣改善のヒントも提供してくれます。

原田 若い人は××診断が大好きです。骨格診断やパーソナルカラー診断、診断の結果からあなたに似合う服はこれですとレコメンドしてもらう。情報が多すぎて自分で選択するのがむずかしくなっていることを表しています。その面から見ると、この美容クリニックサービスはまさにそれ。日本でも広まると思います。

「Beyond LOCAL(地域はネクストステージへ)」デジタル一辺倒ではないアナログなアイデアも

コロナになって見直されたもののひとつがローカル。移動を制限されたパンデミック下では、グローバル経済のもろさも露見した。代わりに力になったのが目に見える隣人であり、地域の助け合いだった。コロナ禍では日本各地の生産者、小規模事業者が大きな打撃を受けている。世界のローカルも同じように打撃を受けているが、地域同士、事業者同士で助け合って高めていく動きも見られるという。

小祝 上海のリサーチャーの住む地域で見られた事例ですが、新しい役割をもったローカル薬局が生まれています。SNSを使ってお客さん同士をグループ化し、マスクの仕入れ状況を伝えたり、免疫力を高めるワークショップの案内をしたりと、薬局がその地域のコミュニティのハブのような存在になっているのです。本書では「コミュニティ薬局」と呼んでいます。

次にヨーロッパの事例ですが、アマゾン全盛の時代に、時代に取り残されたような町の小さな商店をしっかり支えよう、買い物をして買い支えようという動きがスペインやドイツで自然発生的に生まれてきました。

中国ではライブコマースが広がっています。農家が農産品を直接、視聴者にアピールできるライブ配信はコロナ以前からありましたが、一気に広まりました。生産者の顔が見えることで安心感が訴求できますし、たとえばマンゴーの収穫とか見たことのないものが見られるという、一種のエンタメ性も兼ね備えていると言えますね。日本ではまだライブコマースはそこまで広がっていませんが、何か特有の理由があるのでしょうか?

原田 日本ではまだ美容製品に限られている感がありますね……。ただ、買い支えといったボランティア的な発想でなくても、単純に農家の人がライブで野菜の説明をしてくれたり、おいしい桃の見分け方を教えてくれたり、そういうのを見ているだけで面白いと思うんですよね。Z世代の若者は、インフルエンサーの、まだフォロワーが少ない時代から「この人見ていた」という経験を持っています。これからのインフルエンサーはファッションや芸能だけでなく、和菓子職人とか農家の人など、いろんなジャンルに広がっていくかもしれませんね。

小祝 ローカルのなかでアナログな事例をひとつ。デンマークの事例です。外に遊びに行けない、ご近所の人にも会えないというので、窓際にクマのぬいぐるみを飾るようになった。窓際交流(5)と呼んでいます。アメリカやイギリスにも飛び火しましたね。

(5)ソーシャルディスタンスを保って散歩することが推奨されたデンマークでは窓際にぬいぐるみを飾り、窓際が住民の交流の場となった。ハッシュタグ「#GoingOnBearHunt」が共有され、Facebookにぬいぐるみ探しのページが開設された。

原田 北欧はもともと、ステイホーム時間が圧倒的に長いから、おうち時間を楽しむアイデアをたくさん持っているんですよね。ぬいぐるみを窓際に飾る、近所の人がクマを探しながら散歩を楽しむ、こんなアナログなアイデアが出てくるんですから、今こそ注目すべきは北欧ですね。

小祝 地域の相互扶助の動きはタイでも見られました。経済的に余裕のある人が食糧を置いていき、必要な人がそれをもらっていく「おすそ分け棚」。こうしたものが自然発生的に生まれたそうです。非常にユニークだなと思います。

原田 日本でもそういう動きが増えるといいなと思いますね。

こうした事例は、それぞれ国の事情が違いますから、そのままでは日本で使えないものもあるでしょう。ご自身の業界と掛け合わせて、日本ならではのクリエイティブなものをつくりだしてほしいと思います。

小祝 コロナ禍で進化したもの、変化した価値観はおそらくアフターコロナが見えてきた段階で定番化していくと思います。いわば“見えている未来”ですので、今から備えることができます。コロナ前に戻るのではなく、変わっていきましょう。

アフターコロナのニュービジネス大全』新しい生活様式×世界15カ国の先進事例
著者:原田曜平、小祝誉士夫 ディスカヴァー・トゥエンティワン刊
1870円

取材・文/佐藤恵菜

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