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W杯最終予選でまさかの黒星スタートのサッカー日本代表、どう巻き返す?

2021.09.07

次戦の地・ドーハ入りした日本代表。次は勝てるのか?(写真提供=日本サッカー協会)

森保監督の話を聞く吉田、長友、大迫らベテラン勢(筆者撮影)

初戦のオマーン戦でまさかの敗戦を喫した日本

東京五輪でメダル獲得を逃した日本サッカー界にとって、次なる大目標は2022年カタールワールドカップ(W杯)ベスト8の壁を突破すること。その前にアジア最終予選を勝ち抜き、本大会切符を勝ち取らなければいけない。

ところが、ご存じの通り、9月2日の初戦・オマーン戦(大阪・吹田)は相手の徹底した対策にハマって、まさかの0-1の苦杯を喫してしまった。5年前の2018年ロシアW杯最終予選・UAE戦(埼玉)で1-2の敗戦を喫した教訓を生かし、今回は確実に白星発進することがノルマだったのだが、1か月の欧州長期合宿を行ってきたオマーンと欧州組の多い日本とのコンディションの差が如実に出る形になったのだ。

7日の次戦・中国戦(ドーハ)は絶対に落とせない一戦となった。だが、今回の中国はエウケソン、アラン・カルバリョ(ともに広州)らブラジルから帰化した選手を数人メンバー入りさせていて、個人能力が確実に上がっている。日本は98年フランスW杯以降の最終予選で中国と同組になったことが一度もない。それもやりづらさを感じる点だ。

しかも、新型コロナウイルスの影響で中国で試合ができず、中立地のドーハで試合が行われることも日本にとってはマイナス。最高気温が40度を越える灼熱の地に相手は8月下旬から滞在し、暑熱対策を行っているのに対し、日本は長距離移動を強いられ、オマーン戦から3日の調整のみで試合に挑まなければならない。今回のコンディション面ではかなり不利。それを克服しなければ、本当に大変な苦境に陥ってしまうのだ。

10月以降も7日のサウジアラビア戦、1111日のベトナム戦、16日のオマーン戦、3月24日のオーストラリア戦など、不確定要素の多いアウェー戦が続く。ベトナムとオーストラリアは厳しい入国制限を取っていて、アスリートといえども特例はない。となれば、やはり中立地開催か、途中から変則セントラル開催ということにもなりかねない。

森保一監督も「どんな状況にも適応しなければいけない」と気を引き締めていたが、まさに臨機応変な対応がこれまで以上に求められるのだ。

アウェーの絵次戦はこのような笑顔が見れるといいが(筆者撮影)

最終予選アウェー戦はDAZN視聴のみ。有料放送化の影響は?

まさに波乱に満ちたアウェー戦だが、残念ながら今回は地上波では見られない。というのも、アジアサッカー連盟(AFC)が放映権契約を8年間・2000億円(推定)と設定したことで、日本のテレビ局には手が届かなくなったからだ。それだけの巨額マネーを投じられるのは、資金力のあるDAZNしかない。彼らはW杯予選やアジアチャンピオンズリーグ(ACL)などAFC主要大会の放映権を一手に収め、長期間にわたって独占的に放送することになったのだ。

最終予選のホームゲームに関しては、テレビ朝日が1試合・数億円で買う形で決着し、何とか地上波で視聴可能になったが、この先も波乱がうきまとうアウェーゲームはDAZNに加入しない限り、見られない。

DAZNは2017年にJリーグと10年間で2100億円という超大型放映権契約締結。2020年にはさらにそれを2年延長。12年総額2239億円という新契約を結んでいる。多くのJリーグファンやイングランド・プレミアリーグ、スペイン・リーガエスパニョーラのファンにとっては「日常的に存在するもの」になりつつある。サッカーのみならず、プロ野球やバスケットボール・Bリーグなど他競技も見られるのだから、月額1925円(税込)の料金は決して高くない。多くのスポーツ愛好家にしてみれば、日本代表アウェー戦の独占配信も「普段の環境で視聴できて本当にありがたい」ということになる。

しかしながら、最終予選やW杯、五輪本大会しかサッカーを見ないライト層にしてみれば、「わざわざDAZNに入って見よう」というモチベーションを抱くとは限らない。実際、地方のJクラブのサポーターを見ていても「ホームゲームは仲間もいるからスタジアムに行くけど、アウェーはわざわざDAZNに入ってまで見る必要はない」と考える人が少なくない。DAZN側としては日本代表戦放映権獲得でライト層を獲得し、さらに視聴契約を増やそうという思惑があるのだろうが、必ずしもその通りに行くかどうか分からないのだ。

DAZN契約が伸び悩み、最終予選視聴者数が総じて減れば、サッカー人気の低下、ファン減少につながりかねない。それは日本サッカー協会も大いに危惧している点だろう。

長年、キラーコンテンツだった日本代表戦だが

90年代から2018年ロシアW杯までの間、日本代表戦は高視聴率が取れるキラーコンテンツだった。90年代はカズ(三浦知良=横浜FC)や中山雅史(磐田コーチ)、2000年代は中田英寿、中村俊輔(横浜FC)、小野伸二(札幌)、2010年代は本田圭佑、香川真司(PAOK)、長谷部誠(フランクフルト)、内田篤人(JFAロールモデルコーチ)と国民的なスターがいたことも、人々の関心度を引き上げる要因になっていた。

とはいえ、今は国民的知名度を持つ若手はバルセロナの育成組織で育った久保建英(マジョルカ)くらい。南野、遠藤航(シュツットガルト)、冨安健洋(アーセナル)、堂安律(PSV)らはみな欧州である程度の実績を残しているが、彼らのパフォーマンスが地上波で見られる機会が少ないせいか、ライト層の認知度が低いという印象は拭えない。

スコットランドでブレイク中の古橋享梧は今一番の注目選手(筆者撮影)

危機感を抱く協会もユーチューブやTikTokに本腰

そういった課題を少しでも克服すべく、協会も昨年10月から公式ユーチューブ「JFATV」内で日本代表の密着動画「Team Cam」のデイリー配信をスタート。さらに今月からはショートムービープラットフォーム「TikTok」で、SAMURAI BLUE公式アカウントを開設。代表選手の人柄や魅力を若年層や女性ファンに伝える試みを行っている。

「協会としても代表を取り巻く環境を再検証しなければならないと考え、約2年前からファン層の整理に着手しました。

今は①フォロワー、②ライトファン、③コアファン……の3段階で位置づけています。①はW杯や五輪など日本中の注目時に見ていただける方、②はW杯予選や五輪予選なども関心を寄せる方、③は代表戦をつねに追いかけてくださる方という考え方です。

①→②→③と段階を上げていっていただくために、できることはないかという議論も2019年秋から本格化させ、協会内の若手・女性職員も参加する形でワークショップを実施。試合会場でもアンケートを実施したところ、好きな選手が複数になるとチームのことも好きになるという事実がわかった。それを踏まえ、選手やチームの裏側をファン目線で伝える試みが必要という判断に至りました」と小暮亮祐・プロモーション部長も今春に説明していた。

DAZN中心の代表戦放映になれば、協会としても今まで以上に日本代表の普及活動に力を入れなければならないのは確か。特に子供たちへのアクションは重要だ。

今の代表支持層は93年Jリーグ発足後のJリーグブームや2002年日韓W杯でのフィーバーを経験している世代が中心。33歳になった吉田麻也(サンプドリア)も「僕が中学生の時、日韓W杯が開かれ、サッカーの素晴らしさを実感し、プロになりたいと強く思った」とコメントしている。そういう少年少女が増えていかないと、近未来のサッカー界が先細りになってしまいかねない。

子供たちに人気のある久保。彼の活躍は不可欠だ(筆者撮影)

そういう危機感を払しょくするためにも、今の森保ジャパンが圧倒的な強さでアジアを突破し、1年3カ月後のカタールW杯で8強の壁を越えることが重要だ。

世界で快進撃を見せれば注目度が急激にアップするというのは、東京五輪で銀メダルの偉業を達成した女子バスケットボールを見ても明らかだ。ベテランの吉田や長友佑都らの奮闘はもちろんのこと、久保ら若い世代の躍進で機運を盛り上げ、オマーン戦の屈辱を晴らすところから始めてもらいたい。

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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