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本田と長友は去就未定、乾、大迫、酒井宏樹は日本復帰、30代を迎えたロシア組に突きつけられた現実

2021.09.02

神戸の練習で鋭いシュートを放つ大迫勇也(CVISSEL KOBE

本田、長友は去就未定。乾、大迫、酒井宏樹らも日本復帰…。30代ロシア組の悲哀

アラサーの現役代表主力が相次いでJリーグ復帰

6月に浦和レッズ移籍を発表した日本代表DF酒井宏樹に続き、森保ジャパンの絶対的1トップ・大迫勇也(神戸)が8シーズンの欧州挑戦に区切りをつけ、Jリーグ復帰に踏み切った。

「まずはFWとして出れることが一番だったですし、『点を取りたい』って思いがすごく強かった。神戸ならタイトルを取れるかなとも考えました。これからチームがさらによくなっていくだろうし、強化もしていくと思うので決めました」

8月22日の新入団会見で移籍理由をこう語った大迫。だが、5~6月の日本代表活動の際には「欧州でFWとして使ってくれるチームを探すのが第一。一番自信を持ってるポジションなので、そこを目指していきたい」と欧州挑戦続行に強くこだわっていた。そんな選手が帰国を決断するのは、やはり簡単なことではなかっただろう。

2018年夏から在籍したブレーメンでは困難が続いた。昨季はトップ下や2列目などで使われた挙句、ドイツ・ブンデスリーガ2部に降格。本人も悔しさいっぱいだっただろう。心機一転を期した今季も新指揮官のマルクス・アンファング監督に4-1-4-1の2列目で使われ、13か月後に迫った2022年カタールワールドカップ(W杯)に向けて危機感を募らせたに違いない。


代表での大迫の動きが気になる(CVISSEL KOBE

 かといって、新天地を探そうにも、31歳の日本人FWを最前線の軸に据えてくれそうな欧州5大リーグのチームを見つけるのは至難の業だったようだ。もともと欧州では身長190㎝前後の屈強なターゲットマンが1トップで重用される傾向が強い。日本代表では敵陣でボールを収める仕事に秀でる大迫も「中盤の選手」と見られてしまいがちなのだ。

加えて言うと、新型コロナウイルスの影響で経営難に陥っているクラブが少なくないため、今は「移籍金も年俸も高いベテラン選手を取ろう」というアクションを起こすところが非常に少ない。

「コロナ禍前なら欧州市場も活発に動いたと思うけど、無観客試合が続き、どこも投資をしづらくなっている。移籍金の安い若手ならともかく、30代選手を取るとなると二の足を踏んでいる印象が強い。今季のオフシーズンは特にそう感じます」と日本人欧州組のある選手もため息交じりで話していた。2014年ブラジル・2018年ロシアと2度のワールドカップ(W杯)に参戦している大迫といえども、そのハードルを乗り越えるのは困難だったと言うしかない。

 こうした環境は、古巣・セレッソ大阪への10年ぶりの復帰が831日に正式された乾貴士についても同様だ。トルコ・シュペルリグのガズアンテプ、スペイン2部のイビサ入りが報じられながらも、スペイン1部残留に固執していた彼には色よいオファーが最後まで届かず、気持ちを入れ替えてJリーグで新たなスタートを切る決意を固めたという。

もともと海外志向が強く、とりわけスペイン1部への執着が強かった乾も日本に戻るのは、本当に難しい選択だったに違いない。が、レヴィー・クルピ前監督との契約解除、さらにキャプテン・清武弘嗣の負傷と相次ぐ窮地に立たされ、J2降格危機に瀕しているセレッソを助けたいという思いが勝ったのだろう。クラブにとっても、ロシアW杯で2ゴールをマークした快速アタッカーの復帰は朗報に他ならない。

大迫と乾、彼らより一足先に帰国を選んだ武藤嘉紀(神戸)。彼らに共通するのは、欧州では考えられない破格の条件で迎えてもらえたこと。いずれも年俸は億単位と言われるが、コロナ禍の今、そんな巨額投資ができる欧州クラブは限られている。しかも自分自身の特徴を最大限生かしてくれる環境を整えてくれるのだから、心が動かないはずがない。3人とも日本代表でプレーしたいという思いはまだまだ強いし、カタールW杯への野心も捨ててはいない。そのためにも、Jリーグで傑出したパフォーマンスを見せつけてくれることを期待したい。 


セレッソでは背番号23をつけてプレーする乾貴士(素材提供=セレッソ大阪)

年齢が上がれば上がるほど厳しい欧州移籍市場の現実

大迫、酒井宏樹らアラサー世代以上に苦境に直面しているのが、森保一監督から絶対的信頼を寄せられている34歳の長友佑都と、2010年南アフリカからW杯3大会で4ゴールという離れ業をやってのけた35歳の本田圭佑だ。2人は91日現在、揃って去就不明となっているのだ。


ロシアW杯の事前合宿の長友と本田(筆者撮影)

このうち、長友に関しては、イタリア・セリエAのジェノア入りが報じられるなど、8月31日の夏の移籍期限内に新天地が決まりそうなムードが漂っていた。昨季プレーしたフランス・リーグアンのマルセイユでは左右のサイドバックとして25試合に出場。シーズン終盤に向けてメキメキとパフォーマンスを上げ、契約延長の噂も出たほどだ。

結局のところ、それは叶わなかったものの、彼自身には欧州5大リーグでプレーできるだけの実力も気力も十分にある。4度目W杯への意欲も並々ならぬものがあり、「これまで果たせなかったW杯ベスト8の壁を越える」という大目標を果たすためにも、絶対に欧州トップリーグで戦い続けなければいけないと本人も考えている。「過酷な環境で挑戦し続けたい」彼自身も明言。欧州移籍期間が終わっても、納得できるオファーを待ち続ける構えと見られる。

岡崎はカルタヘナと契約。本田の行く先は?

本田もすぐに帰国する考えはない様子だ。東京五輪出場を目指していた彼は、昨年末にブラジル・セリエAのボタフォゴを退団。ポルトガル1部のポルティモネンセに加入するはずだったが、移籍手続きに不備があり、登録に失敗。アゼルバイジャン1部のネフチ・バクーへ赴き、リーグ制覇に貢献した。が、小国リーグでの活躍は印象が薄かったと言わざるを得ない。こうした昨季の成績に加え、35歳という年齢が重くのしかかり、新天地探しが難航している様子だ。

「僕の次の短期的目標は9か国目のゴールを決めること。でもほとんどのクラブが若い選手に興味を持っていて、思ったほど簡単ではありません。僕は35歳なんで」と31日に英語でツイート。世界中から応援メッセージが寄せられたものの、現実の厳しさが色濃く伺える。3年前のロシアの大舞台では日本代表をリードする存在だった男がそれだけ苦境に立たされるとは……。サッカーの世界は本当に怖い。

国際Aマッチ50ゴールという偉大な記録を持つ岡崎慎司も8月末まで先行き不透明だったが、欧州移籍期限最終日の31日にスペイン2部・カルタヘナとの契約合意に達し、ようやく所属先が定まった。彼もかつてはドイツ・ブンデスリーガ1部で2年連続2ケタゴールを挙げ、イングランド・プレミアリーグ制覇の偉業を達成した選手。日本代表での実績を含めて、もっと早く新天地が決まってもよかったはず。それがそう簡単にいかないのが、今の欧州サッカー界の厳しさ。30代のベテランの風当たりは想像以上に強いのだ。


3年前は代表をリードしていた岡崎(右。筆者撮影)

「欧州では30歳を越えてくると急に『やる気のない選手』と見られがち。移籍のハードルは一気に上がる」と自身も浪人生活を経験している川島永嗣(ストラスブール)も神妙な面持ちで話したことがあった。コロナ禍の今、ベテランを取り巻く環境はひときわ厳しくなっているのは間違いない。

現時点でフリー契約の選手は、移籍期限終了後も外国人枠が空いていれば新天地に赴くことは可能だ。けれども、大半のチームは市場が閉まった時点で「夏の補強は終了」という判断を下す傾向が強い。所属先なしの人間が「行き場のない存在」と穿った見方をされるケースもあるだけに、冬の移籍市場が開く来年1月まで無所属が続く可能性もないとは言いきれない。

果たして長友、本田の行き先は早急に見つかるのか…。一足先に新たなプレー環境を手に入れた岡崎を筆頭に、ベテラン勢の完全復活は叶うのか…。日本代表で実績を残してきた名選手たちがこの先も世界の大舞台で輝きを放ってくれることを、我々も祈るしかない。

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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