
コロナ禍でも継続している、中古マンション価格の高騰。
とくに東京都23区の高騰率は顕著であり、都心部の中古マンションの資産性の強さを改めて認識させられる状況だ。
そこでマンションリサーチは、2016年~2021年現在までの東京都23区の中古マンションの成約坪単価推移を調査。
投資用中古マンション・実需中古マンションの価格を区ごとの成約坪単価とその増減率から、23区中古マンションの資産性の強さと地域差を検証した。
東京都23区中古マンションの資産性の絶対的「強さ」と「地域差」
2016年~2021年の「平均成約坪単価」と「前年比増減率」
マンションリサーチ調べ
上記表は、2016年以降の投資用マンションの「平均成約坪単価」および「前年比増減率」。マイナス成長を示す赤字も見られるが、その値は小さく、ほとんどがプラス成長であることがわかる。
「坪単価」と「成長率」の相関が強い
マンションリサーチ調べ
上記は、「2021年現在の平均坪単価(青の棒グラフ・左目盛)」と2016年~2021年現在の「平均坪単価増減率(オレンジの折れ線グラフ・右目盛)」を示している。
上記から読み取れるのは、まず23区すべてがプラスの成長率となっていること。しかし、地域差は非常に大きいことがわかる。
最も成長率が小さい墨田区では、約5年間で「+6.8%(年平均+1.32%)」ですが、最も高い千代田区では「+45.2%(年平均+7.75%)」と大幅な成長だ。
千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区を含む「都心5区」はいずれも「+20%」を超えており、23区の中でも高い資産性と成長率となっている。
「2021年現在の坪単価」と「年間平均坪単価成長率」は非常に強い相関性を示しており、高単価の区ほど過去5年間の成長率が大きかったようだ。
東京都23区「実需(居住用)」中古マンションの坪単価推移
続いては、「実需」(=自己居住用)中古マンションの坪単価推移を見てみよう。
過去5年間の「平均成約坪単価」と「前年比増減率」
マンションリサーチ調べ
上記表は、2016年以降の実需マンションの「平均成約坪単価」および「前年比増減率」。投資用マンション同様、ほとんどの区・年がプラス成長となっている。
多くの区が過去約5年間で「+20%」を超える成長率
マンションリサーチ調べ
投資用マンション同様、東京都23区すべてで2016年~2021年現在の坪単価成長率がプラスになっており、資産性の高さを示している。
ただ投資用マンションと比較すると、「2021年現在の坪単価」と「2016年以降の平均坪単価成長率」にそこまでの相関は見られない。全体的に「+20%以上」と高い成長率となっている区が多く、必ずしも坪単価が高いエリアが成長率も高いというわけではないようだ。
23区の中では比較的、坪単価の低い北区・荒川区・板橋区・練馬区・足立区・葛飾区・江戸川区でも高い成長率が見られている。
とはいえ、千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区を擁する都心5区の強さは投資用マンションと同様。資産性の高さとともに高い成長率を誇っている。
総括:東京都23区の中でも「都心5区」の資産性の強さが顕著に
投資用および実需の中古マンション、いずれも東京都23区すべての区で2016年から2021年までの坪単価成長率はプラスとなった。
投資用マンションは「坪単価」と2016年からの「坪単価増減率」の相関性が非常に強く、坪単価が高いエリアほど成長率も高い傾向にある。
一方で、実需のマンションは、半数以上の区で「+20%以上(年平均+3.7%)」と大幅な成長となっているようだ。
そして、投資用、実需、いずれも高い坪単価と成長率を誇っているのは、やはり千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の都心5区。東京23区すべての区で中古マンションの坪単価が上昇しており、資産性の強さが見られるものの、地域差は大きく、投資用マンションではその傾向がより顕著に出ている。
東京都23区内でも、坪単価と過去5年間の増減率には大きな差があった。また、マンションが投資用なのか居住用なのかによっても坪単価増減率は異なる。
構成/ino.