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利用率はわずか6%、コロナ禍で伸び悩むオンライン診療・服薬指導サービス

2021.09.03

コロナ禍で“非接触社会”への移行が進む今。オンライン診療およびオンライン服薬指導の認知率、利用率はどの程度伸びているのだろうか?

デロイト トーマツ グループはこのほど、昨年度に続き、患者の通院やオンライン診療の認知・利用状況に関する調査結果を発表した。

また、今回は新たに薬局によるオンライン服薬指導の認知・利用状況についても調査している。なお、本調査は、20歳以上のオンライン診療・オンライン服薬指導の利用経験者・未経験者を対象として、2021年5月23日~25日にWebアンケートを実施し1,324名から回答を得たものだ。

アンケート調査結果

■図1 オンラインサービスの認知・利用度(2020年調査との比較)

・オンライン診療の認知度は70.2%となり前年度の43.9%から大幅に増加した。
・今回から調査したオンライン服薬指導も認知度は52.2%と過半数だが、診療と比べると低い水準に留まった。
・利用者の割合は、オンライン診療で6.8%となり昨年の1.9%からは3倍超に増加しているものの低水準で、オンライン化の普及は進んだとは言い難い。オンライン服薬指導においても利用率は6.1%であった。

■図2 オンラインサービスの利用経験(初診・再診)

・オンライン診療および、オンライン服薬指導の利用者のうち、初診からの利用経験者が7割以上を占めており、今後も多くの患者が初診/再診に関わらず、利用意向があれば活用する判断をしている。

■図3 オンラインサービスの利用意向(未経験者・経験者)

・オンラインサービスに対する再度利用意向は、COVID-19の蔓延が続く現況下において利用経験者の76%と高く、平時における利用意向でも、半数近くが利用を望んでいる。
・なお、未経験者に関して年齢層別にみた場合と、20代~50代の過半数、そのうち特に女性は「使いたい」と回答した一方で、60代~70代以上は「使いたくない」が過半数となった。

■図4 オンラインサービスの利用意向(性別・年齢別)

■図5 オンラインサービス利用につながるきっかけ

・オンラインサービスの利用につながるきっかけとしては、「医師・看護師が推奨するのであれば」という回答が3つ全てのサービスで最も高く、まだ認知が浸透していない状況において、医療従事者からの推奨は、患者がサービスを利用するうえで大きな後押しとなる。

■図6 処方箋の提供以外で、オンライン服薬指導に提供してもらいたいサービス

・オンライン服薬指導に対して期待されている付随サービスとしては、「オンライン診療とオンライン服薬指導が連動していること」が最も高く、シームレスな患者体験が期待されている。
・「様々な薬についての相談」や「健康(食生活・運動)についての相談」という回答も多く、薬剤師とのオンラインコミュニケーションサービスの需要も高い。
・一方で、一般用医薬品(OTC)や日用品を含めた同時購入・配送などは、相対的には期待度が低い。

調査結果を踏まえた考察・提言

オンライン利用実績は、昨年度の調査結果と同じく決して高い水準とは言い難いが、「利用経験はないが、活用してみたい」と回答したポテンシャルユーザーや「コロナの不安がある間だけ使いたい」という回答者も一定割合確認できており、そのような方々を積極的にオンラインサービスに取り込むことができれば、オンラインサービスの更なる拡大は期待される。

オンライン診療・服薬指導は患者にとって一つの有効な選択肢ではあるものの、対面診療・服薬指導から完全に切り替わるものではない。患者特性・地域特性等、患者の使い勝手を踏まえた“複線化”されたサービスを提供することが肝要である。
・今回の調査結果を踏まえると、例えば時間的制約が伴いやすい20代~50代は、その生活状況を踏まえて、オンライン診療・服薬指導との親和性が高いことがうかがえる。
・また、オンラインサービスの利用経験者ほど今後の利用意向が高いことが確認できたため、医療従事者からの推奨を含めて、“入り口”のハードルを工夫することが求められている。

多様化する患者ニーズに対する有効な“選択肢”を増やすために、オンラインサービスの普及・啓発に向けて3つのことを提言したい。
・オンラインサービスの導入によって求められる、新たな業務プロセスや人材育成に積極的に取り組み、現場の対応力を高める。
・産業界全体で協力体制を組み、早期にデファクト・スタンダードを確立する。
・サービスの有効性・安全性を見極めるうえでも、産業界の各プレイヤーが積極的に導入しやすい環境・法規制・インセンティブを整備する。

出典元:デロイト トーマツ グループ

構成/こじへい

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