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フリーランスはどこまで「本業」にこだわるべきか

2021.09.02

■連載/あるあるビジネス処方箋

3回にわけて、私が倉庫会社でアルバイトをした経験を書いた。

倉庫会社でのアルバイト経験を通じて伝えたい「フリーランス」という生き方の真実
倉庫会社でアルバイトをして見えてきた「パワハラ」を生み出す構造
倉庫会社でのアルバイト経験で感じたフリーランスが陥りやすい罠』。

今回は、フリーランスの多くが泣きを見る「エリア」、言い換えると深入りをしないほうがいい相手について考えたい。

通常、企業社会は新卒(主に大卒、大学院)の入社の難易度に、社員の仕事力や実績、協調性、規律、積極性などは総じて比例している。例えば出版界は、マスコミセミナーが公表する各会社のエントリー者と内定者数、試験問題、社員の質などをもとに考えると、難易度はA級(上位3社)、B級(4位~20位ほど)、C級(20位~)と少なくとも3つにわけられる。これは、ほかの業界もおおむね言えることだろう。

フリーランスはお金、時間、エネルギーなどの面で圧倒的な小資本だ。組む相手の編集者の仕事力や意識のレベルが低いと、大きな損害を受ける。過去3回の記事で紹介したように、特に報酬の支払いにルーズな編集者と組むと致命傷を負う。このタイプの大半は、B級とC級の出版社にいる。

だが、大多数のフリーランスはA級だけと仕事をしていると生活は維持できない。それでは毎月の収入の平均は20万円以下だろう。フリーランスの生き方としては、ここからが分岐点になる。B級にも広げざるを得ないが、おそらく、A級とB級を合わせても30万円以下が大半のはず。そこで「フリーランス泣かせ」と言えるC級とその下に位置するD級(無数、ホームページすらないために正確な数が把握できない)の会社と仕事をする場合も想定せざるを得ない。

C級とD級と組むと、筆舌に尽くしがたい苦しみに襲われる場合がある。経験論で言えば、大きな報酬額(数十万円)のビジネスならば、B級がギリギリ許容範囲だと思う。A級とB級、B級のその下のC級、D級の間には、人材の質の面で克服しがたい壁がある。

ここで私が、過去5年間でD級と仕事をして味わった経験を紹介したい。まず、D級とは正社員数で言えば100人以下で、売上が20億円以下の出版社、編集・広告プロダクション、IT企業を意味する。私はこのクラスの会社から、数年に1度のペースで何かのきっかけで請け負う。

D級の大半は毎年、新卒採用をする力がなく、ほとんどの社員が中途採用者。定着率は概して低く、ほぼ全員が管理職になる。部下育成力は相当に低い。20代の部下にも仕事を丸投げしているケースが目立つ。

20~30代の社員の仕事の質は、総じて低い。数年前まで20代の編集者と組んで3年間仕事をしたが、心の状態がおかしくなるほどに苦しみ抜いた。言動は粗暴で、キレやすい。事実誤認が多く、仕事の要領を得ていない。いわゆる、処理能力が低く、問題が続出する。ところが、尊大で自信家だった。

つくづく思うのだが、D級の人材はA、B級のそれとは別世界。人材の質がまったく違う。中にはレベルの高い人もいるのだろうが、その数は少ない。フリーランスで報酬の支払いの遅れの被害を受け、生活ができなくなるパターンはD級の会社と仕事を繰り返すからだ、と私は見ている。このエリアは未払いなどのトラブルがとにかく多い。

では、生活をするだけの収入をどう確保するか。A級のほか、おそらく、B級のラインに乗っている編集者と仕事をしつつ、アルバイトで補うのがベターなのだろう。アルバイトは現在の本業と中身がある程度重なるものを選び、そこで経験を積み、本業に生かす試みが必要なのだと思う。例えば、ウェブデザイナーならば、IT企業で本業に近い仕事をアルバイトとして請け負うようにする。大切なのは、収入のルートを3~5つは持つこと。できれば、それらのシナジー効果を出すこと。これらも、フリーランスを「会社に頼らない、新しい生き方」と称える多くのマスメディアや有識者が語らないことだ。

文/吉田典史

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