
ティアックは、ミラーレスカメラ対応XLRマイクアダプター「CA-XLR2d」を、TASCAM(タスカム)ブランドにて開発を進めていると発表した。
「CA-XLR2d」は、キヤノン、富士フイルム、ニコン、それぞれとのコラボレーションの実現により、業界をリードするカメラメーカー各社のノウハウと音響機器の専門ブランドであるTASCAMによって培われた同社の音声収録技術を結集した共同企画開発製品。
高画質の動画撮影に使用されるミラーレスカメラは、業務用途で使用されるマイク入力端子(XLR端子)およびそれに準じたマイクプリアンプを備えていないため、音声品質の向上には限界がある。音質の劣化なくプロ用マイクを使用する場合は、XLR端子を装備したデジタルオーディオレコーダーへ別収録する方法が一般的だが、編集時に画と音を同期させる作業が発生する。
この問題を解決すべく企画されたのが「CA-XLR2d」。ミラーレスカメラにXLR入力を拡張し、高性能マイクプリアンプによるプロ品質の音声をダイレクト伝送するアダプターで、音声はカメラの動画ファイルに記録される。
さらに、データ通信に対応したアクセサリーシュー搭載カメラ(対応カメラメーカー:キヤノン、富士フイルム)との組み合わせにより高性能ADコンバーターによるカメラへのデジタル音声伝送を実現するとのことだ。
■キヤノンキット「CA-XLR2d-C」
マルチアクセサリーシューに対応した本機のホットシュー接続に関して同社と設計・評価面で協業し、高い親和性を実現。デジタル音声伝送に加えカメラからの電源供給にも対応し、ケーブルレスで機動性の高いシステムを構築できるとしている。さらに、同社の業務用デジタルビデオカメラ「XF605」のマルチアクセサリーシュー接続にも対応予定。カメラ本体に標準装備された2系統のXLR入力と合わせて最大4系統のXLR入力を実現する。
※動作確認予定機種: ミラーレスカメラ「EOS R3」、業務用デジタルビデオカメラ「XF605」
また、バッテリーボックス(単三形電池×2用)とコールドシューマウントアダプターを同梱。本機のアナログ出力とカメラのマイク入力をオーディオケーブルで接続することで従来型機種においてもアナログ音声伝送が可能。
■富士フイルムキット「CA-XLR2d-F」
データ通信対応ホットシューに適合した本機のホットシュー接続に関して同社と共同開発し、高い親和性を実現。デジタル音声伝送に加えカメラからの電源供給にも対応し、ケーブルレスで機動性の高いシステムを構築できる。
※動作確認予定機種: ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM X-T4」、「FUJIFILM X-S10」
また、バッテリーボックス(単三形電池×2用)とコールドシューマウントアダプターを同梱。本機のアナログ出力とカメラのマイク入力をオーディオケーブルで接続することで従来型機種においてもアナログ音声伝送が可能。
■アナログインターフェースキット「CA-XLR2d-AN」
ニコンとの共同企画開発により実現したアナログインターフェースカメラ用キット。同梱のバッテリーボックス(単三形電池×2用)とコールドシューマウントアダプターを装着し、本機のアナログ出力とカメラのマイク入力をオーディオケーブルで接続することで従来のアナログ接続による音声伝送が可能。
※動作確認予定機種:ミラーレスカメラ「ニコン Z 7II」、「ニコン Z 6II」、「ニコン Z 7」、「ニコン Z 6」、「ニコン Z 5」、「ニコン Z fc」、「ニコン Z 50」
いずれも2021年内の出荷開始を予定しているとのことだ。
構成/立原尚子