
訪日客回復時期はコロナ収束後1年半程度かかる見通し
日本国内の新型コロナウイルス感染症の長期蔓延により、昨年と比較して収束後の訪日意欲が減少傾向に。
今回アウンコンサルティングは、中国・台湾・香港・韓国・タイ・アメリカに向けて、新型コロナウイルス感染症収束後の訪日意欲や、日本に対する印象などを調査した。
「新型コロナウイルス感染症が収束したら日本に行きたいですか?」という質問にはアメリカ以外の5カ国で「行きたい」が過半数を占める結果となっている。
新型コロナウイルス感染症が収束したら日本に行きたいですか?
N数=各国(地域)200以上
日本にはいつ頃行きたいですか?
「日本にはいつ頃行きたいですか?」という質問に対しては以下の通りの結果となった。前回調査と比較すると、全体的に「行く予定はない」の回答が増加していることが分かる。
また、訪日時期について、中国・タイでは比較的早期の訪日意欲があることが分かった。
これらの地域では新型コロナウイルス感染症が収束した場合、訪日需要の回復が他の国と比較して早い可能性がある。一方、台湾・韓国では「2022年10月以降」の回答率が高く、回復が鈍化する可能性が考えられる。アメリカにおいては「行く予定はない」の回答率が80%を超えており、収束後も訪日需要の回復には時間がかかることが予測できる。
N数=各国(地域)200以上
新型コロナウイルス感染症の流行前と後で日本に対する印象は変化しましたか?
「新型コロナウイルス感染症の流行前と後で日本に対する印象は変化しましたか?」という質問については以下の通りの結果となった。
前回調査と比較すると「良くなった」の回答率が台湾・香港・韓国で増加していることが分かった。また、タイでは34.1%と他国と大きく差を付ける結果となっている。
なお、中国では「良くなった」の回答率が8.3%減少しており、理由(自由解答欄)として「エピデミックの抑制が不十分」との回答が多数確認できた。しかし中には「流行は国の印象とは何の関係もない」「それでも良い場所だと思います」との回答もあり、変わらず日本への好印象を抱いている層も存在している。
N数=各国(地域)200以上
新型コロナウイルス感染症の流行前と変わらず、ECサイトを通して日本の商品を買っていますか?
越境ECの需要と新型コロナウイルスの関連性の調査を目的としたこちらの質問については以下の結果となった。
※今回調査から選択肢「もともと日本の商品は買っていない」を追加。
前回調査と同様、中国・韓国では「新型コロナウイルス感染症の影響で買っていない」と回答する層が一定数存在することに変わりはなかったが、その数は減少傾向にある。
「買っている(頻度が増えた)」では中国・台湾・韓国で増加しており、今回調査したタイでは22.7%と最も多い結果となった。
中国や韓国では新型コロナウイルス感染症による越境EC需要への影響は少なからずあるものの、全体的に見ると悪影響は少なく、「買っている(頻度が増えた)」の回答率からも需要は増加傾向にある。
N数=各国(地域)200以上
今まで買ったことのある日本製品を教えて下さい。
今回の調査で追加した、「今まで買ったことのある日本製品を教えて下さい。」という質問については以下の結果となった。全体的に家電や日用品の回答率が高く、特にアメリカでは家電が49.9%と半数近くの回答率となっている。
N数=各国(地域)200以上
また、「通販で買えるようにしてほしい日本製品はありますか?(自由回答)」については以下の結果となった。
■通販で買えるようにしてほしい日本製品はありますか?(自由回答/一部抜粋)
・中国:スキンケア商品、薬用化粧品
・台湾:酒類、衣類、書籍
・香港:衣類、書籍
・韓国:書籍、漫画
・タイ:エアコン
・アメリカ:ゲーム用品
アフターコロナに向けたプロモーションについて
海外向けプロモーションは販売促進よりも認知・情報発信が重要
「日本にはいつ頃行きたいですか?」の回答率でも分かるように、訪日需要の回復には時間がかかる。仮に、このアンケートを行った6月に新型コロナウイルス感染症が収束していたとしても、訪日を検討する時期は、早いところで中国・タイの2021年10月~12月(4~6ヶ月後)、台湾・韓国では2022年10月以降(1年4ヶ月後)と、訪日需要が回復するまでには1年半ほどかかることが予測できる。
観光業を含むインバウンド業界の企業は、現在は海外需要よりも国内需要に重点を置き、海向けのプロモーションについては当面の間は販促施策よりも認知施策(収束後の需要喚起または態度変容を狙う目的)の準備を行う必要があるだろう。
調査概要
【調査主旨】
【世界6カ国】アフターコロナに向けた意識調査
訪日意欲や日本に対する印象について
【調査要綱】
対象の国と地域:中国、台湾、香港、韓国、タイ、アメリカ
調査期間:2021年6月1日~2021年7月25日
対象:対象の国と地域の各200名以上、18歳以上の男女
構成/ino.
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