
年に1回、メインで利用する全国系あるいは地方系リテール銀行でファイナンシャル・アドバイスを受けた顧客を対象に、直近1年以内に関連する商品やサービスやその他の金融ニーズについて提供されたアドバイス/案内に対する満足度を明らかにする「J.D. パワー 2021年米国リテールバンキングアドバイス顧客満足度調査」の結果が発表された。
米国リテールバンキングアドバイス顧客満足度の第1位はバンク・オブ・アメリカ
リテール銀行はファイナンシャル・アドバイスを求める一部の限られた顧客だけに究極の顧客エンゲージメントを模索している。しかし、潜在的には多くの顧客がメリット享受できる可能性を有している。
調査によると、銀行からアドバイスを受けた顧客の69%がそのアドバイスに基づいて行動しているが、アドバイスを受けることに興味があると答えた顧客はわずか19%に止まった。
リテール銀行の顧客のうち健全な財務状況にある顧客は半数を下回り、基本的な金融リテラシーテストに合格する顧客が38%に止まるという厳しい経済状況下において、これらの結果は非常に重要である。
2021年の調査の主なポイント
顧客にパーソナライズされたファイナンシャル・アドバイスが総合満足度の向上をけん引
顧客のニーズに完全に合致したアドバイス/案内が提供されると、総合満足度は+229ポイント(1,000ポイント満点)向上する。リテール銀行は52%の割合でこれを達成し、アドバイスを受けた顧客の69%がアドバイスに基づいた行動を取っている。
求められていないファイナンシャル・アドバイス/案内
リテール銀行によるファイナンシャル・アドバイス/案内は総合満足度を大きく向上させるにもかかわらず、それを受けることに「非常に興味がある」と答えた顧客はわずか19%に止まり、「全く興味がない」と答えた顧客は33%に上った。顧客は、メインで利用する銀行よりも、家族や友人、インターネット検索、個人資産の管理をサポートするウェブサイトなどからファイナンシャル・アドバイス/案内を受ける傾向にある。
多くの顧客にアドバイスの需要が存在
リテール銀行の顧客のうち、「財務的に健全である」と回答したのはわずか49%に止まり、11%は「過剰借入の状態」にあると回答している。さらに、13%が「経済的にストレスを感じている状態」、27%が「財務的に脆弱な状態」と回答した。また、リテール銀行の顧客のうち、基本的な金融リテラシーテストに合格しているのは、わずか38%に止まった。
ファイナンシャル・アドバイスは、大手の全国系銀行がリード
調査で上位となった4つのリテール銀行はいずれも全国系銀行であった。提供するアドバイスの多様性、アドバイス/案内の適切さ、アドバイスを提供する際に顧客のニーズへの関心が高く評価された。
J.D. パワー バンキング・インテリジェンス部門 シニアディレクター ポール・マクアダムのコメント
「リテール銀行は顧客の日常生活の金融面において重要な役割を果たしており、銀行にファイナンシャル・アドバイスを求めようと思う顧客は少ないかもしれないが、リテール銀行からアドバイスを積極的に提供されると非常に良い反応を示す傾向がある。リテール銀行には、資産運用や退職後の生活設計、緊急時に備えるための預金、確実に期限内に請求金額を支払うためのテクニックといったアドバイスを提供することで、顧客との関係を深める大きなチャンスがある」
顧客満足度ランキング
第1位:Bank of America (バンク・オブ・アメリカ)(673ポイント)
第2位:Citibank (シティバンク) (640ポイント)
J.D. パワー 2021年米国リテールバンキングアドバイス顧客満足度調査概要
年に1回、メインで利用する全国系あるいは地方系リテール銀行からファイナンシャル・アドバイスを受けた顧客
を対象に、過去1年間に商品/サービス/その他の金融ニーズを踏まえて提供されたアドバイス/案内に対する満
足度を聴取し明らかにする調査。今年で4回目の実施となる。
実施期間:2021年3月
調査方法:インターネット調査
調査対象:メインで利用する全国系あるいは地方系リテール銀行からファイナンシャル・アドバイスを受けた顧客
調査回答者数:5,491人
構成/ino.