小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

いよいよブーム到来!?アラ還の星マッツ・ミケルセン主演の映画「アナザーラウンド」の見どころ

2021.08.27

■連載/Londonトレンド通信

 今、マッツ・ミケルセンがいい。このところ毎年のように何かしらの主演映画がある。この11月で56歳、一言で言えば、遅れてきたスターだ。

 世界に出るのは遅かったが、地元デンマークでは長らくスターだ。結果、世界での馴染みは薄いが、新人ではなく実力も十分、アラ還にして新鮮、美味しい位置だ。

 アラ還2大スター、共に今年58歳のブラッド・ピットとジョニー・デップが私生活で味噌をつけた今、曇りなく輝くアラ還の星になっている。

 ピットは親権を巡る闘争中で児童虐待疑惑がくすぶっているし、デップの方は、元妻アンバー・ハードへのDVを報じた英紙相手の裁判で、敗訴している。2人がイメージダウンしたところに、上り調子のミケルセンというわけだ。『ファンタスティック・ビースト』シリーズでデップがゲラート・グリンデルバルド役を降板、第3弾からミケルセンが演じることになったのは象徴的かもしれない。

『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)での悪役で世界の注目を集めたミケルセン、『ヴァルハラ・ライジング』(2009)や『残された者 -北の極地-』(2018)など寡黙なヒーローがばっちりハマるが、その渋いイメージを逆手にとった意外な役も面白い。

 意外どころか、あり得ない役をふってみせるのが、同じデンマークのトマス・ヴィンターベア監督だ。『偽りなき者』(2012)でのミケルセンは、なんと幼稚園の先生だった。スーパー激渋な幼稚園の先生、幼稚園児にまでほっておかれず、トラブルになってしまう。こう書くとコメディみたいだが、ちょっとした誤解がさらなる誤解を生み、地域住民を敵に回してしまう怖い映画だった。

 そのヴィンターベア監督が、今回の『アナザーラウンド』でミケルセンにあてたのは、さえない教師、転じて酔っ払い先生だ。学校では生徒に、家では家族に愛想をつかされている覇気のない教師が、アルコールの力を借りてノリノリになる。

 そもそもはお仲間からの提案だった。要約すると、一杯ひっかけつつ仕事をすると調子がいいという、ばれたら一発退場、どう考えてもアウトな話だ。それなのに、体内のアルコール濃度何パーセントの状態をなんたら、数字をあげてサイエンスっぽく話されると、その気になってしまう馬鹿オヤジ集団だ。

 かくして、飲酒ワーキングに入るみなさん。

 最初は上手くいきそうに見える。マンネリだった授業に熱が入り、生徒からの受けもよくなる。

 集まって報告しあう際、ほろ酔い加減でじゃれ合ったりして楽しそうだ。

 だが、その実はただの酔っ払いオヤジたち。

 こんなことをしていて、どうなるのか。壊れかけた妻との関係は、どこに向かうのか。

 コメディ風味だが、笑えない展開もある悲喜劇だ。煮詰まった人生をどうにかしたいとあせるミッドライフクライシスの物語として、共感できる部分もある。

 引きつけるストーリーに加え、ミケルセンはじめ俳優陣もよく、アカデミー賞では国際長編映画賞を獲得、ハリウッド・リメイクの話も出ている。

 これでミケルセンの知名度はますます上がり、役の幅ももっと広がりそうだ。このままこけずにいってほしい。

『アナザーラウンド』
9月3日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開

©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com


@DIME公式通販人気ランキング


興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!Amazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2022年9月15日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「ドラえもん DRY BAG」! 特集は「攻める節約、守る投資」「eスポーツ観戦ガイド」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。