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基底細胞がんの局所治療薬として開発中のゲル製剤レメチノスタットが臨床試験で有望性、スタンフォード大学報告

2021.08.25

基底細胞がんの局所治療薬、臨床試験で有望な結果

皮膚がんの中で最も高頻度に生じる基底細胞がん(BCC)の治療薬として、開発中のゲル製剤であるレメチノスタット(remetinostat)の有望性を示した臨床試験の結果が報告された。

将来、レメチノスタットによる治療が、現在の主な治療法である手術の代わりとなる可能性が見えてきたという。

試験は米スタンフォード大学皮膚科学准教授のKavita Sarin氏らが実施したもので、結果は「Clinical Cancer Research」に8月6日掲載された。

米国では年間300万人以上が新たにBCCと診断されている。BCCは転移することはまれで、切除術によって治癒するケースが多い。

それでも、「手術以外の治療選択肢が求められている」とSarin氏は言う。例えば、BCCの病変が顔面などにある場合、手術の痕が残る可能性があり、それは患者にとって望ましくない。また、複数のBCCを発症する患者も多く、繰り返し手術が必要になることもある。

BCCに対しては、いくつかの局所治療薬が承認されているが、適応はBCCの症例の中では数少ない「表在型」に限定されている。

これに対して、Sarin氏らが今回の臨床試験で使用したレメチノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害する作用を持つ。実験室での研究では、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害するとBCCの増殖を抑制できることが示されている。

今回の第Ⅱ相臨床試験では、直径が5mm以上の腫瘍を1つ以上持つ、30人のBCC患者を対象にしたもの。患者の腫瘍は、1日3回、6週間かけてレメチノスタットで治療された。

最終的に25人の患者が有する33個の腫瘍を対象に解析したところ、17個は完全に消失し、6個で部分的な奏効(腫瘍の直径が試験開始時から30%以上縮小)が認められた(全奏効率69.7%)。

また、レメチノスタットが最も効果を示したのは表在型のBCCで、全ての表在型BCCで縮小または消失が認められた(奏効率100%)。一方で、BCCの中でも最も高頻度に生じる結節型のBCCでの奏効率は68.2%、皮膚のより深部の広い範囲に浸潤する浸潤型のBCCでの奏効率は66.7%であった。

これに対して、微小結節型のBCCでは、治療効果は認められなかった。レメチノスタットによる治療で生じた主な副作用は投与部位の発疹だけであり、全身性のあるいは重篤な有害事象は認められなかった。

Sarin氏は、「今回の臨床試験でのレメチノスタットの投与回数は1日3回、治療期間は6週間だったが、治療レジメンの至適化を目指したさらなる研究が必要だ」と説明。また、同薬の効果の持続期間についても、今後検討すべき課題だとしている。

この研究には関与していない、米マウント・サイナイ・アイカーン医科大学皮膚科学臨床准教授のJeffrey Weinberg氏は、「より多くのデータが必要なのは明らかだが、この結果が前進を意味していることは確かだ」とコメント。また、浸潤型の腫瘍でもおよそ3分の2で効果が得られたのは「素晴らしい」と述べている。

ただしWeinberg氏は、局所薬による治療では、本当に腫瘍が完全に消失したかどうかを見極めることができないことに言及。

臨床試験ではレメチノスタットによる治療終了後に、手術で17カ所の腫瘍が実際に消失していることが確認されたが、実際の臨床現場ではこのような確認を取るのは難しいことを指摘している。

その上で、「BCCの中には手術の適応とならない患者もいる。また手術を望まない患者もいる。それゆえ、有効な局所薬が治療選択肢に加わることは歓迎すべきことだ」と話している。(HealthDay News 2021年8月9日)

Copyright © 2021 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://clincancerres.aacrjournals.org/content/early/2021/08/03/1078-0432.CCR-21-0560

Press Release
https://www.aacr.org/about-the-aacr/newsroom/news-releases/first-in-class-histone-deacetylase-inhibitor-gel-shows-promise-for-the-treatment-of-patients-with-basal-cell-carcinoma/

構成/DIME編集部

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