
コロナ禍で蒸溜所見学が休止となっているサントリー白州蒸溜所・山崎蒸溜所は、2021年2月よりテイスティング付きのオンライン・ライブを開始し、すでに1万4000人も参加する大人気のウェビナーとなっている。
この夏、さらに内容をリニューアルした「白州蒸溜所」のオンライン・ライブを体験したので、その見どころをご紹介したい。
一部無料での体験も可能!サントリーの「リモート蒸溜所ツアー」
ウイスキーが好きな方は、「白州」を一度は聞いたことがあるだろう。
白州蒸溜所(山梨県北杜市)は、サントリーのウイスキーづくり50周年を記念して、「山崎」とは異なる特徴・魅力を持つ第二の蒸溜所として1973年に設立された。豊かな自然と、南アルプスの山々を水源とする最良の水を使用し、森の蒸溜所として親しまれている。ちなみに「サントリー天然水」も同じ敷地内で製造されている。
蒸溜所ツアーは大変人気があったが、コロナ禍で休止されたことや、これまでツアーに参加できなかった遠方に住む方のニーズも叶えるべく、2021年2月よりリモートによる蒸溜所ツアーが始まった。
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リモート蒸溜所ツアーは、無料と有料の2種類がある。360°フリーツアー(無料)では、360°VR技術でウイスキー博物館の展示を散策できる。動画や音声でのガイド、展示内容に関するクイズなどを楽しめる。
今回は、白州蒸溜所の有料(3300円)のオンライン・ライブを体験。7月17日開催分より、広大な森に囲まれた白州の自然環境をより体感できるような内容へ刷新し、さらに季節にあわせた白州の楽しみ方を提案してくれる内容へリニューアルした。
それでは、オンライン・ライブの内容を紹介したい。
オンライン・ライブへの参加方法
はじめに申込サイトから決済を済ませたら、事前にメールとセミナー用ツール※が宅配される。
ジャパニーズウイスキーの人気上昇や原酒不足により、筆者は白州を何年も飲んでいなかったので、届いた時点で開けたくなってしまった。
オンライン・ライブ当日まで飲むのは我慢しよう。テイスティングノートと、ZOOMの参加方法の案内が同封されている
当日は、メールに記載されている参加用URLよりZOOMで参加する。
※シングルモルトウイスキー白州180ml、白州ロゴ入り特別テイスティンググラス(非売品)を含む(送料込み)。これだけでもうお得感がある。
リンクをクリックすれば、森に囲まれた白州蒸溜所へひとっとび!
約60分間のオンライン・ライブは、JR中央本線・小淵沢駅に到着し、バスに乗り込んで白州蒸溜所に向かうところから始まる。鳥のさえずりも聞こえてきて、ワクワクとした気分にさせてくれる。
知識豊富なナビゲーターの案内で、いよいよ工程ツアーの始まりだ。
はじめは、良質な水を生み出す土壌や、ウイスキーの原料について教えてくれる。解説だけでなく、「なぜこの水や麦芽なのか」という、サントリーならではのこだわりについても理解を深められる。
オンラインでの参加は、受け身の状態になりがちな時があるが、このオンライン・ライブでは、チャット機能で随時感想や質問を書き込むことができる。
また、ナビゲーターが投票機能を使って、「白州蒸溜所に来たことはありますか?」「ウイスキーの原料は何ですか?」など参加者に質問してくれる。ほかの人の回答は見えないので、恥ずかしがらずに回答できる。途中で飽きることなく、楽しめる工夫が満載なのが魅力だ。
次に小径を進んで醸造棟へ向かう。この間も清々しい白州の自然をたっぷりと画面越しに堪能できる。
造りの現場では、「仕込み」「発酵」「蒸溜」「熟成・貯蔵」「ブレンド」の順で解説される。
白州蒸溜所は木桶による発酵にこだわっている。温度管理が大変ではあるが、保湿性に優れているそうだ。4.7メートルもの深さのある発酵槽を間近で見られるのもオンラインならではの特権で、香りまで伝わってくるようだ。
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さまざまな大きさや形状の異なる銅製の蒸溜釜も見応えがある。ストレート型とランタン型の違いにより、どのように味わいの変化が生じるのかという説明も興味深かった。
貯蔵庫の説明では、サントリーでは樽づくりまで手掛けるというこだわりも聞くことができた。今日樽に詰めた原酒を、実際に製品として飲めるのは十数年先だという。造り手たちは、将来の飲み手のことも考えながら味わいを設計し、また樽を引き継いでいく後輩のことを思いながらウイスキーづくりを行うという話に感動を覚えた。
工程の最後は「ブレンド」だ。熟練のブレンダーの技術により、原酒の個性を見極めてブレンドしていくことで、「白州」の味が決定される。
お楽しみのテイスティングの時間!
製造工程を学んだ後は、お待ちかねのテイスティングの時間だ。送付されたグラスはブレンダーが使用するものと同じで、テイスティング方法を解説してくれる。
白州を注いだら、まずは香りを楽しむ。その後、お水を注ぐ「トワイスアップ」という方法にも挑戦すると、さらにスモーキーな香りが現れた。造り手の想いやこだわりを知った後に飲む白州は格別だ。森の蒸溜所にいる気分で、緑の香りが心地良い白州を堪能しよう。
さらにおいしいハイボールの作り方や、季節のおすすめ料理の組み合わせも教えてくれた。暑さの厳しい夏は特に、白州ハイボールが体に染み渡る。夏ならではの白州の楽しみ方も満喫したい。
初めての方も満足できるオンライン・ライブ
オンライン・ライブは、参加者の7割が蒸溜所の来場経験が無いというが、サントリーのアンケートによると満足度は96%と好評だ。
筆者も約一時間、非常にリラックスしながら楽しめた。コロナ禍前に白州蒸溜所を見学した際には、新鮮な森の空気を吸い、蒸溜釜や貯蔵庫に圧倒され、最後にお土産を買うという現地ならではの楽しみも体験したが、今回はオンラインならではのメリットも感じた。
オンラインでは、ナビゲーターとの双方向のコミュニケーションが多く、質問に答えたり感想を書き込んだりと、アウトプットの量が多くなるため、学んだことがしっかり定着する気がした。
また発酵槽や蒸溜釜を至近距離で見られるのもオンラインだけなので、着席してじっくり学べることや、希少な白州のミニボトルとグラスの送付も含めて、高い満足感とお得感を得られた。
この夏はオンライン・ライブで旅行気分も味わいながら、ジャパニーズウイスキーを堪能するのはいかがだろうか。大自然や醸造棟内部の臨場感を味わうために、スマホよりもできればタブレットやパソコンなど、少しでも大きな画面で楽しむことをおすすめしたい。
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【サントリーウイスキー リモート蒸溜所ツアー 公式サイト】
土日を中心に、毎月開催中。
【取材協力】
サントリーホールディングス株式会社
取材・文/Mami
(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート
https://mamiwine.themedia.jp/