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インパクトは代表戦でゴールした時の10倍!映画デビューをはたしたサッカー元日本代表・播戸竜二の矜持

2021.08.20

「引退後にいろんな道があることを示したい」映画デビューの元日本代表・播戸竜二の矜持


撮影時のヤクザ風の衣装姿で佇む播戸竜二(本人提供)


「ゴールを狙う鋭い目つき」で挑んだ名シーンⓒ2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

「賭場の客 播戸竜二」 台本上の記載にワクワク

 柚月裕子のベストセラー同名小説を原作に、警察と暴力組織に関わる様々な人間模様を巧みに描き出した2018年のヒット映画「孤狼の血」。その続編である「孤狼の血 LEVEL2」が20日から全国公開された。

 松坂桃李、鈴木亮平ら豪華キャストとともに「賭場で真剣勝負する男」を演じたのが、元サッカー日本代表FWの播戸竜二氏。Jリーグ特任理事、日本サッカー協会アスリート委員会委員などを兼務し、解説者やラジオMCも務める男が俳優デビューを飾ったのだ。

「現役時代からお世話になっている知人を通して面識のあった東映の紀伊宗之プロデューサーと引退後に食事する機会があって、『一度、映画に出ませんか』とお誘いをいただいたんです。昨年夏に本当に出演が決まり、撮影日の1カ月前の9月に台本が送られてきました。映画の台本は見るのも初めてで『おお、これか』と喜んでページを開いたら、メチャメチャ面白くて、2時間くらいで一気に読んでしまった。『賭場の客 播戸竜二』と書かれていたのも嬉しかった。収録まで本当にワクワクしていましたね」


現場には総勢80人ものエキストラ、キャスト、関係者がいたというⓒ2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

松坂桃李と斎藤工のオーラに圧倒される

 実際の撮影は、10月中旬に広島県呉市で1日がかりで行われた。実は、播戸氏は衣装合わせの際、最寄駅にタクシーが来ず、走って現場入りする羽目に。汗だくになりながらヤクザ風の背広を着ることになったという。

「ホントに慌てて現場入りしたんで、覚えているのは『腹巻をつけた方がいいね』と白石(和彌)監督から言われたことくらい(苦笑)。腹巻の中からお金を出して賭ける場面に迫力が出るということで、妙に納得した気がします。

 本番の時は、賭場のシーンに自分やエキストラ含めて20人がいて、奥の部屋で松坂桃李さんや斎藤工さんら5~6人が芝居をしていました。松坂さんや斎藤さんとは直接やり取りはなかったけど、オーラが物凄かったですね(笑)。その周りをスタッフ2030人が取り巻く感じで、外にも関係者が2030人はいた。総勢80人くらいの大所帯の中、撮影が行われました。

 それだけの人がいるんで、『失敗して迷惑を掛けられない』というプレッシャーはありました。しかも、カメラは1台でいろんな角度から撮影するんで、4~5回は同じ芝居をしないといけない。ずっと気の抜けない状態でした」と播戸氏は当日の様子を振り返る。

 白石監督からは「よかったですよ。次はセリフ付きですね」と前向きに声を掛けられ、心から安堵して現場を離れたという播戸氏。それから半年後の今年4月に初号試写を見たところ、出来栄えの素晴らしさに驚きを禁じ得えなかったようだ。

「冒頭の方で賭場のシーンが出てくるんですけど、自分が数秒間、映し出されただけで興奮しましたし、緊迫感を覚えましたね。『ああやって撮影したものがこうなるんや』という学びもあり、1つの作品を作り上げる努力の素晴らしさをしみじみ感じました。エンドロールに小さいながらも自分の名前を見つけた時には本当に嬉しかった(笑)。公開後に見られる方には、播戸の姿と名前を見逃さないでほしいですね」と彼は言う。


8月15日に故郷の姫路で行われた舞台挨拶ⓒ2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

日本代表ゴール時の10倍のインパクト!

 5月18日に彼の映画出演が公になると、反響は凄まじかった。当日朝のヤフートピックスに取り上げられ、日本代表でゴールを奪った時の約10倍のメッセージが本人のところに届いたほどだ。

「普段サッカーを見ていない人からも連絡が来たりして、ケタ違いのインパクトに驚きました。その後、沢山の取材も受けましたけど、『引退後のJリーガーにはこういう可能性もあるんだ』と多くの人に感じてもらえたら嬉しいですね。サッカー選手のセカンドキャリアを見ると、指導者やJクラブ、日本サッカー協会やJリーグのスタッフ、解説者といったところが中心で、起業家や飲食店経営などもあると思いますけど、俳優も1つの選択肢になるといい。僕はそう思います」

 播戸氏が言うように、Jリーガーがエンタメ業界に身を投じる例はまだまだ少ない。かつて名古屋グランパス、浦和レッズ、徳島ウォルティスなどでプレーした青山隼氏が俳優に転身したり、昨年引退した元日本代表DF内田篤人氏がテレビ出演で多忙を極めてはいるものの、まだまだほんのひと握りという状況だ。板東英二氏や長嶋一茂氏らが活躍するプロ野球界に比べると、サッカーの認知度が低いということなのかもしれない。


大好きな映画ポスターに囲まれて笑顔を見せる播戸(本人提供)

映画プロモーションのノウハウはサッカー界も参考にできる

 その危機感は播戸氏の中にはつねにある。華々しかった93年Jリーグ開幕を中学生時代に目の当たりにし、プロ1年目の98年にフランスワールドカップ(W杯)初参戦した日本代表の盛り上がりを体感した彼らの世代にしてみれば、サッカーの認知度をもっともっと引き上げないといけないという思いを抱くのは当然のことかもしれない。

93年J開幕、98年フランス・2002年日韓W杯を思い出してみると、普段サッカーを見ている人はもちろんのこと、いつも見ていない人が関心を抱いて、ムーブメントになった。そうなるように仕向けていかないといけないと思うんです。

 今回映画に出させてもらって、初号試写の4月からの本公開までの4カ月間を見てきましたけど、段階を踏んでキャストを発表したり、露出を増やしたりとプロモーションが練られているなと実感しました。そういう部分はサッカー界にも還元できると思います」

 同時に「サッカー選手個人がもっともっと表に出るべき」と播戸氏は考えている。Jクラブが57まで増え、地域密着が進み、放送が有料チャンネルのDAZN中心になる中、かつてのカズ(三浦知良=横浜FC)のようなスーパースターを生み出しにくくなっているのは事実。だからこそ、より選手が露出への意識を高めていく必要がありそうだ。

「ガンバ大阪のレジェンドである永島昭浩(解説者)さんが『J発足当初はチームのなかった九州まで足を運んで講演をした』と話していたのを聞いたことがありますけど、『盛り上げないといけない』という使命感を持っていたからオフ・ザ・ピッチの活動にも意欲的に取り組んだんでしょう。

 今はSNS時代で、みんなツイッターやインスタグラムで発信はしてますけど、やっぱり第3者に記事を書いてもらったり、映像で表に出ることで、また違った印象を与えられる。新たなファン層の獲得にもつながると思います。僕も今回、映画に挑戦したことでネットワークも広がりましたし、多種多様な人に知ってもらえたかなと感じます。そうやってみんなでサッカー界を盛り上げていきたいですね」と播戸氏は新境地を開拓しながらも、サッカー界への思いをより深めた様子だ。


撮影時の厳しさとは全く別の表情を見せる素の播戸(本人提供)

俳優経験も糧にいずれはJリーグチェアマンへ!

 2019年9月に引退発表した時点から「将来はJリーグチェアマンになりたい」と公言してきたが、その気持ちも変わっていないという。ただ、その領域にたどり着くためには、まだまだ自分の器を広げなければならないという思いも強い。Jクラブの経営面にも携わって、金銭面や営業面、運営面など幅広い視点でサッカー界を捉えられる力を養うことも大事だし、プロモーション力もブラッシュアップする必要がある。そういう意味でも今回の映画出演は糧になる部分が少なくない。

「プロモーションに関しては取り入れられるところが沢山ありますし、DVDを作るにしても企画・構成、カット割まで目を配るヒントをもらえたのは大きいですね。世界を見れば、『マラドーナ』とか『メッシ』とかサッカー映画がいろいろありますけど、日本にはまだあまりない。そういうのを作ることも歴史をつなげていく意味では重要だと思います。

 映画というのは百年以上も続く日本の重要な文化。先々も残るし、後世にも伝えていけるものが少なくない。今回の貴重な経験を機に、僕がサッカー界と映画界の橋渡し役になって、両方がうまくコラボレーションできるようにしていけたら理想的です。

 もちろん、俳優オファーがまた来たら、喜んで出させてもらいますよ。その時はセリフのある役に挑戦したいですね」

 どんな物事に対してもアグレッシブに突き進んでいく播戸氏だけに、次回作の出演も近い将来には実現するかもしれない。今回の俳優経験も生かしながら、最終的には日本サッカー界を力強く牽引していける存在になれるように、これからも前へ前へと突き進んでほしいものだ。

「孤狼の血 LEVEL2」

大ヒット公開中!

出演:松坂桃李 鈴木亮平 監督:白石和彌

取材・文/元川悦子

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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