小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「思っていたより30倍大変だった」TENGAロケットの打ち上げ成功が切り拓いたロケットベンチャーの未来

2021.08.19

2021年7月30日、真っ赤な赤いロケットが北海道の夏空に向けて打ち上げられた。

credit:インターステラテクノロジズ/TENGA

ホリエモンこと堀江貴文さんが率いるロケットベンチャーのインターステラテクノロジズ(以下、IST)とアダルトグッズを販売するTENGAが共同で開発した「TENGAロケット」だ。

機体は最高高度92kmの宇宙空間に到達。さらに、宇宙からマスコットキャラクターの「TENGAロボ」を放出し、海上での回収に成功した。宇宙から放出したペイロード(荷物)の回収に成功したのは、国内の民間企業としては初めてのことだ。

注目すべきは、「TENGAロケット」は、単なるプロモーション企画ではない点だ。今回ISTとTENGAがパートナーシップを組んだことで、新しいロケットの開発のあり方を切り拓かれた。

ミッション成功!宇宙から帰ってきたTENGAロボ

「TENGAロケット」プロジェクトが動き出したのは2年前。ISTファウンダーの堀江貴文さんとTENGA代表取締役社長の松本光一さんがテレビ番組で共演した際に、お互いのものづくりに対する姿勢を知り、意気投合したのがきっかけだった。

今回の打ち上げで掲げられたミッションは3つ。1000人分の想い・願いが詰まったTENGA型メッセージPODを宇宙に解き放つことや、宇宙からTENGAロボを放出して地球へ帰還させること、そして「宇宙用TENGA」を開発するためのデータ計測に挑戦した。

機体内部の様子は実況付きでライブ配信された。地球やTENGAロボットが放出される瞬間も捉えていた
credit:インターステラテクノロジズ/TENGA

ロケットの打ち上げ後に行われた記者会見で、松本さんはロケット製造の難しさをこのように語っている。

TENGA 代表取締役社長の松本さん
撮影:井上榛香

「ロケットを1台製造するということは、僕たちが思っている30倍大変なことだと思います繊細なことの積み重ねが、あのダイナミックな打ち上げに繋がるのだと勉強させていただきました」(TENGA 松本さん)

TENGAの宇宙プロジェクトの最終的な目標は、宇宙飛行士や宇宙旅行者が使える「宇宙用TENGA」を開発すること。今回の打ち上げでは、宇宙空間の微小重力環境を利用して、どのくらいの圧力や重力に耐えられるように設計するべきか検討するのに必要なデータ計測が行われた。今後さらにデータの計測が必要になった場合には、再度ISTのロケットを利用する可能性があるという。

TENGAロケットで確立された、宇宙からの回収技術

記者会見では、宇宙から放出され、無事に帰還したTENGAロボが公開された。

撮影:井上榛香

会場が盛り上がるなか、ISTの堀江さんは安堵の声を漏らした。

ISTファウンダーの堀江さん
撮影:井上榛香

「正直なところ『TENGAロボ』は回収できるかな……と思っていたのですが、無事に回収できてよかったです。我々としても裏でいろいろな努力をしてきたこれまでの積み重ねがこの結果を生んだと考えています」(IST 堀江さん)

それもそのはず、わずか50gのTENGAロボの回収は、非常に難易度が高いミッションだった。

TENGAロボは、ロケットから宇宙空間へ放出されると、パラシュートを展開し減速しながら、海上に着水。TENGAロボに詰め込まれているシーマーカーによって、海を染色するのを目標に、小型ジェット機で空からおおよその落下位置を特定して、船で回収するという流れだった。

TENGAロボをよく見ると、オレンジ色のシーマーカーの残りがついているのがわかる
撮影:井上榛香

宇宙空間で実験を行った成果物を回収するという技術を確立したことにより、ISTのロケットの用途は大きく広がるだろう。

さらに、今回の打ち上げは機体内部の様子がライブ配信で公開された。実は、この取り組みも国内初だった。東京大学との共同研究の枠組みで、ロケットを打ち上げた北海道大樹町内にあるパラボラアンテナを使い、高画質な映像中継を実現させた。

TENGAロケットプロジェクトに取り組むことで、ISTは新たな技術と機能をいくつも手に入れたというわけだ。

IST 代表取締役社長の稲川貴大さんは、今後も様々なパートナーと一緒にロケット開発を進めていきたいと意気込みを語った。

「やはり一番重要なのは、“NGがないこと”です。政府のロケットは税金を投入して行う理由や国民からの理解が必要になりますが、民間企業のロケットは本当に自由に使えます。面白いエッジが効いたミッションをやっていければいいと思っています」(IST 稲川さん)

ISTは2019年に初めてロケットの打ち上げを成功させて以来、宇宙空間に到達できなかったケースや不具合による打ち上げの延期が続いていた。そこで、エンジンシステムや機体の設計を全面的に改良した、新型機を開発。7月3日には、新型機としては1号機目となる「ねじのロケット」を打ち上げ、2年ぶりの宇宙空間到達を果たした。TENGAロケットはそれに続く打ち上げで、ISTは同社初の2回連続での打ち上げ成功させたことになる。

「2回の打ち上げ成功をうけて、打ち上げて実験・実証していく段階からロケットを活用していく、そういう段階に大きく変わっていくと考えています。観測ロケットとして科学利用、広告PR、そしてブランディングなど新たな市場を開拓できると考えております」(IST 稲川さん)

ロケットベンチャーといえばSpaceXやRocket Labをはじめとする競合企業が勢いをつけているが、今回のTENGAロケットのようなユニークなプロジェクトは、IST独自の強みを生み出していくだろう。

左からTENGA松本さん、IST稲川さん。
撮影:井上榛香

左からTENGA松本さん、IST稲川さん、堀江さん
撮影:井上榛香

取材・文/井上榛香

小学館ID登録&@DIMEログインでルンバi3+&Amazonギフト券が当たる

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2021年9月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「モバイルPCスタンドMAX」! 特集は「通勤自転車ベストバイ」、「Chromebook vs Surface」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。