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【トレンドワード図解】水素って本当にクリーンなの? 4コマで学ぶ「グリーン水素」の意味

2021.08.24

もはや経済と切り離せなくなった環境問題は、あらゆるビジネスパーソンにとって重要なテーマだ。解決策のひとつとして注目される「水素」だが、実は「水素であれば完全にクリーンです!」とは言えない側面もある。問題の本質をつかむために重要な「グリーン水素」のキーワードについて、九州大学副学長で水素エネルギー国際研究センター長の佐々木一成先生が解説してくれた。

4コマでわかる「グリーン水素」

水素と酸素を化学反応させると、電気と水が発生する。その電気を利用して、人間の活動に活かすのが水素エネルギーだ。

家庭用燃料電池などにより各家庭でつかわれたり、燃料電池自動車の燃料として利用されるほか、火力発電と同じ原理で水素を燃料とする水素発電の実用化も期待されている。

水素は地球上にあるさまざまな資源から生み出すことができる。究極的には、どこにでもある水(水は水素と酸素からなる)が原料になるなど夢は大きい。

また、燃焼させても温暖化ガスであるCO2が出ないので、次世代のクリーンエネルギーとして期待されている。例えば、水素を補給して走るトヨタの燃料電池自動車「MIRAI」は、排気ガスを一切出さず、水だけを排出する。

いっぽう、自然界に水素ガスが埋まっているわけではないので、燃料としての水素を「製造」しなければならない。仮に製造の段階で電力や化石資源が必要だとしたら、本当にエコでクリーンなエネルギーといえるのだろうか?

現状で、燃料としての水素の多くは、天然ガスからつくられている。詳しいメカニズムは省略するが、メタンガスと水蒸気を高温で反応させると、水素を取りだすことができる。これを圧縮した水素ガスが、市場に流通しているのだ。

「これでは天然ガスを燃やしているのと変わらないのではないか?」 との疑問がうまれる。そこで、水素製造のプロセスを工夫し、それぞれに「色を付ける」ことになった。「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」だ。

「グレー水素」

上述のような天然ガスや石炭などからつくった水素。使うときには水しか出さないが、製造プロセスでCO2が出る。ただし、天然ガスを発電や自動車の燃料として使うより、CO2排出は大幅に抑えられる。「ガスを燃やすプロセスは、エネルギーの利用効率があまり高くない」と佐々木先生は指摘する。天然ガスを水素に変換して燃料電池で発電することで、1.5〜2倍の効率アップが見込めるという。

しかし、社会の要求は「低炭素」から「脱炭素」へ変わった。より「クリーンな水素」が求められている。

「ブルー水素」

天然ガスなどを化学反応させるプロセスは同じだが、その際に生じるCO2が大気中に放出されないよう処理する。具体的には、CO2を地中に埋めたり、コンクリートで固定化するなどの方法がある。

理論上、温暖化ガスは出さないが、化石資源を使用する。そのため、「完全に地球環境に負荷をかけないエネルギー」とは言いにくい。

「グリーン水素」

水を電気分解して水素を製造。そのとき必要な電力は、すべて太陽光発電や風力発電による再生可能エネルギー(再エネ)を利用する。副産物としてのCO2を排出させず、化石資源を消費することもない。まさに、サステナブルなエネルギーで、現在EUを中心に活用が進められている。

太陽光や風力といった再生エネルギーは、地球上のどこでも手に入るが、現実には余る地域と不足する地域がある。例えば、国土が広いオーストラリアは再エネ発電の潜在能力に対して、電力の使用量は少ない。反対に、国土が狭く人口密度の高い東京などは、再エネだけで電力をまかなうのは難しい。

再エネ電力そのものを送電線などで輸出入できないので、住人が受け取れる環境価値(エネルギーそのものの価値のほかに、温暖化ガスを排出しないという環境に対する価値を評価する考え方)には、自然と格差が生じる。

しかし、グリーン水素ならオーストラリアでつくり、日本に運ぶこともできる。クリーンで効率に優れた水素によって、再エネの環境価値を移転できるのだ。

グリーン水素普及のポイントはコスト。水を電気分解するより、天然ガスを利用するほうが、水素製造のコストは圧倒的に安い。現状ではブルー水素に理があると言える。

ただし、ある試算によれば、グリーン水素の製造コストは2015年から2020年までに40%低下しており、2025年までにさらに40%低下すると予想されている(※)。

また、企業のCO2排出量に対して課税する炭素税や、排出量を取引するカーボンプライシングが定着すれば、グリーン水素の環境価値が経済的メリットにもつながる。

「グリーン水素は温暖化をはじめとする環境問題、エネルギーをめぐる紛争など、多くの問題を解決する」と佐々木先生。ニュースなどでしっかりフォローしていきたいキーワードだ。

取材・文/ソルバ!
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