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猛暑到来!AIには地球温暖化が防げない…なら何ができる?

2021.08.14

【連載】もしもAIがいてくれたら

第13回:猛暑到来!だけどAIに地球温暖化が防げなかったら…他に何ができる?

【バックナンバーのリンクはこちら】 
第1回:私、元いじめられっ子の大学副学長です
第12回:「挽肉のお値段4万円事件」AIなら防げた?

年々上がる「最高気温」、予測はできるけど……。

今年も猛暑で、予想最高気温が40℃を超えたりしていますが、このまま毎年気温が高くなっていったらどうなるのか、と不安になりますよね。恥ずかしながら、昨年は2回も熱中症になったので、生きていけるのだろうか、と真面目に心配です。

なんとなく、毎年夏の暑さがひどくなっているような印象も受けますが、日本の最高気温ランキングでは、1位は埼玉県熊谷2018年07月23日41.1℃、2位も同じく熊谷で2007年08月16日40.9℃とのことなので、最高気温だけ見れば、どんどん暑くなっているわけではなさそうです。

個人的な印象だけで記事を書くわけにはいかないので、気象庁のHPを調べたところ、やはり、日本の平均気温は、1898年(明治31年)の統計開始以降、様々な変動を繰り返しながらも上昇しているとのことです。特に、1990年代以降、高温となる年が頻出しているそうです。日本の気温上昇が世界の平均に比べて大きいのは、日本が、地球温暖化による気温の上昇率が比較的大きい北半球の中緯度に位置しているためと考えられています。

最近、日本は亜熱帯化して、雨の降り方も異常ですよね。ゲリラ豪雨、線状降水帯など、大雨関係のキーワードもよく耳にします。先日記事で取り上げた熱海の土石流も集中豪雨によるものなので、気象関係の災害が目立ちます。こういった気象災害、天災だと思ってあきらめてしまっていませんか?

気温が高くなっていることなどと地球温暖化を結びつけることについては異論もあるようで、環境省のHPでも、個々の気象災害と地球温暖化との関係を明らかにすることは容易ではないが、地球温暖化の進行に伴い、今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることが予想されているとしています。地球温暖化は、温室効果ガスによるオゾン層の破壊によるものなので、明らかに人災です。人類滅亡に向かって、確実に進んでいる感じがします。

世界的にみると、2020年には米国カリフォルニア州デスバレーで54.4℃が観測され、カリフォルニア州を含む米国西部で大規模な森林火災が発生するなど、もはや人の住めない火星のようです。

AIはパターン学習による予測が得意なので、気候変動を予測できればいいのでは? という考え方もあるかとは思います。実際、ゲリラ豪雨の発生を予測するといったことを、スーパーコンピュータを使って予測する取り組みも行われています。

人類を滅ぼすのはAIでもロボットでもなく「人類」?

どうやら予測より、もっと積極的な防止対策を待ったなしに講じる必要があるようです。

何も対策を講じなかった場合、IPCC第5次評価報告書によると、20世紀末頃(1986年~2005年)と比べて、21世紀末(2081年~2100年)の世界の平均気温は、2.6~4.8℃上昇するそうです。地球がどうなっていくかについては、すでに計算できているため、AIが今あらためて予測するよりも、対策で使われる必要があります。地球の温暖化を防ぐ国際会議が開催され議論されていますが、温室効果ガスを削減しよう、と個々の人の意識に働きかけてもなかなか効果はなさそうです。

温室効果ガスは、まさに人間が生み出しているので、人間がなんとかしないといけないのですが、AIがお手伝いできることもあります。私は、空間を自律的に調整するAIの開発もしていますが、冷暖房の最適化によるCO2削減など、温室効果ガスを排出する身近なものの制御もありえます。運輸関係の対策として有効なものの一つとしては、車のEV化と自動運転でしょう。

しかし、充電できる場所も増えてはきているものの、まだ少ないですし、EV車は値段が高めなので、なかなか普及していません。経済産業省は、2030年までに新車販売台数のうち20~30%を電気自動車にしたいようですが、2020年度実績で1%くらいのようです。自動運転車の普及も、2030年が目標ですが、完全自動運転までにはまだインフラ整備や法整備など課題山積です。

パリ協定では、世界の平均気温上昇を2度未満(できるだけ1.5度未満)に抑えることが目標として掲げられていますが、そのためには、2050年前後には世界のCO2排出量がほぼゼロとなっている必要があるようです。これを達成するには、エネルギー、インフラ(交通と建物など)、社会産業システムの様々なところで変革が求められています。それが実現できない場合、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、熱波や洪水リスクの激増、2100年までの海面上昇が26~77cm、いろいろな生物の生息域が半減、サンゴがほぼ絶滅してしまうそうです。

サンゴが消失する、といっても、個々の人が、実質的な問題として受け止めるには遠い感じがするかもしれません。宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士は、かつてBBCのインタビューの中で、地球温暖化が加速すれば、「気温250度、酸性雨が降り注ぐ金星のような高温の惑星へと地球を追いやるだろう」と警告しています。このように言われると、ドキッとする方も多いでしょう。これは、パリ協定から、トランプ政権が離脱表明したことへの批判として表明されたものではありますが、多くの研究者が温暖化は人類存亡の危機としています。もはやCO2削減だけでは間に合わないのではないかという指摘もあります。

AIが人類を滅ぼすのではないか、ということを心配される方もいらっしゃいますが、人類を滅ぼすのは人類で、AIは、生身の体では地球上で生きられなくなった人類が、ロボットとして生きるための手段になる可能性もあるのかもしれません。

坂本真樹(さかもと・まき)/国立大学法人電気通信大学副学長、同大学情報理工学研究科/人工知能先端研究センター教授。人工知能学会元理事。感性AI株式会社COO。NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』のAI・ロボット担当として、人工知能などの最新研究とビジネス動向について解説している。オノマトペや五感や感性・感情といった人の言語・心理などについての文系的な現象を、理工系的観点から分析し、人工知能に搭載することが得意。著書に「坂本真樹先生が教える人工知能がほぼほぼわかる本」(オーム社)など。

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