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6歳までに始めたい〝子どもの脳を育てる〟読み聞かせ習慣

2021.08.14

6歳までが大事だと言われる理由

子どもは生まれてから1歳頃で歩きはじめ、2歳で言葉を話すようになり、家庭での言葉かけや親の習慣をまねて、人格形成や生活習慣を身につけます。小学校に入学するころには集団生活の中で人間関係を築いていきます。6歳頃までには、人格を形成する時期でもあります。感性や感覚の敏感なこの時期に、強く心に残った出来事や、感じたことで、人生のルールが決まると言っても過言ではないほど重要な時期です。その根拠は医学的にも実証されており、アメリカの医学者・人類学者のスキャモン博士は、脳の神経細胞のネットワークは6歳頃までに約9割出来上がることを発表しています。

IQが高い人は何が優れている?

IQとは知能検査の結果を数値で表したものです。平均を100という数字にして、その数字より高いか否かを確認します。幼少期にIQ121以上になると知覚、随意運動、思考、推理、記憶など、脳の高次機能を司る大脳新皮質が厚くなり、高いIQが継続して育まれてく可能が高くなります。では、IQが高い人は何が優れているのでしょうか?

IQが高い人は「抽象的な思考」が出来る人とも言えます。抽象思考とは物事を高い視点から見ることができる思考のことです。例えば、サッカーをイメージしてみてください。自分の視点だと、ちゃんと走れるか、ボールを思った方向に蹴ることが出来るか、などの思考になります。一つ高い視点だと、相手をドリブルで抜く時、相手の動きを見極めて動くなど、相手を中心とした思考をします。さらにもう一つ高い視点から物事を見ると、フィールド全体を上から見るような目を持ち、どこにパスを出したら効果的なのかを俯瞰して、チーム全体でコールを決める思考をします。

次に算数に当てはめて考えてみます。例えば、A:かけ算を早く解くこと。B:方程式を解くこと。A/Bにおいて抽象度の高さを比べた場合、Bの方が抽象度が高いといえます。限られた範囲を何度も繰り返す勉強で、基礎学力を定着させるには、Aの力を養う勉強法が役に立ちますが、この勉強法にとどまっているだけでは、抽象度は上がりません。

抽象度を高く持つことは、幼少期かでも絵本から学べます

子どもは、みんな最初は「自分が中心」で、自己中心的な考えしかできません。絵本から言葉を理解するようになり、そして様々なストーリーから他者の存在を認知し、他者の気持ちや背景を思考することが出来るようになります。いつまでも「自分さえよければ」と自己中心的な思考しかできなと、学校などの社会生活においても人と良いコミュニケーションを取ることができません。子どもはみんな個性や才能を持っています。それを活かすためには、全体の中の個を俯瞰して見られる抽象的な思考が大切になります。

IQだけでなく、EQも重視される時代

EQとは、感情知能、非認知能力ともよばれています

EQが高いと

・自分の感情をコントロールでき、目標に向かって行動出来る
・自分自身を動機付け、柔軟な思考で問題解決が出来る
・相手に共感ができ、人間関係をうまく構築できる
・人に好かれ、人から応援され、夢を叶えることができる

このように、EQ力は人生を豊かにするために必要な能力といえます。

脳と心を育てる絵本の読み聞かせ方とは?

絵本はIQもEQも同時に上げることができるのです。読み方のポイントは3つです。

①「ゆっくり読まない」

幼児期の子どもは右脳が優位です。右脳は五感の情報処理範囲が広く、言語の理解や思考力よりも、感情の感覚を取り込みます。ゆっくり読むことは、集中力や興味関心をそらしてしまうことになります。自然な会話のスピードを絵本で読むことが、子どもの脳の特徴に合っています。

②「声色を変えない」

子どもは大人以上に見る、聞く、感じるなどの感覚が敏感なので、あえて声色を変えなくても物語を楽しめます。読み聞かせは毎日のことなので、毎回声色を変えたり、感情移入したりして読むと親自身も疲れてしまいます。たまの1回の読み聞かせより、毎日の読み聞かせを習慣化し、多読する方が、子ども脳にとても良い影響を与えます。

③「読んだ後に子どもをほめる・認める」

読み聞かせをしたら「最後まで良く集中していたね!」「最後まで聞いてくれてありがとう」など、子どもをほめたり、認めたりしましょう。そうすることで、子どもは絵本が好きになり、何度でも「読んで」と持ってくるようになります。

7歳以上でも心配しなくていい

「うちの子、7歳過ぎています。もう遅いの?」と心配になった方もいるかもしれません。大丈夫です!遅くはありません。覚醒化手術の日本の権威である脳神経外科医の篠浦医師によると、脳波生涯にわたり発達し続けるそうです。フィンランドでは13歳まで絵本の読み聞かせをすることを推奨しています。このように、7歳以上のお子さんにも絵本の読み聞かせは、脳と心に良い刺激を与えるのです。小学校になると、学校や友達のことなど、親も知らない、把握できないことが多くなります。絵本の読み聞かせタイムが親子の絆を高める貴重な時間になるはずです。

文/仲宗根 敦子

親と子のしあわせな未来をつくる、絵本の読み聞かせ方を指導する一般財団法人「絵本未来 創造機構」代表理事。大手航空会社に勤務中、長男が2歳、次男が0歳のときに、警察官だった夫が殉職。その後フルタイム勤務のシングルマザーとして、子どもたちに接することができる短い時間の中で育児に悩み、息子たちに絵本の読み聞かせを始めたところ、子どもの変化と自身の精神安定のために、いかに絵本が良いかを実感。その内容を体系化し、1人で講座をスタートさせ2017年に協会設立。絵本講座以外に文章講座、夢を叶える講座などを主催し、小・中・高校・大学や公立図書館、企業等での講演を行い、団体設立からわずか4年で、約4万人が講座を体験。また、日本全国はもちろん、海外では台湾・シンガポール・イギリス等で、同協会の認定講師、約700人が、絵本読み聞かせのプロフェッショナルとして活躍している。著書に、『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』(パイインターナショナル)がある。

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