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ワーケーション利用におすすめ!ジンの蒸留所やコワーキングスペースが入居する千葉県館山市の複合施設「TAIL」

2021.08.07

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

段ボール会社のビルをリノベーションした、ジンの蒸留所もあるユニークな施設

千葉県・館山駅。海に向かう車が渋滞を成している中、駅周辺は人通りも少なく閑散としていた。駅周辺のビルも老朽化した建物が多くひなびた町並みという印象はぬぐえない。

こうした状況から館山市では2018年より、既存の建物や空間などを活かし、性能を向上させて付加価値をプラスしたリノベーションと、まちづくりと掛け合わせた「リノベーションまちづくり」の取り組みを開始。館山駅東口から六軒町本通りにかけたエリアに、ホテル、カフェ、シェアオフィスなど、リノベーションした個性的な店や施設が増えつつある。

今年5月にオープンした「TAIL(Tateyama Area Incubation Lab)」は、移転後、8年ほど空き家になっていた段ボール会社のビルをリノベーションした複合施設。1階は「CAFE&BAR TAIL」とジンの蒸留所「TATEYAMA BREWING」、2階はゲストハウス「tu.ne.HIGORO」、3階はコワーキングスペースで構成されている。

TAILの発起人で“大家”の建築士・大田聡さんは、地域おこし協力隊に委嘱し、館山市のリノベーションまちづくりにも関わり、「TATEYAMA BREWING.inc」代表取締役でジンの蒸留も手掛ける。2階のホテル部分を除き、1年かけて自らの手でこつこつとリノベーションを進め、現在も3階ミーティングスペースのリノベーションが進行中だ。

大田さんは6年ほど前に東京で設計事務所を独立した際に、初めて空き家問題を知り、空き家マッチングコミュニティ「AKIYA STOCK」の取り組みを始めた。

「設計士は造る側であり、住まなくなった家のことは考えたことがなかったのですが、空き家問題を知っていくと、設計士が取り組む問題だと思いました。また、1戸の空き家を解決するのではなく、地域全体で解決すべき問題だとわかってきました。意識が地域に向かい、そのタイミングでリノベーションまちづくりの仕掛人でもある、tu.ne. Hostelオーナーの漆原秀さんに、地域おこし協力隊という市の委託業務の募集を教えていただき、それを機に館山に移住しました。

リノベーションまちづくりを推進することがきっかけとなり、自分でもやってみようと融資を受けてこちらの物件を取得。壁、床、什器など手作業でリノベーションを進めていきました。

館山に来て驚いたのは、DIYが盛んだということ。マニアックな建材を一般の方が普通に知っていたり。移住者も多く、日本で唯一木製サーフボードを作っている方など、面白い人たちが集まっている所です。館山・南房総・鴨川・鋸南町を入れても人口10万人程度なので、回転率の高さを求められるチェーン店が進出しにくいためか、個人経営のコーヒーショップが多く、六軒町本通り沿いだけでも自家焙煎している店が3軒もあります。ゆっくりとした時間が流れる館山を総称して僕らはDIY文化と呼んでいます」(大田さん)

〇「CAFE&BAR TAIL」(1F)

内装に使っている木材は解体の時に出る廃材を再利用。木材がふんだんに使われ、入った瞬間に木の香りが漂う。カフェのスタッフは、リノベーションまちづくりの活動のひとつ「リノベーションスクール」の1回目の受講生とのことで、昼のカフェ営業は彼女たちが担当し、夜のバーは大田さん自らカウンターに立つ。カフェメニューはテイクアクトも可能。スタッフ手作りのグルテンフリーの焼菓子や、地元のクリエイターが作った段ボール製財布やアクセサリーも販売している。

カフェのおすすめは日替わりのフォカッチャ。ドリンク付き「ボリュームフォカッチャセット」(1000円・店内のみ)は野菜たっぷりのプレートで、写真は「豚肉のクミン香るヨーグルト和え」のフォカッチャと、発酵ドリンク(単品450円、セットの際は+100円)の「米酢フルーツソーダ」。

バータイムは「TATEYAMA GIN」を使ったジンメニュー各種(各600円)や、クラフトビールも地元色豊かで、「TAIL ALE」(700円)は大田さんが仕込んだオリジナルビール。「AWA BEER」(2種/各600円)は地元・安房麦酒のクラフトビール。

館山市の須藤牧場のアイスを使った「生シェイク祭」というイベントが10月末まで開催中で、TAILのバーでも「クラフトジンシェイク」(900円)とノンアルの「クラフトコーラシェイク」(650円)の2種を提供している。

〇「TATEYAMA BREWING」(1F)

カフェ&バーの裏側にある蒸留所は、蒸留器を2台備えたラボのような雰囲気。工事現場の仮囲いや廃材などを使いこちらもDIYで作られている。「TATEYAMA BREWING」は、クラフトビールやリキュールを製造しているブルワリー「羽田麦酒」の鈴木祐一郎さんが取締役を務め、蒸留所では大田さん自身がジン造りを行っている。

「もともと酒造りは全くの素人でしたが、パートナーの鈴木から指導を受けてジンの蒸留を始めました。酒造りのきっかけは冗談みたいな話ですが、『建物はTAILビルか、テールビル、テールビール……なんだかお酒っぽい名前だな』と、ビール造りを思いつきまして(笑)。アルコール度数が1%未満だったら自家製で作ってもいいので、試しに作ってみたら面白かった。もともと理系出身なので、パラメーターで実験するみたいなモノづくりが好きだったのでハマってしまいました。

鈴木から『ビールはうちに来て作れるから、ビルの中で蒸留酒をやったら面白いんじゃないか』と提案があり、鈴木がビールとリキュール免許を持っていたので、TAILではジンの製造をすることになりました。酒造りは素人なので、ひたすら造ることで経験を積んでいき、10日間連続、1日2回製造するというストイックな特訓もやりました」(大田さん)

白いラベルは素材を単品蒸留する「エレメントシリーズ」。19種類の素材(エレメント)をそれぞれ単品で蒸留して作られるジン。季節に合わせた旬のボタニカルをラインナップし、一部、鴨川、南房総の地場素材も使用している。購入者がそれぞれの蒸留酒を自由にセレクトし、好きな分量を入れてブレンドする、自分だけのカスタマイズブレンドを作ることもできる。

素材は、ジュニパーベリー、アンジェリカルート、リコリス、コリアンダー、カルダモン、クローブ、シナモン、ブラックペッパー、ジンジャー、山椒、クロモジ、煎茶、アールグレイ、レモンピール、オレンジピール、レモングラス、カモミール、キャラウェイ、タイムの19種類。200ml で価格は1980円~ 2090円。

赤いラベルはブレンド済みの「ブレンドシリーズ」。複数のエレメントをブレンドしたスピリッツ。「JUNIPER」「SPICY」「FLORAL」「FRUITY」「SPECIAL」の5つのパラメーターによってテイストを表現している。オリジナルブレンド「001」は「FLORAL」「FRUITY」が強調され、初心者でも飲みやすいフルーティーなテイストにブレンド。「002」以降も順次製造予定。

オリジナルブレンド「001」は200ml ・2200円。

ボトルデザインは「301inc.」が担当。「館山は独立文化圏なので独自の文字があってもいいのではないか」と、独自に開発された「館山文字」を採用している。

「TATEYAMA GIN」は店頭での販売のほか、ネット販売も行っている。

〇「tu.ne.HIGORO」(2階)

TAILビルの真向かいにあるゲストハウス「tu.ne.Hostel」の別館。全6室で、男女共用と女性専用のシャワー、トイレ、洗面所、シェアキッチン、リビングがある。キッチン&リビングからは向かいの「tu.ne.Hostel」が目の前に。「糸電話があると便利かも(笑)」(大田さん)。

部屋ごとに異なる海外製の壁紙を使用、南房総市にある「shine seed」のプランターがディスプレイされた、こぢんまりとしているが、落ち着く空間に仕上がっている。

〇コワーキングスペース(3階)

現在もリノベーション進行中で今年の9月ごろに稼働予定とのこと。

「ハンモックも置こうかなと考えています。都会では仕事に集中する場でも、ここでは館山の時間が流れています。遊びの延長として仕事をしてもらいたいという場所を目指して、『日本一仕事をしないオフィス』にしたいですね」(大田さん)。

床のフロ―リングも1枚ずつ貼っていったとのことで、現在は元オーナーの居住部分であった和室をそのまま活かして、ミーティングスペースにすべく改装中。

【AJの読み】「ひねもすもたり」したくなる居心地の良い場所

屋上は一般には開放していないが、周囲に高い建物がないため富士山を望むことができる。

「海に沈みゆく夕日と富士山の絶景が楽しめて、ダイヤモンド富士が見えることもあります。いずれは屋上も整備して開放したいと思っています。また、コロナが収束したら、蒸留のワークショップも計画しています。ここは、自己実現ができる、やりたいことがやれる場所にしていきたいですね」(大田さん)

移住者が増えて、独自の新しい文化が生まれている館山らしい感度の高い施設を想像していたが、実際にTAILを訪れると、良い意味で裏切られたという感じだった。大田さんがこつこつと造り上げてきた手造りの温かさを随所に感じ、建築の際に出てしまう廃材や、ビルに残されていた調度品や什器も活用したサステナブルな施設でもある。

「循環」の思想から、ジンを蒸留した後に出る残液も有効活用。地元にある「天然色染屋 古今」が帆布に残液を使って染色、蜜蝋をかけて、カトラリーマット(下記画像)やエプロン(大田さん着用)に仕上げている。今後は「ジンからできたバッグ」として物販も計画しているとのこと。

「さまざまな、コト・人のつながりがある地域。東京ではなかなか会えないような、良い意味で一癖あるような人が集まっていて、40~50代の人が多いですが、みなさんエネルギッシュで、僕も元気をもらっています」(大田さん)

3階のコワーキングスペースは窓を開けると、海風が心地よく通り抜ける。「日本一仕事をしないオフィス」というのが納得できそうな、仕事なんて放りだして海に行きたくなる、危険なコワーキングスペースかも(笑)。

文/阿部純子

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