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相続税が上限の55%になる遺産額は?覚えておきたい課税の仕組みと納付方法

2021.09.25

相続税には累進課税制度が採用されており、2021年8月現在の最高税率は55%です。相続予定がある人は税率について確認しておくと相続税の計算がスムーズになるでしょう。相続税が課税される仕組みや計算方法・納付方法まで紹介します。

相続税とは?仕組みを解説

相続税の主旨は『資産の再分配』『経済格差の固定化防止』にあるといわれています。相続税の納付義務が発生するかどうかはケース・バイ・ケースですが、相続税の概要について知っておくことは有益です。

相続税とはどのようなものなのか、基本の仕組みについて見ていきましょう。

相続した財産額に応じてかかる税金

相続税とは、財産を残す故人『被相続人』から相続した遺産のうち、一定以上の金額に課せられる税金です。

課税対象は被相続人の財産全てで、主に以下を全て合わせた総額に基づいて計算されます。

  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 不動産
  • 価値の高い動産
  • 著作権
  • 特許権
  • 負債など

相続税には『基礎控除』という国が定めた非課税のボーダーラインがあります。

遺産総額が『3000万円+(相続人の数×600万円)』までは税金がかかりません。例えば、相続人が3人の場合、基礎控除は4800万円です。遺産総額が4800万円以内なら相続税の納付は不要です。

負債がある場合は遺産総額から差し引いて計算できます。『遺産総額>基礎控除』の場合でも、『遺産総額-負債<基礎控除』であれば相続税は発生しません。

参考:相続税について教えてください。 : 財務省

財産を受け取った個人に課税

遺産総額が基礎控除を超えた場合、相続税を納付する義務を負うのは、被相続人の遺産を引き継ぐ『相続人』です。

被相続人が遺言書で指定している場合は、その人が相続人となります。

一方で、遺言書がないとき遺産を相続するのは、民法の定める『法定相続人』です。配偶者と血縁関係にある親族が該当し、血縁関係により以下のように順位が定められています。

  • 第1順位:子どもや孫(直系卑属)
  • 第2順位:父母や祖父母(直系尊属)
  • 第3順位:兄弟姉妹

相続税は外国籍を持つ人にも課される点に注意が必要です。亡くなった人や相続人が日本国籍を持っていなくても、被相続人(故人)が日本に住所があったなら納税しなければなりません。

死亡時に日本に住んでいない場合は、相続が発生する一定期間以内に日本の住所があったときにのみ課税されます。

参考:No.4102 相続税がかかる場合|国税庁
参考: Q10 外国籍の方が亡くなった場合、相続税を納める国は?|名古屋で相続税申告の税理士なら,名古屋市の相続税専門税理士に|愛知県

非課税となる財産

遺産の中には、相続税の課税対象とならないものがあります。非課税となるのは次の財産です。

  • 墓地や墓石・仏壇・仏具・神を祭る道具など
  • 公益を目的とする事業に使われることが確実なもの(宗教・学術・慈善など)
  • 心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利
  • 生命保険金の一部
  • 退職手当金等の一部
  • 個人で経営している幼稚園の事業に使われていた財産
  • 国又は地方公共団体や公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄附したもの

このうち、生命保険金と退職手当金については『500万円 × 法定相続人の数』までが非課税対象です。幼稚園事業については相続人が事業を継続することが必須で、一定の条件を満たした場合のみ非課税となります。

参考:No.4108 相続税がかからない財産|国税庁

相続税の最高税率は55%

(出典) photo-ac.com

相続税の税率は、相続する遺産の金額によって変わります。相続税に適用される課税制度や最高税率になる条件を押さえておくと、自分のケースでどの程度の税額になるのかが把握しやすくなるはずです。

相続額が多いほど税率が上がる「累進課税」

『累進課税制度』とは、課税対象となる金額が大きいほど、高い税率が適用される制度です。

多く得た人には多く・少なく得た人には少なく課税することで、一部の人に富が集中するのを防ぎます。相続税にも累進課税制度が適用されており、受け取る額が多い人ほど高額の相続税を課せられる仕組みです。

累進課税制度には『単純累進課税』『超過累進課税』があり、相続税では超過累進課税が適用されます。課税対象が一定額を超えた場合、超えた金額に対してのみ高い税率を適用する制度です。

最高税率になるのは相続額6億円超

相続税の税率は相続人の取得金額に合わせて10~55%まで適用されます。最も高い税率が適用されるのは、取得金額6億円超のケースです。税率表は以下の通りです。

各法定相続人の取得金額 税率(改正後) 控除額
~1000万円以下 10%
1000万円超~3000万円以下 15% 50万円
3000万円超~5000万円以下 20% 200万円
5000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1700万円
2億円超~3億円以下 45% 2700万円
3億円超~6億円以下 50% 4200万円
6億円超~ 55% 7200万円

法改正が行われた2015年以前の最高税率は50%でしたが、現在は55%に変更されています。併せて取得金額が2億円超3億円以下の税率についても40%から45%に引き上げられました。

参考:No.4155 相続税の税率|国税庁
参考:相続税改正 - 国税庁

実際にかかる相続税はいくら?

(出典) photo-ac.com

相続税は、取得した金額に規定の税率を掛ければよいという単純なものではありません。定められた手順に従って税額を算出しましょう。相続税が発生しないケースや実際の計算方法を紹介します。

相続税が発生しない条件

遺産総額が、基礎控除額以下なら相続税はかかりません。

基礎控除額は『3000万円+(相続人の数×600万円)』ですから、これを超えるかどうかが納付の要・不要を判断するポイントです。

基礎控除額に収まるかを判断するときに確認したいのが、『特例』や『控除』を適用するかどうかです。一定の要件をクリアしていれば、以下の特例・控除を適用して相続税の負担を減らせます。

  • 未成年者控除:10万円×相続から20歳になるまでの年数が差し引かれる
  • 障害者控除:10万円×相続から85歳になるまでの年数(一般障害者)
  • 配偶者の税額軽減:1億6000万円以下は非課税
  • 小規模宅地等の特例:定められた限度までの面積について相続財産としての評価額を下げる

上記の適用により、遺産総額が基礎控除額を下回った場合は、相続税を納付する必要はありません。

ただし『配偶者の税額軽減』『小規模宅地等の特例』は、相続税の申告書の提出をもって適用されます。納税が必要なくいからといって、提出を怠らないように注意しましょう。

参考:No.4164 未成年者の税額控除|国税庁
参考:No.1160 障害者控除|国税庁
参考:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

税額の計算方法

実際に相続税を計算するときは、法律に定められたあん分の割合・税率を適用します。一例として、1億円の遺産を配偶者・子ども2人で分けた場合について計算してみましょう。

初めに、遺産総額から基礎控除額を引き、課税対象となる金額を算出します。

  • 1億円-(3000万円+600万円×3)=5200万円
  1. 課税対象となる遺産総額を、各法定相続人が『法定相続分通り相続した』と仮定してあん分する
    配偶者:5200万円×1/2=2600万円
    子ども:5200万円×1/4=13000万円
    子ども:5200万円×1/4=13000万円
  2. 金額に応じた税率と控除額を適用して個々の税額を計算する
    配偶者:2600万円×15%―50万円=340万円
    子ども:1300万円×15%-50万円=145万円
    子ども:1300万円×15%-50万円=145万円
  3. 全員の税額を合計する
    340万円+145万円+145万円=630万円
  4. 実際の相続割合であん分する
    配偶者:630万円×1/2=315万円
    子ども:630×1/4=157.5万円
    子ども:630×1/4=157.5万円

あん分の元となる法定相続分は、被相続人との関係により異なります。例えば、配偶者・子ども2人が相続人である場合の比率は、『配偶者1/2』『子ども1/2』です。

上記の場合は子どもが2人いるため、1/2分を子ども2人で割って計算しています。

参考:財産を相続したとき|国税庁

相続税を納付する方法

(出典) photo-ac.com

相続税額が確定したら、申告書を作成して納付を行います。相続税の納付については期限や申告書の提出場所が決まっています。前もって準備をしてスムーズな納付に努めましょう。

相続人全員がそれぞれの課税額を払う

自身が相続した遺産については、個人で相続税の申告を行います。

同じ家族でも受け取った金額が同じとは限りません。相続税は受け取った遺産の額に応じて課税されるものですから、個々で行う必要があるのです。

とはいえ、相続人に何らかの事情がある場合は、代表者が相続税をまとめて納付するケースもあるでしょう。代理で払ってもらった分は後日返済すれば問題ありません。

問題なのは、肩代わり分を返済しないケースです。

肩代わり分は『みなし贈与財産』となり、贈与税の課税対象となります。その年(1月1日から12月31日まで)贈与を受けた財産が110万円を超えた場合、肩代わりしてもらった人には贈与税が発生します。

納付期限

法律では、相続税の納付期限について『相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月目の日』と定めています。

例えば、被相続人が1月11日に亡くなった場合、相続税の申告期限は同年の11月11日となります。土日祝日に当たる場合は次の平日が納付期限日です。

相続税は、被相続人の住所地を所轄する税務署に納付しなければなりません。管轄の税務署が分からない場合は、下記にある国税庁のホームページから検索しましょう。

税務署の所在地などを知りたい方|国税庁

参考:「相続税のあらまし」|国税庁

支払い方法

相続税の申告書を提出したら、自身で納付書を作成して申請した金額を納付します。相続税の納付方法は以下の通りです。

  • 金融機関
  • コンビニ
  • クレジットカード
  • 税務署

一般的なのは、銀行や郵便局などの金融機関です。

コンビニでの支払いは便利ですが、納付できるのは30万円以下と定められています。作成した納付書を持って税務署に行き『バーコード付納付書』を発行してもらう必要があります。

クレジットカードは、国税庁の「国税クレジットカードお支払いサイト」にて決済を行います。領収書の発行がされないこと、納付税額に応じて決済手数料がかかる点には注意しましょう。

税務署で納付する場合は、支払い先が相続税の申告を行った税務署に限定されます。相続人が被相続人の住所から遠い場所に住んでいる場合は難しいかもしれません。

国税クレジットカードお支払サイト|国税庁

相続税が支払えないときの対処法

(出典) photo-ac.com

不動産などを相続した場合、相続税額が思いがけず高額になることがあります。納付できる資金が手元にないとき、どのように対処すべきなのでしょうか。

相続税が支払えないときの対処法について紹介します。

延納制度を利用する

相続税を一括納付できない場合は『延納制度』を利用する方法があります。

延納制度は、相続税を分割納付することで、納付期限を最大で20年まで延長できる制度です。相続人が以下の要件を満たしているなら利用できます。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 納付期限までに支払えない理由が認められる
  • 現金やクレジットカードで支払うのが難しい金額の範囲である
  • 『延納申請書』と『担保提供関係書類』を期限までに提出する
  • 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供する(延納税額100万円以下かつ延納期間3年以下の場合は不要)

延納制度は、利子が発生するのがデメリットです。延納が認められる期間や利子は相続財産に占める不動産の割合で決定します。

不動産の割合が大きいほど、長期の延納期間が認められます。ただし、支払う期間が長くなるほどトータルの納付額が大きくなるため、活用するかどうかは慎重に判断しましょう。

参考:相続税・贈与税の延納の手引|国税庁
参考:No.4211 相続税の延納|国税庁

現金以外の財産を物納する

延納も難しい場合は不動産や有価証券といった『現金以外の資産』で納税する方法があります。

『物納』と呼ばれており、延納制度を使っても現金やクレジットカードなどで納付できない理由がある場合のみ認められる制度です。

相続する遺産の中で日本にあり、次の種類に該当する資産が物納に使えます。

  • 第1順位:国債・地方債・不動産・船舶
  • 第2順位:社債・株式・証券投資信託(又は貸付信託の受益証券)
  • 第3順位:不動産

物納の際の不動産評価は、市場評価とは異なる点に注意が必要です。物件や土地によっては、市場価格よりはるかに低い価格が付くこともあります。

また、抵当権が付いているなど、不適格な財産も物納には使えません。物納の申請期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10カ月以内です。

    ただし、物納は相続税を支払えない場合の選択肢ではあるものの、実際に適用が認められるケースは減少しています。不動産を相続税として納めるよりは、売却で得た現金を納める方が現実的な選択かもしれません。

    参考:No.4214 相続税の物納|国税庁

    金融機関から借り入れる

    延納や物納の他に考えられる対処法が、金融機関へ融資を依頼する方法です。

    不動産を担保に借り入れると、ローンの利率を低く抑えられる可能性があります。利率が低ければ延納よりトータルコストは安価になるでしょう。

    ただし、不動産を担保にしてローンを組む場合は、相続登記が終わっていることが必須条件です。

    『相続登記』とは、被相続人名義の不動産を相続人名義に変更する手続きです。どのような不動産も名義変更なしでは権利の移行が確定しません。

    相続する土地がまだ被相続人名義なら、早急に登記簿を書き換えましょう。

    参考:相続税・贈与税の延納の手引|国税庁

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