実験 短時間であれば、子どもを車内に残しても安全?
JAFが実施した車内温度の検証テストによると、気温35℃の炎天下に駐車した車内の熱中症指数は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達した。
また、車を日陰に駐車していたとしてもその車内温度の差はわずか7℃で、駐車場所に関わらず外気温が高温である場合は注意が必要だ。
JAF愛媛支部は、年間で最も気温が上昇するこれからの時期にあわせて、昨年度の子どもを車内に残したままのキー閉じこみ救援件数を公開し、車内熱中症事故予防を呼びかけている。
2020年4月1日~2021年3月31日の1年間、JAF愛媛支部が出動した「キー閉じこみ」の救援1,591件のうち、子どもが車内に残されたままであったケースは43件あった。
その中には、「車から短時間離れる要件があり、車中の子どもにおもちゃ替わりにリモコンキーを持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」「車内に寝かせていた子どもが起きて伝い歩きしながらドアロックボタンを押してしまった」というものも。
今回コンビニやスーパーなどの駐車場に子どもを車内に残した状況を想定して、熱中症の危険度を測定した。
熱中症指標計(写真中央)を用いて、WBGT(熱中症指数)※を算出
※WBGT(熱中症指数)とは
人体の熱収支に影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算する。暑さ指数ともいう。
気温35℃の屋外に駐車した車内の熱中症指数(WBGT-人体の熱収支に影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標)の推移
乳幼児は体温調節機能が未発達であり、特に注意が必要だ。「少しの時間だから」「寝ているから」といって車内に子どもを残したまま車を離れることは、「キー閉じこみ」のトラブルとならなくても、熱中症を引き起こし、命に係わる事故になりかねない。
また、高齢者は加齢にともない体温調節機能が低下するため注意が必要。あわせて、ペットなども、人間同様、車内に残して車を離れることは決してしないほうがいいだろう。
構成/ino.