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準備は早めに!相続税申告書の提出するまでの流れと正しい書き方

2021.09.19

一定額以上の遺産を相続すると、相続税が発生するケースがあります。この場合は速やかに『相続税申告書』を作成し、税務署に提出しなければなりません。相続税申告書を提出するまでの流れや注意点・書き方について詳しく紹介します。

「相続税申告書」を提出するまでの流れ

『相続税申告書』とは、相続税を納付する義務がある人が、税務署に提出する書類です。納税の義務が発生する人は書類を作成し、相続税を納付しなければなりません。

まずは相続の発生から申告書の提出までの流れを見ていきましょう。

【1】相続する権利がある人を探す

相続税の申告をするためには、まず相続する権利を持つ人を確定しなければなりません。後に『遺産分割協議』を行って、相続財産の具体的な分け方を決めるためです。

亡くなった人『被相続人』が遺言書で相続人を指定していなかった場合は、法律により定められた『法定相続人』が財産を相続することとなります。

『配偶者は常に法定相続人となる決まり』で、他は以下のように順位が定められています。

  • 第1順位:子ども(子どもが死亡している場合は孫など)
  • 第2順位:親・祖父母(直系尊属)
  • 第3順位:兄弟姉妹

遺産相続では、相続人からの自己申告は認められません。被相続人の『出生から死亡までの戸籍』を取得して、相続する権利のある人を調査します。

仮に、亡くなった人が死亡時の配偶者と結婚する前に認知した子どもがいれば、相続人に含める必要があります。

相続の権利がある人が抜けた状態で行われた協議は無効となるため、しっかりと調査を行うことが大切です。

参考:相続税のあらまし|国税庁

【2】資産や負債の調査・確定

遺産があるからといって、必ずしも相続税が発生するわけではありません。

『相続税がかかるのは、一定額以上の遺産を相続する場合』に限られます。そのため、遺産に資産や負債がどの程度あるのかを調査する必要があります。

相続人が確定したら遺産を調べ、財産目録にまとめましょう。このときプラスの財産(資産)・マイナスの財産(負債)に分けて記すと、全体を把握しやすくなります。

種類ごとの調査方法は以下の通りです。

  • 不動産:『登記簿謄本』または、役所から送付される『固定資産税納付書』で確認
  • 預貯金:金融機関が発行する『残高証明書』
  • 株式・国債・投資信託など:証券会社に『残高証明書』の開示を求める
  • 債務:通帳の定期的な引き落としや督促状で確認
  • 価値の高い動産:車・宝石など
  • 生命保険:『保険証券』や『生命保険料控除証明書』で確認

債務は漏れがないよう信用機関でローンの残債についても確認し、早めの把握が必要です。負債が多すぎるようであれば相続の放棄も可能です。

参考:本人開示の手続き | 全国銀行個人信用情報センター | 一般社団法人 全国銀行協会
参考:ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合|証券保管振替機構

【3】「遺産分割協議」の実施

被相続人の遺産総額を把握した後は、相続人全員が集まって相談し、遺産の帰属先を決定します。これが『遺産分割協議』です。

協議では亡くなった人の遺産について、誰がどの遺産を引き継ぐのかを話し合います。話し合いの結果、全員の合意が得られれば、協議は終了です。

遺産分割協議を開くとき必須となるポイントは以下の2点です。

  • 相続人全員が参加する
  • 『遺産分割協議書』を作成する

相続人が1人でも欠けていると協議は無効になります。被相続人の戸籍をさかのぼって確定した相続人には、必ず参加してもらいましょう。

また、遺産分割に合意しても、口頭のみの取り決めではトラブルが発生する恐れがあります。

「いつ・誰が・どのような内容で合意したのか」を『遺産分割協議書』に残し、協議の有効性を担保しておくことが重要です。

「相続税申告書」の提出が必要になるケース

(出典) photo-ac.com

遺産を整理した結果『相続税が発生する』と分かったら、相続税申告書の提出が必要です。どのようなケースで相続税申告書の提出が必要とされるのか、具体的に見ていきましょう。

遺産総額が「基礎控除」を超えた場合

相続税の『基礎控除』とは簡単に言うと「ここまでなら相続税がかからない」と国が定めた金額です。

『遺産総額-基礎控除』の計算をすれば、相続税がかかるかどうかの判断ができます。

遺産が基礎控除額の中に収まっていれば相続税はかからず、相続税申告書を提出する必要もありません。

一方で、遺産が多く基礎控除を超える場合は、超過した金額に対して課税がなされます。この場合は相続税の納付義務が生じ、相続税申告書を提出しなければなりません。

また、『小規模宅地等の特例』や『配偶者の税額軽減』制度を利用する場合も、相続税申告書の提出が必要になります。

参考:No.4205 相続税の申告と納税|国税庁

相続税の「基礎控除額」の計算方法

相続税の基礎控除額の計算は以下の式で行えます。

  • 3000万円+(600万円×法定相続人の数)

例えば、法定相続人が4人いる場合、基礎控除額は『3000万円+2400万円=5400万円』です。被相続人の遺産総額が5400万円を超えなければ、相続税は課税されません。

一方で、被相続人の遺産総額が6000万円あった場合は、基礎控除額より600万円分オーバーしていることになります。超過した600万円が課税対象となるため、相続税申告書を作って提出する必要があります。申告書に記載した税額に基づいて、相続税を納付します。

参考:No.4152 相続税の計算|国税庁

「特例」や「税額控除」の適用を受ける場合

基礎控除を超えた遺産を相続する場合でも、『特例』や『税額控除』といった措置を受ける場合は、相続税の納付義務は発生しません。

しかし、以下の特例・税額控除は『相続税申告書を提出しないと適用されない』点には注意が必要です。

  • 『小規模宅地等の特例』:住宅や事業に使用していた宅地などの評価額を減額できる
  • 『配偶者の税額軽減』:民法の規定による配偶者は遺産について1億6000万円まで課税されない

相続税の特例や税額控除は、一定の条件を満たした人のみが適用される特別な措置です。

一方、適用の要件に申告書の提出が含まれない税額控除としては、次のような種類が挙げられます。

  • 未成年者控除
  • 障害者控除

これらの適用で相続額が発生しない場合は、相続税申告書を提出する必要はありません。

参考:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

「相続税申告書」の提出時期はいつ?

(出典) photo-ac.com

相続税を納付する義務が生じた場合は『相続税申告書』を作成して提出しなければなりません。提出の期限や場所は決まっているため、早めに準備を進める必要があります。

正しく相続税を納められるように詳細を確認していきましょう。

相続の発生を知った日の翌日から10カ月以内

現在の法令では、相続税の申告は『被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内に行う』と定められています。

期限を過ぎると税法上の優遇措置が受けられなかったり、延滞税を課せられたりといったデメリットが生じるため注意が必要です。

『相続の発生を知った日』とは、財産を残す人が亡くなった日です。失踪・生死不明の状態を除き、医師が死亡診断書に記載した死亡日が相続開始日となります。

例えば、被相続人が1月8日に亡くなった場合は、同年11月8日が相続税の申告期限です。

参考:No.4205 相続税の申告と納税|国税庁

提出先は被相続人の住所地を所轄する「税務署」

相続税申告書の提出先は『亡くなった人が住んでいた住所地を所轄する税務署』と定められています。相続人がそれぞれ離れたところに住んでいても、相続税申告書の提出はみな同じです。

ただ、自宅ではなく病院や老人ホームなどで亡くなるケースがあるかもしれません。病院で亡くなった場合は、入院前の自宅を住所地と見なします。自宅所在地を管轄する税務署で納税しましょう。

一方、老人ホームの場合そこが『終のすみか』と考えられ、老人ホームの住所地を管轄する税務署に行くのが一般的です。税務署は国税庁『税務署の所在地などを知りたい方』から検索できるので、提出先の把握に役立てましょう。

税務署の所在地などを知りたい方|国税庁

相続税申告書の提出期限までに必要な手続き

(出典) photo-ac.com

法的なタイムリミットが決まっている以上、相続税申告書の提出はスムーズかつ計画的に進めていかなければなりません。滞りなく申告が済むよう、時期別に必要な手続きを確認しておきましょう。

【4カ月以内】「所得税」の申告と納付

被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡日までに一定以上の収入があった場合は、『準確定申告』が必要です。

準確定申告とは、相続人が代理で行う確定申告で、被相続人の死亡から4カ月以内に行う必要があると定められています。

ただし、亡くなった人の収入状況が以下のケースに該当する場合は、準確定申告の必要はありません。

  • 1カ所からの給与所得のみで、2000万円を超えていない場合
  • 年金を受給していて受給額が400万円まで・その他の所得は20万円まで

準確定申告の計算方法は、通常の確定申告と同じですが、控除等は『被相続人の死亡の日までに支払ったもの』が対象です。

被相続人の死後に支払った医療費や社会保険料・生命保険料は控除の対象となりません。

参考:No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)|国税庁

【3カ月以内】相続放棄手続き

相続放棄ができるのは、被相続人の死亡から3カ月以内です。期限を過ぎると相続放棄は認められず、プラス・マイナス全ての遺産を相続することになります。

負債が多く、相続すると不利益が大きいと分かっている場合は、早急に相続放棄の手続きに取り掛かる必要があるのです。

相続放棄するときは、亡くなった人が住んでいた地域を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。申し立て先の家庭裁判所が分からない場合は『裁判所の管轄区域』のサイトから検索可能です。

申し立ての書類は様式が決まっています。『相続の放棄の申述書(20歳以上)』からダウンロードして、家庭裁判所に提出しましょう。記入例もあるため、見ながら記載すれば、書類の作成はそれほど難しくはありません。

裁判所の管轄区域 | 裁判所
相続の放棄の申述書(20歳以上) | 裁判所

参考:相続の放棄の申述 | 裁判所

「相続放棄申述受理証明書」を用意

『相続放棄申述受理証明書』とは、相続放棄が認められたことを証明する書類です。

亡くなった人が借金していた金融機関に『自分は負債を受け継いでいない(返済義務がない)と証明するとき』『他の相続人が不動産の名義変更をするとき』に必要となります。

以下を用意して家庭裁判所に提出することで発行してもらえます。

  • 申請書(裁判所『その他の申請』からダウンロード可能)
  • 本人確認書類または、利害関係が証明できる書類(相続関係図など)
  • 1件につき150円分の収入印紙
  • 切手付きの返信用封筒(郵送の場合)

相続放棄した本人だけでなく利害関係がある人なら誰でも申請が可能です。

一方、相続放棄の手続きをすると届く『相続放棄受理通知書』は、相続放棄した本人のみに届きます。

その他の申請 | 裁判所

参考:相続の放棄の申述 | 裁判所

提出までに用意が必要な添付書類

(出典) photo-ac.com

相続税の申告に必要な添付書類は、大きく分けて『身分証明に関する書類』『遺産分割に関する書類』『財産に関する書類』『負債に関する書類』『その他の書類』があります。

必要な書類は状況によって異なるため、自身の相続では何が必要となるのかを把握しておきましょう。ここでは『全員提出が必須の書類』と『場合によっては必要な書類』を紹介します。

全員提出が必要な書類

どのような遺産を相続するにせよ、『身分証明に関する書類』『遺産分割に関する書類』は必ず提出しなければなりません。

具体的には以下のものが必要となります。

≪被相続人に関するもの≫

  • 被相続人の出生から死亡まで連続した戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票
  • 遺言書又は遺産分割協議書の写し

≪相続人に関するもの≫

  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍の附票
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続人全員のマイナンバーを確認できる書類
  • 相続人全員の身元確認書類

戸籍謄本については、被相続人の死亡日から10日経過した後に作成されたものが有効です。相続人全員の印鑑証明書は、遺産分割協議書に押印した印鑑の証明書でなければなりません。

マイナンバーカードや運転免許証などといった『個人を確定できる書類』も必要です。

参考:相続税の申告の際に提出していただく主な書類|国税庁

条件によって提出が必要な書類

相続する財産の種類によっては、証明書や明細の提出を求められるケースがあります。内容はそれぞれ異なるため、事前に『国税庁のチェックシート』で確認しておくのがおすすめです。

また、控除や特例の適用を希望する場合は、適用要件として定められている書類も併せて提出しなければなりません。

例えば『配偶者の税額軽減』を適用する場合は、次の書類が必要となります。

  • 遺言書または遺産分割協議書の写し
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 申告期限後3年以内の分割見込書(申告期限内に遺産の分割ができない場合のみ)

葬儀費用は、遺産総額からの控除が認められています。申告時には葬儀費用を差し引いた金額を記載し、葬儀にかかった費用や花代・飲食代などの領収書を添付しましょう。

他に『小規模宅地等の特例を適用する』『生前贈与を受けていた』『事業継承する』などのケースも、別途書類を用意する必要があります。

相続税の申告のためのチェックシート(令和元年分以降用)|国税庁

参考:手続名]相続税の申告書の提出期限から3年以内に分割する旨の届出手続|国税庁
参考:No.4129 相続財産から控除できる葬式費用|国税庁

相続税申告書の書き方

(出典) photo-ac.com

相続税申告書には定められた様式があり、どの種類の財産を相続するか・控除を適用するかで記載する書類が異なります。

一般的な相続での書き方とポイントを、申告書の内容と併せて確認していきましょう。

申告書は第1表から第15表まで

相続税申告書は第1~15表までありますが、全て記載する必要はありません。

納税猶予などの特例を受けない『一般』の場合は、22の書類に記載することになります。全員が提出しなければならないのは以下の5表です。

  • 第1表:相続税の申告書
  • 第2表:相続税の総額の計算書
  • 第11表 :相続税がかかる財産の明細書(相続時精算課税適用財産を除く)
  • 第13表:債務及び葬式費用の明細書
  • 第15表 :相続財産の種類別価額表

第1表は、相続税の申告書の提出分と控えです。第2表には相続税の総額を計算したものを記します。

第11表には基礎控除を差し引いた課税分の遺産を記載しましょう。負債や葬式費用など財産から引かれる金額は第13表に書き入れます。第1表や第2表は相続額が確定してから記入する書類です。

一般的なケースでは第9表から第15表種にある、相続税を計算するための内訳項目に関する書類も提出することになります。控除を受ける場合は該当する表も提出しましょう。

参考:相続税の申告書等の様式一覧(令和3年分用)|国税庁

第9表から書き始めるのがおすすめ

相続には、相続人の確定や協議・遺産の調査など多くの手続きがあります。

申告書はどの表から書いても問題ないため、早めに分かる項目から記載していくのがおすすめです。相続財産の計算を個別に行う第9〜15表までを先に書いた方が分かりやすいでしょう。

第9表『生命保険金などの明細書』では、受け取った生命保険などの保険金の額から非課税になる分を差し引いて、課税金額を算出します。明細には保険会社の住所や社名・受け取った人の氏名・受け取り年月日の記載も必要です。

第10表は『退職手当金などの明細書』、第11表は『相続税がかかる財産の明細書』などと続きます。該当する相続財産があれば、それぞれ明細と課税金額を記載していきましょう。

全て書き終わったら、第15表に遺産の種類ごとに出した金額を記載して、最終的な相続額を記す第2表・総まとめに当たる第1表を作成するとスムーズです。

不安があれば税理士や税務署に相談を

相続税は手続きの難易度が高いといわれる税金です。素人がプロの手を借りずに申告使用としても、漏れやミスが多発するかもしれません。不備だらけの申告で後々トラブルになるよりは、始めからプロに相談する方がベターです。

相続に強いプロの税理士なら、個々のケースに即した相続手続きのアドバイスをくれます。相続に必要な書類集めから相談に乗ってもらえるため、効率的かつスムーズに相続税申告書を提出できるでしょう。

大切な人が亡くなった後は何かと慌ただしく時間が過ぎていくものです。「気付いたときには申告期限がすぐ…」という事態にならないよう、早めの相談がおすすめです。

構成/編集部

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