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トレンドはコンパクトなラグジュアリー!アウディ「A3」がもたらしたプレミアムスポーツバックの真価

2021.07.31

アウディからニューA3が登場した。最大の注目は1Lの直列3気筒ターボエンジンを搭載したスタンダードモデルである。ターボだけでなく、48Vマイルドハイブリッドシステムのサポート得たエンジンと、内外の緻密な作り込みによって、これまで「大きさこそ第一義」、日本流に言えば「いつかはクラウン」というような価値観に頼ってきた判断に少し変化が出てきた。そのニューカマーがもたらした変化とはいかなるものか……。

誰も程よいプレミアム感に浸れる

以前、フランスの中西部にある町で、通訳兼現地コーディネーターとともに一週間ほどホームステイしたときのことだ。その家はフランスの中流家庭であり、話し好きのご夫婦と高校生の息子さん、そして日本のアニメが好きな中学生のお嬢さんの4人暮らし。気さくな一家との一週間は、初日から楽しく過ごせた。

ある日の夕食後、高校生の息子さんが乗るクルマの話になった。彼は18才になったら自動車免許を取って、今のモペットから4輪に乗りたいという。「どんなクルマがいいのか?」と問いかけると、取りあえずはスマートの中古かな、と答えた。

「もっと大きなクルマは欲しくないのか」と聞くと、働き出したらセアトかルノー、そしてフォルクスワーゲンと、少しずつグレードアップするつもりだという。同じような話をイタリアやイギリスでも聞いたことがあった。最近はこの価値観も変化しているとも聞いているが、それでもヨーロッパには今も日本以上のクラス社会があり、排気量やボディの大きさ、そしてブランドによるヒエラルキーが存在しているようだ。

実は第4世代へと生まれ変わったアウディA3で走りながら、そうした評価軸に少しばかり狂いが出てきていることに気が付いた。見た目はもちろん、走りやインテリアなど、全方位での更新を遂げていることは理解していた。ではこのクルマにどんな人が乗るのだろうか? と考えながら、ニューA3の内容を色々と吟味していくが、すぐに答えが出てこなかったのだ。

1ℓという排気量やボディの大きさで考えるなら、アウディというプレミアムブランドのなかでエントリーモデルと捉える人が多いはず。事実、エンジンだけで考えればA1スポーツバックと気筒数であり排気量である。一方A3は確実にひとクラス上の存在であり、日本のユーザー層で考えるなら、家にもう1台のプレミアムがあり、奥様用とかお嬢さん用といったセカンドカー的なポジション。あるいは少しゆとりのある若い世代というイメージだろう。しかし、実際に走らせ、ともに過ごしてみると色々な価値観に変化を感じるようになっていた。

上質の表現方法が数多く潜んでいる

8年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたA3スポーツバックが目の前にある。旧型と比べ、全長で20ミリ、全幅で30ミリ拡大した新型は数値以上に、見た目の感覚では大きく、伸びやかに感じる。これはCピラーの前傾を少し強くしたことで、流れるような躍動感がサイドフォルムに生まれ、よりスポーティな印象が増したからだ。

そこに低くワイドになったシングルフレームグリルや大型のエアインテークを備えた精惇なフロントマスクが加わったことで、さらにお洒落さや軽快さ、そして上質感が、これまで以上に強調された仕上がりとなっている。このデザインには“なぜこう言う仕上がりになったのか”というプロセスがしっかりと見えるのだ。その結果として、コンパクトでありながら、アウディクオリティをしっかりとした感じられる存在感を実現したのである。デザインも重要な性能だという、思いを改めて確認できたと同時に、この大きさでも十分に上質であり、クラスを忘れさせてくれるデザインになっていたことに感心した。

そんな中でひとつ気になったことと言えば、ワゴンテイストをイメージするルーフレールの存在だ。個人的にはワゴンは、より豊かなライフスタイルを感じさせてくれるお洒落な乗り物として認識しているから、選ぶとすれば装備された物を選択する。

一方でルーフレールレスの仕様もあり、こちらはスポーティハッチとしてのテイストがより強まる。どちらを選択してもアウディらしさは健在だが、全体のイメージを決定する装備だけに、ひとつの迷いどころになる。

そんなことを考えながら、少し硬めのシートに体を滑り込ませる。相変わらずほど言い硬さでピタリとはまる感じのホールド感は心地いい。このシートの安心感と快適性は走り込めば込むほどに、大きな魅力として実感できる。実はそれ以上に心地よく感じたのはインテリアの仕上げである。人によっては贅沢感が旧型より薄まったという感想を持つかもしれないが、A3のクオリティのベクトルは解りやすいゴージャス感には向かっていなかった。コストダウンという評価を覚悟しながらもシンプルにスッキリとした仕上がり。それはまるで日本の一輪挿しを飾った床の間にも似た潔さがある。インパネのシルバーとブラックのコントラストだけが際立ち、これ見よがしの高級感を否定しているかのようだ。

アクセルを踏み込んで走り出す。このファーストエディシンに搭載されているエンジンは3気筒の1Lターボ。さらに48Vのベルト駆動式オルタネータースターターが組み合わせられ、日本風にいえばマイルドハイブリッドというシステムだ。低回転域ではモーターによるアシストによって、小排気量のパワー不足感、さらに振動や騒音というネガティブな要素を解消してくれる。同時にターボエンジンにありがちな、ターボラグもカバーしてくれることで、走りは滑らかなのだ。ごく普通に走っているときのフィーリングは、前に出たがるような活発さを時々見せるようなエンジンで軽快さがある。それでもキャビンへのノイズの侵入は抑えられ、1Lエンジンの室内とは思えないほどの快適性が保たれるのである。

確かにホットハッチ的なパワフルさはないかもしれないが、エレガントでしっとりとした走りという点で評価するなら、まったく不足を感じない。気が付くと最初にあった「1Lでアウディらしさは保てるのか?」という懸念はすっかり払拭され、クラスを忘れさせてくれたのだ。少しばかりオーバーかもしれないが、A3の存在がこれまでの“大きさ”による価値基準を大きく変えてくれそうなのだ。誰が乗ってもプレミアムとしての満足を感じ取れるクラスレスの1台かもしれない。

Aピラーを寝かせ、よりスポーティなデザインに仕上がっている。

ボディサイドのプレスラインとリアフェンダーのボリューム感がプレミアム感を表現。

スッキリとした黒とシルバーの対比でプレミアム感を表現しているインテリア。

フロアカーペットやラゲッジボード、そして断熱材などにリサイクル素材が積極的に使用。

1Lの3気筒ターボエンジンはマイルドハイブリッドによって燃費:17.9km/リッター(WLTCモード)を実現。

シームレスなシフトフィーリングも高級感を感じさせてくれる。

ルーフレールを装備するとワゴンテイストが強くなる。

「スポーツバック」のトランク容量は380~1200L。スクエアな作りで実用性も高い。

(価格)
453万円(税込み/A3スポーツバック ファーストエディション)

SPECIFICATIONS

ボディサイズ全長×全幅×全高:4,345×1,815×1,450mm
車重:1,320kg
駆動方式:FF
トランスミッション:7速AT
エンジン:直列3気筒ターボ 999cc
最高出力:81kw(110PS)/5,500
最大トルク:200 Nm(20.4kgm)/2,000~3,500 rpm
問い合わせ先:アウディ 0120-598106

TEXT : 佐藤篤司(AQ編集部)
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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