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20代後半に中途採用で入社する時の心得

2021.07.30

■連載/あるあるビジネス処方箋

前回の記事では、次のように書いた。

・一定水準以上の会社(大企業、中堅企業、メガベンチャー企業など各業界の上位10番以内くらい)では、20代後半に中途採用で入社した場合、少なくとも数か月から半年は雑務的な仕事をするように指示される機会が多い。

・例えば、会議室を予約する。あるいは、交通費や支払いの書類を時間内に経理に提出し、清算する。さらに、打ち合わせや会議の議事録を素早く書く、といったものだ。

・多くはその会社や部署、職場で仕事をするうえで基礎的で、重要なもの。つまらない仕事ではあるのかもしれないが、時間内にできなくてはいけないものばかりだ。

・上司は駒使いのような仕事をふっているようでいて、できないと致命的になる仕事を命じているのだ。

これらは当たり前のようでいて、実は多くの人が軽視しているのではないか。その傾向は特に1990年代後半以降、顕著になったように思う。この時期から深刻な不況となり、多くの企業が総額人件費の圧縮をする。その流れで、成果・業績主義が浸透した。「プロ意識」といった言葉も広まった。

会社員の場合、成果や実績を残そうとした場合、上司や同僚から仕事や言動が認められない限り、高いレベルには到達しえない。評価をするのは上司であり、自分ではない。ところが、こういう基礎的な仕事を軽く見て、大きな仕事をすることが「プロ」であり、「優秀な人」と思い込んでいる人が少なくない。

私はフリーランスになってから17年間で出版社や広告会社、IT会社の担当者約120人と仕事をしてきた。このうちで、前述の「その会社や部署、職場で仕事をするうえで基礎的で、重要なもの」がきちんとできていたと思えるのは、約10人。

残りの110人の7割は例えば、決められた日に原稿料の支払いを忘れたり、契約書や掲載号を時間内に郵送することができなかった。あるいは、会議室の予約を忘れたり、打ち合わせの予習をしていない。基本的な仕事ができる担当者と比べると、少なくとも倍近くのコスト(時間など)がかかっていた。

結果として、仕事に安定感がない。ぎこちなさや要領の悪さが目立つ。瞬間的にいい仕事をしたとしても、「偶然」の場合が多い。安定感に欠けると、同世代の中で昇進・昇格が遅れる。上司は防衛本能をもっているから、安定感に欠ける部下を高く評価はしない。実際、110人の7割は昇格が遅く、役員になった人はゼロだ。

そもそも、会社(この場合、大企業や中堅企業、メガベンチャー企業)では、仕事のほとんどが平準化、標準化、規格化、マニュアル化されている。そうでないと、数千人、数万人が時間内で動くことができない。「その会社や部署、職場で仕事をするうえで基礎的で、重要なもの」が社内に多数あるのは、平準化、標準化、規格化、マニュアル化、デジタル化が進んでいるからこそ、と言えよう。

20代後半で中途採用試験を経て入社した人は、しばらくはつまらない仕事をせざるを得ないのかもしれない。だが、それらは、あなたが時間内で絶対にできないといけないものばかりだ。それでも、私が見てきた担当者の半数以上は全然できなかった。だからこそ、心して取り組みたい。

なお、新卒採用の入社の難易度が業界で上位3番以内のいわゆる一流企業の社員は、得てして「その会社や部署、職場で仕事をするうえで基礎的で、重要なもの」を確実にできる。入社の難易度が下がるほどに、これらの仕事ができなくなる。社員の質が総じて低く、定着率は概して低い。これでは、仕事を平準化、標準化、規格化、マニュアル化するのに壁が多い。こういう中で優秀な社員はまず生まれえないのだ。私が、新卒時にこの類の会社に就職することに疑問を繰り返し呈している理由は、ここにもある。

文/吉田典史

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