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コンセプトは「宇宙を身近に、日常に。」宇宙を気軽に楽しむコミュニティ「そらビ」が発足

2021.07.28

 日本で現在、13年ぶりに宇宙飛行士の募集が検討されているのをご存じだろうか? JAXA(宇宙航空研究開発機構)では2021年秋に宇宙飛行士の募集を開始し、以後5年後、10年後というように継続して募集する計画だという。

 これから募集する宇宙飛行士には宇宙ステーションはもちろんのこと、月や火星などで幅広く活躍してもらう考え。民間企業など一般から、どういう人が宇宙飛行士になったらいいかという見解を求め、それを元に現在、これからの宇宙飛行士に何が求められているのかを議論しているところである。

 宇宙がぐっと身近に感じられるようになってきたが、そのような中で、“宇宙を身近に、日常に。”をコンセプトとした、宇宙を気軽に楽しむコミュニティ「そらビ」が7月11日に発足した。当日はコミュニティ誕生記念イベントを開催。会場には小さな子どもを連れた親子が集まったほか、その様子がYouTubeライブで配信された。

「そらビ」は、宇宙が好き、宇宙に関わりたいという想いを持った有志で運営委員会を結成し、宇宙を楽しむ人を増やすことを目的に活動する。運営委会のメンバーは大学生から社会人までの計10名。自身のことを、宇宙のことを伝える「宇宙アナウンサー」と名乗るフリーアナウンサーの榎本麗美さんと、JAXAの宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)プロデューサーの中島由美さんが共同代表になり、アドバイザーに宇宙飛行士の山崎直子さんが就任した。

宇宙を身近に、日常に

 イベント開催にあたり榎本さんは「子どもの頃から宇宙が大好きで、仲間をつくって宇宙を身近に感じて皆で遊べるコミュニティをいつかつくりたいと思って活動してきました。それが実現し、いまこうしてイベントできていることが嬉しいです。これから皆でワクワクしていきましょう」と挨拶。続いて中島さんが、「普段は宇宙関連の新規事業をつくる仕事をしているのですが、『そらビ』は仕事とは別のプライベートのこと。皆さんと一緒に楽しいコミュニティをつくっていきたいと思います」と挨拶した。

「そらビ」誕生を祝して割られたくす玉

挨拶をする「そらビ」共同代表の中島由美さん

 このほか、JAXA人事部長の岩本裕之氏から、「そらビ」誕生に向け次のようなエールが送られた。

「宇宙といえば、以前はすごく遠く、自分の生活から離れたところというイメージがありましたが、今は携帯電話に人工衛星を使ったり、ナビゲーションに衛星データを使ったりするなど、われわれに身近になってきました。JAXA以外でも宇宙に関わるプレーヤーが増え、いろんなビジネスが登場していますが、人事にいて思うのが、大切なのは人だということ。参加する人、楽しむ人なども含めていろんな人材が大事です。宇宙を軸にした『そらビ』の活動には、宇宙に興味や関心を持つ人たちを増やす意義がありますので、どんどん進めていただきたいです」

挨拶をするJAXAの岩本裕之氏

活動の中心になる3つの部活動

「そらビ」ではこれから、イベント、情報発信、部活動の3つを主に実施していく。イベントでは宇宙の専門家や宇宙に関心を持ち宇宙と異なる分野で活躍している人を招いて懇親会やワークショップ、交流会など実施し、情報発信は宇宙全般に関することやコミュニティの情報を、SNSなどを通じて発信していく。

 活動の中心は、宇宙にちなんだ各分野を仲間とともに楽しむ部活動。まずは「宇宙飛行士部」「宇宙報道部」「宇宙カルチャー部」の3つをつくり、部員を募集する。各部の活動内容は次の通り。

1.宇宙飛行士部

 未来の宇宙飛行士を輩出することを目指して発足。宇宙飛行士に必要な能力を考え育てる講座「めざせ!未来の宇宙飛行士講座」を開講し、月1回ペースでレッスンを実施する予定でいる。部の顧問は、13年前の2008年の宇宙飛行士選抜試験ファイナリストの内山崇氏。

 講座は全11回開講で、8月28日にレッスン1の開講を予定。参加するには「そらビ」のメンバー登録と宇宙飛行士部のメンバー登録が必要で、月々3000円(コミュニティ月額参加費550円+宇宙飛行士部月額参加費2450円)が必要になる。

2.宇宙報道部

 主な活動は、メンバーが宇宙記者になってわかりやすく宇宙について情報を発信すること。共同代表の榎本さんが顧問に就任し、YouTube動画を制作するほか、宇宙記者が自由に記事を投稿できる「宇宙メディア」の創設を目指す。8〜9月頃から本格的に始動する予定で、活動については順次告知。「そらビ」メンバーなら誰でも参加できる。

3.宇宙カルチャー部

「もっともハードルの低い宇宙活動」がモットーの部活動。参加者全員で「宇宙×◯◯」という企画を生み出しながら、イベントからものづくまでオンライン/オフライン問わず活動する。9月中旬に第1回目のイベントの開催を予定。「宇宙×◯◯」をテーマにやりたいことをプレゼンしてもらい、賛同者の多いものをプロジェクト化していく。

「そらビ」では7月11日から、コミュニティメンバーの募集を開始。メンバーになると部活動への参加のほか、コミュニティ限定情報のキャッチアップ、コミュニティメンバー同士や宇宙に携わる人たちとのオンラインコミュニケーションが取れるようになる。このほか、コミュニティイベント(オンライン/オフライン)にも参加できる。

 コミュニティへの入会は、DMMオンラインサロン上につくられた「そらビ」入会ページから行なう。宇宙飛行士部の活動でも触れたが、550円の月額会費がかかる。なお、イベントによっては別途参加費が必要になることもあるという。

「マンダラチャート」を活用した宇宙飛行士部の「レッスン0」

 イベントでは宇宙飛行士部の「レッスン0(ゼロ)」を実施。顧問の内山氏がJAXAの岩本氏とともに、会場に来た子どもたちやオンラインで参加している人たちとワークを行なった。

 宇宙飛行士部で実施する「めざせ!未来の宇宙飛行士講座」は内山氏が講師・監修を担当する。宇宙飛行士選抜試験の内容はファイナリストしか知らないことなので、内山氏の経験を踏まえて実施されることが予想される。

宇宙飛行士部の顧問を務める内山崇氏

「レッスン0」で行なったのは宇宙飛行士に必要な資質をまとめた「マンダラチャート」の作成。「マンダラチャート」とは9×9の81マスで構成された目標達成ツール。81マスの中央に目標を書き、目標達成のために必要な8つの能力や資質を、目標を取り囲むように記入したら、その周囲のマスに8つの能力や資質を高めたりするために必要なことや目標を記入する。現在、メジャーリーグで大活躍中の大谷翔平(アナハイム・エンゼルス)が高校時代に活用したことで話題になったので、ご存じの人も多いだろう。

 内山氏は宇宙飛行士に必要な資質を考えたときに作成した「マンダラチャート」を披露。宇宙飛行士に必要な8つの資質として「得意分野・軸」「オペレーションスキル」「言語スキル」「チームスキル」「精神力」「健康・体力」「人間性」「発信力」を挙げたが、「チームスキルは大切」と思わず唸ったのが岩本氏。「正確に伝えるコミュニケーション能力もそうですが、宇宙にはまだ皆が行けるわけではないので、宇宙に出たら宇宙のことをきちんと伝えメッセージを発信できる力はより重要になります」と話す。

内山氏がつくった宇宙飛行士になるためのマンダラチャート

「レッスン0」では参加者に、内山氏が挙げた宇宙飛行士に必要な8つの資質の中から1つを選び、それを高めたり達成したりするために必要なこと3つとそれを選んだ理由を、「マンダラチャート」風に仕上げてもらうことにトライしてもらった。会場の参加者にはチラシのQRコードをスマートフォンで読み取って入力フォームにアクセスし、YouTubeライブから参加している人は事前に送った入力フォームのURLをクリック。制限時間5分で入力フォームに記入してもらった。

 集まったマンダラチャートは会場で公開。その中から、YouTubeライブ視聴者から2名、会場の参加者から1名の計3名のマンダラチャートを選び、内山氏が講評した。「健康・体力」を選んだある参加者は、サッカーでチームプレーをすることと、毎朝学校まで走ることに言及したが、これに内山氏は着目。「サッカーで健康・体力を鍛えつつチームプレーを覚えるところは目標の立て方としてうまいし、学校まで走って行くことは学校に行くという動作と健康・体力をつくることを兼ねています。2つとも一石二鳥で、僕の考え方に近い」と評価。「マンダラチャートは1回つくったら終わりではなく何回も修正を加えていくものなので、自分を高めるのに使ってほしいです」と未来の宇宙飛行士にエールを送った。

会場の参加者とYouTubeライブの視聴者がつくったマンダラチャート

「はやぶさ2」プロジェクトのプロジェクトリーダーに公開インタビュー

「レッスン0(ゼロ)」終了後は「はやぶさ2大冒険の軌跡と最新情報 produced by 宇宙報道部」。JAXAの津田雄一氏(宇宙科学研究所 教授)を会場に招き、宇宙報道部顧問の榎本さんがインタビュアーになり「はやぶさ2」のことなどについて話を聞いた。

「はやぶさ2」は小惑星探査機で、小惑星「リュウグウ」を探査することをミッションとしたプロジェクトのため、2014年12月3日に種子島からH2Aロケットで打ち上げられ、2020年12月6日にリュウグウで採取したサンプルを持ち帰ること(=サンプルを詰めたカプセルの地球への放出・着地)に成功。津田氏はこのプロジェクトチームのリーダーを務めている。

「はやぶさ2」プロジェクトのリーダーを務めているJAXAの津田雄一氏

 リュウグウとはどんな惑星なのか。津田氏によれば、まず形状が「そろばん玉」と呼んでいるほど独特。最初に見たときは「ビックリした」という。大きさは直径約900mと小さいが、岩だらけで平地がまったくない。平地がない点は最大の想定外で、着陸するために多くの努力を要することになったそうだ。

「はやぶさ2」はリュウグウに2回着陸しているが、1つの探査機が2回着陸したのはこれが世界初。「この偉業の裏には様々な決断がありました」と津田氏は話す。「サンプルを地球に持って帰ることが優先されるべき」という考えもあれば、「リスクを冒して2回目の着陸にしよう」という考えもある中、両方とも実現することを決断。この決断をしたのは、未知のことへの好奇心。「知りたい」という欲求が強く諦めなかったことが、世界初の偉業実現を後押しした。

チームワークが「はやぶさ2」プロジェクトを成功に導く

「はやぶさ2」が地球に放出したサンプル入りカプセルは、オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸。オーストラリアではプロジェクトメンバーが待ち構えており、カプセル回収の任に当たった。カプセルは無事回収できたが、回収できない恐れもあったことから、カプセルを見つけた人が届けてくれるよう届け先や連絡先をわかるようにしておいてあったという。榎本さんは「お宝なので狙っている人がいるのでは?と心配していました」と言うと、津田氏は「われわれもそのことを切実に心配していました。そのため情報の出し方には気をつけ、隠しすぎず出しすぎないようにしました」と打ち明ける。

「はやぶさ2」が地球に届けたリュウグウのサンプルは、プロジェクトメンバーによって無事回収された

 地球に届いたリュウグウのサンプルは現在、どうなっているのか? そのことについて榎本さんが尋ねると、津田氏は次のように話した。

「『はやぶさ2』はリュウグウの欠片を5.4gとガスを採取しました。半年かけて分析しているところですが、炭素や水がありそうだという痕跡が見つかっています。JAXAのほか、事前に選抜した6つの研究チームで成分の分析がスタートしています。まだ発表できることはないのですが、リュウグウの欠片を見た研究チームからは興奮の声が聞こえてきました」

 サンプルの分析は今のところ、日本でのみ実施。今後はNASA(米国航空宇宙局)や海外の研究機関にもサンプルを配布する予定だが、現在の技術だけでリュウグウのサンプルを分析するのはもったいないことから、将来の分析技術向上を見据えてサンプルの60%は何もせず保管するという。「今日会場に来ている子どもたちが大人になった頃の分析技術は今よりもすごいことになっているので、未来に託すためにサンプルは保管します」と津田氏は子どもたちに期待を寄せる。

「はやぶさ2」が成し遂げた世界初は全部で9つあるという。はるか彼方の小惑星にたどり着き地球に戻ってくるまでには、幾多もの困難を克服しなければならなかったが、今回のプロジェクトでこれほどの偉業を達成できた理由を、津田氏は「チームワーク」と強調する。

「誰も行ったことがない環境、何が起こるかわからないところで物事を解決するということは、宇宙飛行士の資質としても求められますが、社会のいろんなところや仕事で求められること。それが顕著に現れたのが、はやぶさ2の探査ミッションです。リュウグウには誰も行ったことがないので、答はわかりません。リュウグウを見ながら問題を解決するチームがあって、チームワークが事前にきちんとできていたから問題が解決できました。多くの人たちと関われ喜びと達成感を共有できたのは、何事にも変えがたい経験でした」。

 次の目標を聞かれ津田氏は「はやぶさ2を超える宇宙探査ミッションを考えたい」と即答。JAXAにはたくさんの仲間がいるので、一緒に考えていきたいという。

 また、津田氏は最後に「次は宇宙探査部もつくってください」と「そらビ」にリクエスト。宇宙=宇宙飛行士ではなくもっと広い世界であることを理解してもらう意味からも、今後のそらビの活動の充実を期待したい。

そらビ公式HP
https://sorabi.space/

取材・文/大沢裕司

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