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コロナ禍でうつ傾向がある人は野菜や果物の消費量が減っている傾向

2021.07.25

コロナ禍によって、私たちのライフスタイル、食生活はどのような変化を見せているのだろうか?

リンクアンドコミュニケーションでは、京都大学大学院医学研究科社会疫学分野(教授:近藤尚己氏)と共同で、AI健康アプリ「カロママ」の利用者を対象に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活様式の変化と健康について研究している。この度、2020年の緊急事態宣言期間中(※)の生活様式の変化が食生活に及ぼす影響について分析し、学術論文が国際学術誌「Appetite」に受理された。詳細は以下の通り。

(※)期間:2020年4月7日~5月13日

緊急事態宣言期間中は、自炊のメニューが10品/月程度増加

図1:生活様式の変化と自炊頻度の関係(1ヶ月あたりに換算) n = 5,929名

論文の結果を基に試算すると、緊急事態宣言期間中の1ケ月の平日(※1)で自炊のメニューが10.1品増えており、在宅ワークを行っているひとは4.2品/月多いことがわかった。一方、子どもと関わる時間が5時間以上増えた人では、5.9品/月減少、また、うつの傾向がある人はより少なく、14.3品/月減少という結果だった。

※1: 本研究で定義される『緊急事態宣言期間』は2020年4月7日~5月13日であり、緊急事態宣言前(2020年1月1日~4月6日)と比較した結果を示している。ここでは、緊急事態宣言前に、自炊のメニューを毎日10品食べていた人を基準として試算している。

「在宅ワーク」を行っている女性は、月に野菜106g、果物65gの摂取量が多い

図2:生活様式の変化と野菜摂取量の関係(1ヶ月あたりに換算) n = 5,929名

論文の結果をもとに試算すると(※2)、全対象者の結果では、緊急事態宣言期間中に野菜の摂取量が1ヵ月あたり261g(レタス0.8個分 ※3) 増加していた。

「在宅ワーク」を行っている人は78g/月(レタス0.2個分)多く、なかでも在宅ワークを行っている女性では、106g/月(レタス0.3個分)多いという結果だった。一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人のなかでも、女性および45歳未満の人では220~271g/月の減少傾向がみられた。「うつ傾向がある」人では、さらに少なく月に324g(レタス0.9個分)減少という結果だった。

今回の結果により、女性は生活様式の変化により、野菜の摂取量に影響を受けやすい可能性があることがわかった。

※2: 緊急事態宣言前に、野菜を毎食70g食べていた人を基準として試算。
※3:レタスの個数は1個350gとして算出。

果物の摂取量については(※4)、「在宅ワーク」を行っている人は、全体で59g/月(バナナ0.4本分)、女性では在宅ワークを行っている全対象者よりも少し多く、65g/月多いという結果だった。男性では、統計学的に有意な差は見られなかった。女性は食事の質が良くなり、男性よりも在宅ワークの恩恵を受けた可能性がある。

一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人の果物の摂取量も、野菜と同様に減少傾向がみられ、1ヵ月あたり78g(バナナ0.5本分) 減少したことがわかった。女性と45歳未満の人では、野菜の摂取量と同じく減少していた。これらの人は、緊急事態宣言期間中に育児に費やす時間が増え、野菜と果物の摂取量に影響があったのかもしれない。また、うつ傾向がある人でも野菜と同じく減少していることがわかった。

※4: 緊急事態宣言前に、果物を毎日50g食べていた人を基準として試算。
※5:バナナの本数は1本150gとして算出している。

お菓子の摂取頻度は、「一般社員・職員」が4%、「契約・嘱託・派遣社員」が7%増加

図4:緊急事態宣言におけるお菓子の摂取頻度の関係 n = 5,929名 (一般社員・職員 n=2,014名、契約・嘱託・派遣社員 n=1,344名)

菓子類の摂取頻度について、緊急事態宣言前と緊急事態宣言期間中の平日の摂取頻度を比較したところ、緊急事態宣言前よりも4%増加していた。なかでも「一般社員・職員」、および「契約・嘱託・派遣社員」の摂取頻度が増加していた。その他の「管理職」や「自営業」においは統計学的な有意差はみられなかった。一概には言えないが、「一般社員・職員」と「契約・嘱託・派遣社員」は、よりお菓子を摂りやすい環境にあったのかもしれない。

今回の調査では、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言期間中の食生活の変化を、健康アプリ利用者のデータを用いて調査したところ、緊急事態宣言期間中の在宅ワークが野菜や果物など摂取頻度の増加しており、全体的に食生活の質が向上したことがわかった。

しかしながら、育児時間の増加や、管理職や自営業以外の人、さらにはうつ傾向がある人の食生活においては、マイナスの影響を及ぼした可能性があるため、注意する必要があるかもしれない。

共同研究を行った京都大学大学院近藤研究室からのコメント

■京都大学 助教 佐藤豪竜先生

佐藤 豪竜 先生(公衆衛生学修士)
・京都大学 大学院医学研究科社会疫学分野 助教
・MPH(ハーバード大学)

昨年の1回目の緊急事態宣言期間中は、野菜や果物の消費が増えていたことから、全体的に「食事の質」は上がっていたようです。在宅ワークの推奨が後押しとなって自粛期間中に自炊をした方は多く、皆さんの実感とも合っているのではないでしょうか。

一方で、子育て時間が増えた方やうつ傾向にあった方は、野菜や果物の消費が減る傾向にあり、注意が必要です。また、職種・雇用形態によってお菓子の消費傾向に違いが見られたのも興味深い結果となりました。このように、食生活の変化は人によって様々です。毎日の食事の記録を付けることで、ちょっとした変化に自分で気付けるようになりたいものです。

■京都大学 教授 近藤尚己先生

近藤 尚己 先生(医師・医学博士)
・社会疫学者 ・公衆衛生学研究者
・京都大学 大学院医学研究科 教授(社会疫学分野)
・日本老年学的評価研究機構理事
・日本疫学会代議員
・日本プライマリケア連合学会代議員

コロナのまん延のように大きな社会の変化があると、社会的に不利な人々の健康行動が阻害される結果、健康格差が拡大します。今回の分析では、子育て世帯で栄養バランスの調整が難しくなっている可能性が見いだされました。日本は子育てしにくい国であることが知られています。コロナだからとあきらめず、子育て世帯を支援する方法を地域や社会全体で考えていくべきでしょう。

出典元:株式会社リンクアンドコミュニケーション
https://www.linkncom.co.jp/

構成/こじへい

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