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なぜ、場所に関する記憶は間違えやすいのか?

2021.07.24

 同じチェーン店だがどうやら場所は違っていたようだ。ひと月前に入ったカフェの話だ――。

ひと月前のことを思い出しながら新目白通りを歩く

 早稲田某所での用件を終えて新目白通りを高田馬場方面に向けて歩いていた。まだ昼を少し過ぎたばかりだ。部屋に戻る前にどこかで昼食にしてみてもよい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 ともあれコロナ禍はまだまだ続きそうだ。そもそも日中に出歩くことは少ないほうだが、コロナ禍でそれがさらに顕著になっていることは否めない。今日のように外出する機会があった際にはなるべく長い距離を歩きたいが、これから暑くなるにつれてそれも厳しくなりそうだ。

 コロナ前はよく気分転換を兼ねてノートパソコンをカフェに持ち込んで仕事をすることもあったのだが、コロナでそれも憚られるようになってしまった。

 昨年1年間はカフェで仕事をしたことはなかったが、それでも今年に入ってからは何度かノートパソコンを抱えてカフェに入っている。ひと月ほど前にもこの近くにあるカフェで少し仕事をしていたのだが……。

 明治通りと交わる交差点の信号を渡る。真っ赤な壁のインド料理店の前を過ぎた。昼食にインドカレーという選択ももちろんあり得るのだが、つい2日前にも別のインド・ネパール料理店でカレーを食べたばかりだった。ベジタブルカレーがなかなか美味しかったし、久しぶりに食べたタンドリーチキンもなかなか良かった。続けてインドカレーを食べたところで何の問題もないのだが、気分的に今回は見送ることにしたい。

 そういえばひと月前にカフェで仕事をした時も、その前に池袋のインド料理店でカレーを食べていたのだった。……ということは仕事をしたカフェはこの近くの店ではなく、池袋のほうにあるカフェだったことになる。我ながらお粗末な記憶力だ。

 どちらの店も同じチェーンのカフェで、コロナ前にはよく利用していた。当然だがメニューもまったく同じで内装もよく似ているので間違えても無理はないともいえる。しかしたったひと月前の記憶があやふやになっていたというのはなんだか不甲斐ない。

 新目白通りをさらに進む。赤い看板に大きくBBQと記された店がある。さらに看板をよく見ると「チーズステーキ」の文字もある。チーズステーキの店というのは珍しい。チーズステーキはアメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアの“ソウルフード”であることを何かの記事で読んだことがある。

 チーズステーキにも興味がそそられるが、残念ながら今は肉を食べたい気分ではなかった。通りを先に進む。

どの場所にいたかについての記録は誤りやすい

 このまま大通りの歩道を歩き続けるのも何だが落ち着かない感じもするので、コンビニエンスストアを過ぎた角を曲がり、一本奥に入った住宅街の路地に出る。何もなければ高田馬場まで行ってしまってもよい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 昼下がりの住宅街は人通りもほとんどなく実にのどかで平和だ。この後戻って仕事するのが何だか億劫にも感じられてくる。こういう時こそカフェで仕事をしてみるべきかもしれないが、生憎今はノートパソコンを持っていない。

 それにしてもひと月前の記憶があいまいだったのはショックともいえるが、それはやはりチェーン店の同じような店内の記憶だったからだろう。最近の研究でも場所についての記憶はけっこう間違えやすいことが報告されている。


 誰かに犯罪行為の疑いがある場合、彼らが尋ねられる最も重要な質問の1つは、彼らが信頼できるアリバイを持っているかどうかです。しかし私たちの心の中で過去の出来事を再生することは、ビデオ録画を再生することとは異なります。

 場所、日付、一緒だった人の思い出は、時間の経過とともに混乱する可能性があります。容疑者の記憶が文書化された出来事と一致しない場合、かつてはもっともらしかったアリバイが崩れ、罪の証拠と見なされる可能性があります。

 人々の過去の居場所の記憶をテストするために、研究者のチームが1ヵ月間、51人のボランティアの場所を追跡し、彼らの記憶が約36%の確率で間違っていることを発見しました。

※「Association for Psychological Science」より引用


 メルボルン大学の研究チームが2021年5月に「Psychological Science」で発表した研究では、実験を通じて人々の場所についての記憶はほかの要素に比べて誤りやすいことを示している。

 実験参加者は指定されたアプリがインストールされたスマホを常時携行し、GPSを介した位置情報が1ヵ月間にわたって細かく記録された。

 1ヵ月が経過した後、参加者は特定の日時にどこにいたのかが問われる記憶力テストが課されたのだが、およそ36%の確率で間違えることが明らかになったのだ。たったひと月ほどの間でも自分がどの場所にいたかについての記録は誤りやすいのである。

 たとえば別々の場所にある同じチェーンのガソリンスタンドを利用した記憶などは特に間違えやすいという。ということはチェーンのカフェにいた記憶が誤っていたとしても無理もない話ということになる。そのひと月前の記憶は残念ながら36%のほうに含まれてしまっていたのだ。

住宅街の店で十割そばを堪能する

 路地の左側のマンションの一階に飲食店が並んでいる。手前が焼肉店でその奥の店の看板には「十割そば」の文字が見える。肉の気分ではないのだが、そばには食指が動く。入ってみよう。

 昼のお客が1巡した後なのか店内にはお客の姿はなかったのでひょっとするともう閉店なのかとも思ったが、お店の人が快く迎え入れてくれた。奥の2人席に案内される。

 メニューを見るとテイクアウトも充実している。店内メニューの中から「もりそば」と「ミニ海鮮かき揚げ丼」に決める。注文を終えるとお客が立て続けに入ってきた。人気店であることがわかる。

 十割そばを食べるのは西巣鴨の店以来だからこちらもひと月ぶりだ。チェーン店ではないので場所は間違えようがない。

 もっと頻繁に十割そばを食べたいのだが、このご時世では話はそう簡単ではない。特に夜型の自分には外出する用件がなければ外食する機会はなかなか得られない。前に飲食店の営業要請が夜9時まで伸びた時期があったが、その時には夜の8時過ぎからけっこういろんなお店に入ったことが思い出されてくる。ほんの少し前のことなのに何だか早くも懐かしい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 そばがやってきた。さっそくつけ汁に浸してひと口すする。弾力のある麺が美味しい。人気もうなずけるというものだ。

 かき揚げ丼のほうも美味しい。ミニサイズではあるが予想していたよりもしっかりと量がある。これはこれで満足だが、そばを大盛りにして天ぷらを2品くらいという組み合わせでもよかったかもしれない。次に来たときはぜひそうしてみたい。

 気兼ねなくカフェで仕事ができる日が早く来てもらいたいものだが、どう考えてももうしばらく先のことになるのだろう。少し前に長い時間をかけてWindows 10のアップデートをしたノートパソコンだが、残念ながらこの先もしばらくはあまり出番はなさそうだ。

 いずれにしてもこれから先は猛暑に見舞われることは明らかで、今以上に外出が減りそうだ。外食にしても猛暑の日中にはなかなか足が向かうことはないだろう。今のうちにこうして近場で美味しいものを食べておきたいものである。さて、美味しいい十割そばが食べられたことを感謝しつつ店を出ることにしよう。

文/仲田しんじ

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