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廃棄衣料が店舗の内装に!ブランディアがリサイクルボードPANECOを活用してファッションロス0を目指す

2021.07.19

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

1か月で約4トンにもなる廃棄衣料をリサイクルボードに変える

ブランド・アパレル品の宅配買取「ブランディア」では、アパレルリユースを通じたチャリティや寄付、教育などSDGsへの取り組みを積極的に行っている。そのひとつが、ブランディアのサービスで発生する廃棄衣料に素材としての価値を見出し、ファッションロス問題に貢献する「廃棄0」プロジェクトだ。

ブランディアは2007年のサービス開始以来、段ボールに着なくなった服やバッグを詰めて送るという、宅配買取サービスで成長を続け、取扱ブランド数は約7000、累計利用者数は300万人以上に上る。

「オンライン買取の独自プラットフォームによる効率化したオペレーションで、『箱にどんどんつめて送るだけ』という利便性を追求したサービスから、多くの品数を扱うことができるのが弊社の強み。そのため査定点数は1日で約1万点に及ぶが、中には再販できない状態のものもあり、廃棄率は約6%、1~2万点ほどで、1か月で約4トンに上る。そうした廃棄をゼロにする取り組みを昨年から始め、2030年までに『廃棄0』を目標に掲げている」(ブランディアを運営するデファクトスタンダード 代表取締役社長 仙頭健一氏)

タグがないもの、変色や破れ、落とせない汚れなどで再販できない、同社の基準で真贋が判定しきれないなどの理由で成約しない場合に処分を任された衣類を、従来は廃棄していたが、昨年からの「廃棄0」の取り組みで、リメイク素材や、服飾・デザイン系の学校に教材として提供を行うなど、主に素材として活用していた。

それでも減らしきれない廃棄衣料をどうするか模索していた時に出合ったのが、衣服を裁断、圧縮してリサイクルボードを作る「PANECO」だった。

「廃棄される衣服からリサイクルボードを作るシステムや、金具を分別する作業は障がい者施設に委託するなど、サステナブルでダイバーシティな取り組みから共感し、弊社の廃棄衣料を使って協力することになった。送料はすべて弊社が負担しPANECOに廃棄衣料を提供、リサイクルボードとしてPANECOが販売する。PANECOに提供することで、月に6割ほどの廃棄量を減らすことができた」(仙頭氏)

提供するだけでなく、店舗の内装としてPANECOを活用した初の試みが、7月にオープンした「ブランディア吉祥寺」だ。アパレルの店舗で棚や什器として使われることはあったそうだが、内装としてこれだけ広範に使ったのは同社が初めてとなる。

PANECOはハンガーやフックといった小物、什器としても使用できるが、サステナビリティの観点から不燃材を混ぜていないため、使用場所や量には制限があったという。

ブランディア吉祥寺の施工を担当したTRUSTの山田彩也花氏はこう話す。

「不燃加工をしていない建材を店舗で使う際は内装制限により、店舗の広さ、従業員の人数といった条件があり、その条件に当てはまったのが吉祥寺店で、規制をクリアできたため壁面に使用した。通常PANECOは什器や家具が一番使いやすい形なので、今後、条件に合わない店舗の場合はそうした形での提案をしていく。

店を解体する場合、内装の処分にお金がかかるが、使用したPANECOのボードを引き取ってPANECOとして再びリサイクルできるので、そうした面でもメリットがある」

PANECOは接着剤を混ぜて強く圧縮することで、木材のように頑丈で、木質ボードの代替品として使用できる。さまざまな衣類を粉砕して使うので、色の出方や風合いが微妙に異なり味わいも感じられる。絵の具の混色と同じで、混ぜていくと黒や灰色になっていくが、デニム系が多ければ青ぽくなるなど、材料となった衣類によって色味が変わるという面白さも。自由にカットできる加工性があり、着色もできる。

「高単価のバッグや時計を宅配で送ることに抵抗があるというお客様の声に応えるために、宅配買取だけでなく、対面での店舗買取とオンライン査定の『ブランディアBELL』をスタートした。今後は実店舗も増やしていく方向で、吉祥寺で8店舗目となる。

ブランディアの店舗では紺色を基調にしているが、店に合った色合いのPANECOがあったので使わせていただいた。実際に出来上がった店舗を見て、高いデザイン性と共に独特のクラフト感があり、雰囲気良く仕上がったと感じている。

一度買った服を捨てるのではなく我々で買い取ることで、販売だけでなく、このように別の形に変えて二次利用する取り組みを積極的に進めていきたい。『廃棄0』プロジェクトは6割まで削減が可能になったので、残り4割も継続的に削減を目指していく」(仙頭氏)

【AJの読み】大量の廃棄衣料を資源に変える有意義な取り組み

要らなくなった服の処分をする際、ハイブランドの場合は専門のユーズド店舗で買い取ってもらうが、その他の服についてはアパレルのリサイクルに出している。

リサイクルは無償の提供だが、ブランディアだと「もしかして値段がつくかも」と、とりあえず箱につめて送るという人も多いと思われる。その結果、売物にならない条件の衣類も大量に抱えてしまうが、こうした廃棄衣料を素材として活用したり、PANECOのようにまったく違う形で利用しながら、廃棄を減らしていく企業努力は評価に値する。

同社の創業時からのテーマは「モノの価値を見出し」「モノに価値を与え」「モノを通じて人と人をつなぐ」。その人にとっては使わなくなったモノでも他に使いたい人がいて、循環させていくことを創業時から実践しており、SDGsへの取り組みは当然の帰結だと仙頭社長は話す。

「ブランディア池袋店では購入されたお客様に、お手入れをすることで状態良く長く使っていただくことを願い、バッグなど革製品をケアする『ブランディアクリーム』をお渡ししている。今後も買い取り、販売だけでなく環境に良いアクションをしていきたい」(仙頭氏)

取材の際に、PANECOで作ったノベルティのコースターをいただいたが、丈夫で軽く水にも強いため、濡れたグラスでも安心して使えて重宝している。服だったときの“名残”と思われる色の断片もあって、御影石のようなニュアンスには趣を感じる。捨てられる衣類がこうして姿を変えて活用されることで、SDGs、サステナビリティ―の意識を喚起させてくれる。

文/阿部純子

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