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新球場建設、藻類製品、フードロス削減、SDGs実現を目指す企業連携のサステイナブルな取り組み

2021.07.27

いま、企業はSDGsの実現を目指し、企業同士が連携してプロジェクトを立ち上げるなど、サスティナブルな取り組みを積極的に進めている。
こうした取り組みは、ビジネスパーソンとして、そして一生活者としても興味深く、自分のライフスタイル全般に、物理的にも精神的にも良い影響をもたらしてくれるものだ。今回は、最新トピックスを3つ紹介する。

●SDGs(Sustainable Development Goals)とは

「持続可能な開発目標」。2016年から2030年までの国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成される。

北海道日本ハムファイターズ新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心とした取り組み

「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE」イメージ H.N.F.

先日、2023年3月より北海道日本ハムファイターズの本拠地となる新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO)」への入場について、小学生以下が無料となるニュースが話題になった。

これは株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメントが、新球場を核に周辺エリアを含めた「HOKKAIDO BALLPARK F VILLAGE(北海道ボールパークFビレッジ)」全体で、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する街づくりを目指すプロジェクトの一環だ。子ども、地域、パートナー連携を重視した3つの方向性で主な取り組みを行う。

特に地域社会の将来を担う「子ども」を最重要課題として位置づけ、子どもの学びや遊び、成長に寄与する活動に注力していく。

●SDGsのゴールに貢献

例えば、次のようなSDGsのゴールに貢献する取り組みを実施する。

「GOAL4 質の高い教育をみんなに」

・小学生以下のエスコンフィールドへの入場無料化
・様々な年齢の子どもが安全に遊べるエリアを球場内外に設置、育成プログラムも整備
・地域社会の課題を学ぶ場や職業体験の場(球団事業、試合運営の疑似体験など)の提供
・様々な食育活動の実践
など

「GOAL11 住み続けられる街づくりを」

・子どもから大人まで、あらゆる世代の人々が集い交流する空間、コミュニティ育成の場の整備
・全ての人々が安全で容易に利用できる持続可能な輸送システムの提供:EVバスを活用した拠点間輸送の整備
・有事の際の防災拠点、地域の広域避難場所としての機能保有

「GOAL17 パートナーシップで目標を達成しよう」

・各行政機関、圏域自治体、企業、学識経験者が一体となった「オール北海道ボールパーク連携協議会」のテーマ別分科会による諸課題解決の推進
・産官学隔たりなく連携、協業し、汎用型価値創出を目指した事業の推進

●取り組みの背景

北海道日本ハムファイターズ取締役 兼 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント取締役の事業統轄本部長 前沢賢氏は、この取り組みを始めた背景について、次のように話す。

「様々な分野の方々と一緒に事業を進めるという指針は、ボールパーク構想として2015年にプロジェクトが動き出した当初から掲げており、一番重視している理念です。

2004年に北海道に誕生してから、札幌ドームを間借りして野球興行をしてきましたが、我々がファンの皆様に提供できる価値の向上、今後のスポーツというエンターテイメントの在り方を考えると、球場というハードと、球団・選手というソフトの融合は不可避でした。通常、球場は5ヘクタールあれば建設可能ですが、試合がない日も人々が集える場、長期滞在可能な空間を目指し、自治体と一から街を作ることを念頭に、20ヘクタール以上を条件に候補地を探し、様々な検証、交渉を経て、建設地を北広島市に決めました。札幌駅へも新千歳空港へも電車で約20分の立地、約32ヘクタールという広大な土地があったことはもちろん、市のサポートが手厚かったことも大きかったです。

我々は建築、不動産のプロではないので、新球場や周辺エリアの開発にはその道のプロの知見が必要です。北海道庁や北広島市、その他様々な分野のエキスパートの方々と一緒に、互いの強みを発揮することで、魅力的な街づくりが可能になると考えています。

Fビレッジは球場以外にも様々な施設、アクティビティが楽しめる街を目指していますが、多種多様な事業パートナーの方々と“共同創造”すること、『この街をつくりました』と言える仲間を増やしていくことが、多くの方に愛される空間になると信じています」

●「子ども」を重要視する理由

特に「子ども」というテーマに力を入れている理由にはどんなことがあるのだろうか。

「Fビレッジは、あらゆる世代の人が集まる空間・コミュニティ形成の場となるような街を目指していますが、『子ども』は地域社会の将来を担う存在としてとても重要だと考えています。

北海道に根差す企業として、現在スポーツを通じた地域社会との交流や地域との共生・共感の下、様々な社会貢献に取り組んでいます。例えば、スポーツを通じて子どもたちに夢や目標へ向かう姿勢、人との触れ合いの大切さなどを伝え、ひとりでも多くの子どもたちが大きな夢に向かって挑戦してくれることを願い、ベースボール、ダンス、フィジカルの分野でアカデミー事業を展開しています。

新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、子どもたちの行動範囲は大きく制限されており、安全で自由に遊べる場が減っています。子どもたちの健やかな成長のためには、遊びや学びにおいてあらゆる機会や選択肢を提供すること、リアルな世界で人と触れ合い、体験できる場を提供することが大切です。2023年以降は、Fビレッジを拠点に子どもたちの学び・遊びの場の展開領域を広げていきたいと考えています」

そして、小学生以下のエスコンフィールドへの入場無料化については、どのような背景があるのだろうか。

「子どもたちに球場をより身近に感じてもらい、プロの試合を観戦する機会を増やしたいとの想いです。ハードの面でも、壁がそびえたち、建物としての威圧感を感じないよう、掘り込み式のフィールドにしたり、ヒューマンスケールに合わせた側面デザインにしたり、360度どこからでもフィールドが見えるような回遊型コンコースにしたり、フラットで開放感があり出入りしやすい球場になるよう、構造上の工夫をしています。

入場無料化を一つのきっかけとして、子どもたちが気軽にエスコンフィールドを訪れ、様々な体験を得られる機会になればと思います」

球場内外には、子どもたちが安全に遊べるエリアを設置され、育成プログラムも整備される。これは具体的にどんなものが計画されているのか。

「パートナーとなる事業社様と一緒に、エスコンフィールド内・外に、子どもが安全に遊べる『あそび場』の整備を計画しています。乳幼児から高学年まで幅広い子どもたちが安心・安全に楽しめるよう、ゾーン別に区分したスペースを設けるほか、キッズ用のミニチュア版フィールドも計画しています。

球場の仕事にまつわる職業体験や、野球観戦にとどまらない体験の機会も提供したいと考えており、Fビレッジ周辺の様々な『遊び・スポーツ』に適した環境も活用したアクティビティプログラムなども展開していく予定です。
今後、詳細お伝えできるタイミングがきましたら、随時発表していきますので、楽しみにお待ちください」

今から、親子そろって、Fビレッジへと遊びに出かける計画を立てておくのも良さそうだ。

ちとせグループ「藻類」活用の企業連携型プロジェクト「MATSURI(まつり)」

バイオベンチャー企業群「ちとせグループ」は、ENEOS、三井化学、花王、本田技研工業などの企業や、新潟県長岡市、佐賀県佐賀市などの自治体と共に、藻類を活用した日本発の企業連携型プロジェクト「MATSURI」を2021年4月よりスタートさせた。

今後は、光合成を活用した藻類の生産を通じて、カーボンニュートラル実現を推進すると同時に、パートナー企業間で連携して事業開発を行い、燃料をはじめプラスチックや食品、化粧品など人々の生活を支える藻類製品を社会に普及させていくという。

●SDGs「GOAL13 気候変動に具体的な対策を」に貢献

藻類は、太陽光のエネルギーを用いて、二酸化炭素を吸収しながらタンパク質・脂質・炭水化物などを生成する。それらの生成物は化石資源を代替・補完し、燃料やプラスチック、食品、化粧品などの原料となるという。また藻類は光合成を通じてカーボンニュートラル実現や、SDGs「GOAL13 気候変動に具体的な対策を」に貢献する。

将来、藻から作ることができる製品(イメージ)

MATSURIでは、2025年に世界最大となる2,000haの藻類培養設備を建設し、様々な製品の原料として、300円/kg以下の生産コストで140,000トン/年(乾燥重量)の藻類を供給できる体制を確立し、藻類由来の製品を社会に届けることを目指すという。

●プロジェクトの背景

多くの企業が連携して大規模なプロジェクトを始めた背景にはどんなことがあるのか。

MATSURIプロジェクト事務局長(株式会社ちとせ研究所所属)の有田美穂氏は、次のように答える。

「サプリメントや化粧品原料などの、小規模高付加価値な一部の分野は例外ですが、前提として、藻類バイオマスも、大豆や小麦のように丸ごと使い切って初めて事業性が確保できます。一つの用途での事業化を追求するのではなく、様々な事業分野の企業が集まって協業することが必要だと考えました。

また、様々な事業分野で事業化するということは『藻類産業』を作るということであり、藻類の生産や製品化以外に、途中の加工や物流、法制度の確立、既存産業との連携などの検討も必要です。その意味でも、個社で取り組むのはむずかしく、藻類産業で事業化したい企業が連携し、産業構造全体のことを議論する場が必要と考え、MATSURIを立ち上げました」

「MATSURIでは、1~2年のうちにデモ製品を作成し、発表したい」と有田氏。今後、一般消費者も藻類を活用した製品を目にする日が来るだろう。

クラダシが企業の災害時用備蓄食料寄付のハブ役に~フードロス削減への取り組み

世界的に問題となっているフードロス。削減する取り組みにより、SDGsの「GOAL12 つくる責任つかう責任」をはじめとして、複数のゴールを達成できるといわれている。

社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI(クラダシ)」を運営するクラダシは、そのフードロス削減に積極的に取り組んでいる企業の一つだ。

もともと、KURADASHIは賛同したメーカーより協賛価格で提供を受けた商品を、最大97%OFFで消費者へと販売し、売り上げの一部を社会貢献活動団体へと寄付している。このことから、このサイト自体が企業連携によるSDGsへの取り組みであるといってもいい。

そのような中、このほどクラダシは、三井住友銀行とフードロス削減・SDGs実現に向けた連携を強化し、三井住友銀行の従業員がさらなるフードロスの削減や社会貢献できる新たな取り組みを行うことを発表した。

●災害時用備蓄食料のシェアリングで連携

クラダシと三井住友銀行は、これまでもフードロス削減の取り組みを共にしてきた。

例えば2021年2月に災害時用備蓄食料のシェアリングを開始している。

そもそも企業などが備蓄する災害時用食料は、賞味期限に合わせて数年に一度入れ替える必要があるが、三井住友銀行ではこれまで入れ替えのたびに、賞味期限内の食料の有効活用について検討している状況だった。そこでクラダシと連携することで、これらの食料のシェアリングを推進する試みを開始した。災害時用備蓄食料の入れ替え時にクラダシがハブ役となり、全国のフードバンクに連絡し、ニーズに応じて提供するほか、「KURADASHI」のサイトでも販売することにより、フードロスの削減に継続的に貢献することとした。

●専用サイトで三井住友銀行の従業員が購入可能に

今回、さらなる連携強化策として、クラダシが専用サイトを通じて後押しすることとなった。

クラダシ広報担当 小平佳鈴氏によれば、「三井住友銀行の従業員専用サイトを開設し、従来のKURADASHIサイトと同様に、購入金額の一部が社会貢献活動団体に寄付される仕組みとなっており、同行従業員は気軽に社会貢献、フードロス削減に参加できます」という。

専用サイトは、2021年7月1日より三井住友銀行の従業員に公開された。SDGsやフードロス問題に対して会社としての取り組み姿勢を示すとともに、従業員に対する啓蒙啓発を、日常の消費行動を通じて浸透させていくことがねらいだ。

この取り組みの他にも、クラダシでは企業や団体の災害用備蓄品を有効活用する取り組みとして、長野県松本市の備蓄用飲料水をフードバンク団体へ寄付したり、東京センチュリー株式会社の災害備蓄品を全国のフードバンク団体へ寄付したりするなどしている。

いずれも企業が連携し、より強い力と思いで行うSDGsへの興味深い取り組みだ。こうした取り組みに身近に触れながら、自身のライフスタイルやビジネスのヒントにしたい。

【参考】
ちとせグループ「MATSURI」
北海道ボールパークFビレッジ
「クラダシが三井住友銀行とフードロス削減・SDGs実現に向け連携を強化」
「KURADASHI」

取材・文/石原亜香利

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