
IP67の防水防塵、動体検知で録画開始
どこにいてもスマホのアプリから設置先の様子をリアルタイムでチェックできるネットワークカメラが人気である。最近ではハイコスパで高性能なモデルが登場してきたが、果たして高額モデルとどのぐらい違いがあるのかが気になる。
今回は2980円で販売されているATOM Cam 2を自宅に設置して、高額モデルと比較した。本機は発売1年で4万7000台以上の販売実績のあるATOM Camの後継機で、新たにカラーナイトビジョン、IP67の防塵防滴で屋外対応、双方向通話機能が追加された。カメラは小型軽量でスタンドと一体化されている。専用アプリを使い同時に4台までの動画を表示できる。
カメラ背面にはMicroUSB端子とスピーカーが取り付けられている
付属の鉄板を木ネジなどで固定すればスタンドに内蔵したマグネットでの固定も可能だ
木ネジが使えない場所では付属の両面テープでカメラを固定できる
接続はQRコードを使いサクサク完了
ネットワークカメラでネックになるのがワイヤレス接続である。本機は専用アプリを使って、面倒な数字や文字列の入力作業を極力減らしている。実際の接続手順はアプリを起動して、デバイスの追加を選択、ATOM Camを選択、カメラの電源を入れてセットアップボタンを押して、使いたいWi-Fi接続先を選択、アプリのQRコードをスキャンさせる。120秒のタイマーが表示され、自動接続完了。日本語音声でのサポートもある。
同様の手順で、複数のカメラを登録できる。設定はカメラごとにおこなえ、MicroSDカードへのローカル録画、モーション検知による自動録画、検知エリアの設定、ナイトビジョンモードの切り替えなどがおこなえる。
追加したいカメラのモデルを選択したらアプリのQRコードをカメラに読み込ませて設定完了
マルチビューにて最大4画面同時表示、録画画像はクラウドに保存され出先からも確認できる
AI動体検知でペットの見守りもできる
ATOM「Cam 2」の動体検知機能を使えば、動きを感知してイヌやネコなどのペットの見守りもできる。実際にペットロボットのLOVOTで試してみたが、確実に動きを感知してくれた。その感度は3段階に切り替えができ、2段目でも風になびくカーテンや扇風機の首振りを感知して録画を開始、高級モデルよりも高感度あることが分かった。また、検知範囲の指定ができ、扇風機の動きを除外することもできた。また、動きだけでなく、音声検知、火災/CO警報器音検知もできる。さらに検知スケジュールの設定で曜日、開始時間と終了時間を指定でき、留守の間だけカメラを自動的にONにできる。動体が検知されるとスマホにメッセージを送る機能もある。
モーション感知機能を使えば動きがあった時のみ録画ができ、その範囲も設定可能だ
カラーナイトビジョンと無料クラウドストレージ
今回の目玉機能は、暗闇でもカラーで撮影できるカラーナイトビジョンである。一般的な監視カメラでは暗くなると赤外線モードに切り替わり、赤外線ライトを照射することで真っ暗闇でも撮影できる。さらに上級モデルになるとカラーナイトビジョンを搭載するが、本機は2980円でこの機能を搭載したという。
試してみると、ほぼまっ暗な部屋で超高感度カメラを使ったような感じで明るく撮れている。従来なら赤外線のモノクロモード切り替わる暗さである。高価格モデルで同じ条件で撮影すると、予想通りにモノクロのナイトビジョンになった。
撮影済みの動画はMicroSDカードに保存されるが、カードを入れなくても、無料で14日間、12秒分が最短5分間隔でクラウドストレージに保存され、スマホから再生できる。さらに月額500円のサブスクで時間無制限録画に対応。使用目的にもよるが、検知された動画をすぐに見たい、しかし、12秒では足りないという人には価値あるサービスと言える。保存できるデータは動体検知によるもので、保存期間は14日間になる。
カラーナイトビジョンの設定は自動で問題なし。動体検知されるとスマホにメッセージが届く
通常のナイトビジョンを使ったATOM「Cam 2」の動体検知の動画のキャプチャー
同じ条件で「Arlo Essential Indoor Camera」で撮影、より画角が広くコントラストが強い
ATOM「Cam 2」のカラーナイトビジョンで撮影。色が鮮明に再現されている。LOVOTの目はバックライト付きカラー液晶なので、明るすぎて露出オーバーになり白飛びしている
ローコストで最大の効果を発揮する
ATOM「Cam 2」を使ってみた感想は、予想以上に多機能、高性能で、高額なモデルにひけを取らないことだ。2980円と安価なので複数個の設置もたやすい。さらに防水防塵なので屋外にも設置可能。これに充電池を内蔵したモデルが欲しいところだ。USB電源でも駆動できそうだが、電圧低下で何時間使えるかが心配である。AI動体検知機能は問題なく動き、人間と動物も区別してくれる。マイク機能も実用的でスマホアプリを使って会話もできた。
今回は試していないが、MicroSDカードに24時間連続録画する機能もあり、32GBのカードを使えばHDモードで約2.7日間の動画を保存できる。またタイムラプス機能も搭載している。Wi-Fiは2.4GHzのみ対応で、5GHzは使えない。
この価格で、ここまで使えれば誰にでもオススメできる。屋外での耐久性に関しては不明だが、高額モデルを長く使うか、ハイコスパモデルを数年で買い替えるかの違いになりそうだ。操作が簡単なので、初めてネットワークカメラを試してみたい人にも迷わず使えると思う。
AI動体検知を使って記録されたLOVOTの動画
カラーナイトビジョンのテスト動画、遮光カーテンで室内は暗黒
ナイトビジョンのテスト動画、LOVOTが出す赤外線も記録
写真・文/ゴン川野