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LGBTQに関する企業の取り組みはどれくらい進んでいるのか?

2021.07.18

多様性と向き合う今の時代。LGBTQに関して積極的な取り組みをする企業が大手法人を中心に増えてきている。

そんなLGBTQに関する大手法人の取り組み状況や人事担当者の問題意識、人事システム上の扱いなどについての実態調査がこのほど、株式会社Works Human Intelligenceにより実施された。

本調査は、統合人事システム「COMPANY」のユーザー65法人を対象にLGBTQに関する意識・取り組み調査を実施したものだ。詳細は以下の通り。

1. 約7割は、LGBTQに関する取り組みを少なくとも1つは実施または検討中。

Q1. 従業員の性の多様性に対する取り組み・施策を行っていますか。※複数選択可(n=65)

性の多様性に関する取り組み状況について質問したところ、全社的に行っている施策では「差別禁止の明文化」を行っている法人が40.0%と最も多く、次いで「戸籍/法律上の氏名と異なる通称名の使用」「経営層の支援宣言」が29.2%となった。

一部取り組み中や準備中、検討中を含めると、「戸籍/法律上の氏名と異なる通称名の使用」(55.4%)が最も多く、「差別禁止の明文化」(52.3%)「研修、eラーニング」(50.7%)も過半数を占めた。すべての施策に対して「検討していない」と回答した割合は、29.2%だった。よって70.8%は、いずれかの施策を少なくとも検討中であることがわかった。

■自由記述欄(回答抜粋)

・本人の望む性での更衣室、トイレの利用、健康診断(団体)の受診。
・更衣室や制服のジェンダーフリー化/みんなのトイレの設置。
・社内イントラネットでLGBTQに関する情報や会社の取り組みについての情報を発信。
・当事者による経営層向け研修や、すべての役員・従業員を対象にLGBTの基礎知識についてのe-ラーニングを実施。
・該当する社員がいない現状では検討の予定すらない。

2.LGBTQに関する取り組みについて、半数近くが「経営層の支援宣言」が後押しになったと回答。

Q2. 取り組み推進の後押しになった要因はどれに当たりますか。※複数選択可(n=35)

取り組み推進の後押しになった要因は、「経営層の支援宣言」が最も多く48.6%、次いで「自治体のパートナーシップ制度の導入」が17.1%だった。「その他」の回答には、当事者からの相談・カミングアウトがきっかけとなったケースや、社内調査・公募により取り組みが実施されたケースも複数見られた。

■自由記述欄(回答抜粋)

・当事者からの相談をきっかけにして。
・上位役職者の自発的なカミングアウトにより、制度整備・制度導入の機運が高まった。
・2019年度にLGBTに関する社内調査を実施し、優先度の高いものから実施。
・社内公募プロジェクトが取り組みの発端。
・SDGsや経営戦略として行っているD&Iの一環として。

3.取り組みが進んでいない理由は、必要性は理解されているものの対象者が可視化されず「優先順位が高くない」が6割

Q3. 取り組みが少ない/ない場合、懸念点および理由はどれに当たりますか。※複数選択可(n=57)

取り組みを推進するうえでの懸念については、「優先順位が高くない」が63.2%と最も多い結果となった。一方で、「経営層の理解が得られない」「必要性がない」といった回答はなかった。

■自由記述欄(回答抜粋)

・本来優先度は高いはずだが、必要としている潜在的な問題が顕著になりにくい。
・声なき声に対応する必要性を認識しているが検討に至っていない。
・これまで取り組んでこなかった内容であり、経営層だけでなく従業員の中にも理解度に大きな差があるため、少しずつ理解を促すとともに会社として着手できるものに関してはその方法を検討している段階。
・経営層が「従業員の理解を得られない」と根拠なく思っている。経営状況が良くないため、取り組みへ人的・金銭的・時間的資源を投下できない状況。

Q4. 社内または取引先に、LGBTQ当事者であることをオープンにしている方はいますか。※複数選択可(n=65)

オープンにしている当事者の有無については、半数近くの43.1%が「わからない」と回答し、26.2%が「社内にいる」と回答した。

1の設問とかけあわせたところ、「社内にいる」と回答した法人の方が「どちらにもいない」と回答した法人よりも、全体的に取り組みが進んでいることがわかった。当事者が可視化されている方が施策の優先度を上げて実施できる、もしくは施策が進んでいる方が当事者がオープンにしやすい傾向にあることうかがえる。

回答した大手法人の人事担当者の4人に1人は、「トイレや更衣室の利用」について当事者から相談を受けたことがある

Q5. LGBTQ当事者の方からどのような相談を受けたことがありますか。※複数選択可(n=65)

LGBTQ当事者からの相談については、「相談を受けたことはない」が66.2%を占めた一方で、回答者の4分1である24.6%が「トイレや更衣室の利用」について相談を受けたことがあると回答した。相談に対しては、「多目的トイレを導入した」、「本人の意見を尊重してケースバイケースで対応した」等の声があった。

■自由記述欄(回答抜粋)

・同性パートナーシップを結んだ場合、妻帯者として社宅制度利用対象になるか。
・トランスジェンダーだが自認する性別の服装をして店頭に立っても良いか。

35%の法人では、従業員の戸籍/法律上の性別情報を上司が閲覧できる状態となっている。

Q6. 従業員の性別や家族情報、福利厚生の利用情報等、本人がLGBTQ当事者であることを推測しうる情報について、人事部以外の従業員が知ることができますか。※複数選択可(n=65)

本人がLGBTQであることを推測しうる個人情報の社内公開については、「情報公開していない」が過半数の53.8%を占めた。一方で35.4%が「性別を上司が閲覧可能」、29.2%が「家族情報を上司が閲覧可能」と回答しており、仕組み上、本人がLGBTQ当事者であることが意図せず他人に知られてしまう懸念は少なからずあると考えられる。

■「閲覧可能」と回答した場合、その理由・具体的な用途を教えてください。(回答抜粋)

・所属長による所属職員の管理監督のため、個人情報照会が可能。
・社員の基本情報は上司として知っておくべき事項だと考えているため。
・緊急時連絡の利便性を優先させたため。
・慣習的なもの家族情報については、家族手当、単身赴任手当等の給与支給に関連するということと、異動の判断として家庭状況も必要と思われているため。
・過去から公開しており、見直していない。

本名と異なる「通称名」情報は4割近くがシステム上で管理をしている

Q7. トランスジェンダーと自認している方は人口の0.7%[1]というデータがありますが、戸籍/法律上の名前や性別を変更する人もいれば、変更せずに名刺等の名前は変えたいというニーズもあります。戸籍/法律上の性別情報とは異なる「就業上の性別」、また本名とは異なる「通称名」の情報は、現在どのように扱っていますか。※複数選択可(n=51, 44)

主にトランスジェンダー従業員の情報取り扱いについて質問したところ、戸籍/法律上の性とは異なる「就業上の性別」を人事部門で収集・管理している割合は、「人事システムで管理」が17.6%、「紙資料や個別ファイルで管理」が2.0%、「対象者はいるが把握していない」が7.8%だった。

一方、本名と異なる「通称名」は、「人事システムで管理」が38.6%、「紙資料や個別ファイルで管理」が6.8%という結果だった。通称名の利用は、結婚等による改姓後に旧姓を通称名として利用したいというニーズもあるため、就業上の性別と比較して情報管理の方法が整っている傾向にあると考えられる。

「就業上の性別」の収集・管理については、本人が自認する性別を正しく登録できるというメリットがある一方で、税・社会保険等の人事業務には利用されない情報であるため、そもそも人事情報として収集・管理すべきなのかという意見もあった。従業員の個人情報をどこまで収集すべきか、議論の余地がある。

■自由記述欄(回答抜粋)

・実際に該当者が出た場合は「予備項目」等にて管理するようになると思います。
・結婚して姓が変わっても旧姓の使用を希望する従業員については、通称名(旧姓氏名)と本名をそれぞれ人事システム上で管理しているため、トランスジェンダーで通称名の使用を希望する従業員が発生した場合も同じ仕組みで管理する予定。(対象者は未発生)
・そもそも、就業上の性別を人事システム上で管理するべきかどうかを含めて整理する必要があると考えている。

※Works Human Intelligence調べ

<調査概要>
調査名:LGBTQに関する意識・取り組み調査
期間:2021年5月14日~6月4日
対象 :当社ユーザーである国内大手法人65法人
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査

出典元:株式会社Works Human Intelligence

構成/こじへい

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