■連載/阿部純子のトレンド探検隊
浜離宮恩賜庭園の目の前に位置し、水辺を一望できるウォーターフロントの複合施設「ウォーターズ竹芝」。新型コロナの影響で開業日の分散を余儀なくされ、2020年4月にホテルとオフィス棟、6月にアトレ竹芝第1期、10月にJR東日本四季劇場の「オペラ座の怪人」が開幕して街開きとなった。開業から1年を迎えて“水辺の自由時間を”をテーマに各エリアで夏のコンテンツを展開している、ウォーターズ竹芝の各エリアを紹介する。
アトレ竹芝/JR東日本四季劇場/竹芝干潟
〇プラザ
水辺が一望できるプラザは、一般に開放しており24時間利用可能な広場。近隣住民が犬の散歩やジョギングで訪れたり、ランチタイムは近所のオフィスワーカーがテラス席を利用したり、土日は家族連れで散策など、水辺の自由時間というコンセプトを体現する空間となっている。イベントや、ドラマ、CMなどの有料ロケーションサービスも提供し、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」でもロケ地として使われた。
〇竹芝地区船着き場&竹芝干潟
竹芝地区船着場(ウォーターズ竹芝前)からは、浅草、豊洲、お台場、両国、葛西方面へ定期船が運航。昼はもちろんナイトクルージングも楽しめる。
竹芝干潟ではかつて東京湾に多く生息した貝類、甲殻類や多様な生き物が生息できる環境の保全、再生を目指して、「KOKOPELLI+」による生物調査、水質調査など、産学連携や区民と協力しながら取り組んでいる。また、毎月第二日曜は干潟オープンデーで、だれでも干潟に入れるイベントを実施。
「干潟ができたのは昨年だが、それ以前から水域調査をしており、どういった環境を作ったら良いかお手伝いしている。ここは沖側の隅田川の流れと、堤防を隔てて内側に水の流れがない状態で残っている場所なので、生物のゆりかごとしての機能が高く、その機能をさらに高めるために作ったのが干潟。
水槽にいるのは、朝に捕まえたボラやマハゼなど7種類ほどの生物。これ以外にもたくさん魚が生息しており、ボラはこの水域で1万匹程度いて、水中をのぞくと小さな魚が群れているのが見える。朝に仕掛けた網では数匹のマハゼが捕獲できた。マハゼは江戸前のハゼ釣りで獲れる魚で天ぷら、唐揚げで食べるとおいしい」(KOKOPELLI+代表 寺田浩之氏)
〇アトレ竹芝(シアター棟&タワー棟)
JR東日本グループのショッピングセンター「アトレ」の中で初となる駅ソト店。シアター棟(画像左)、タワー棟(同右)の2棟で全26店舗。
文化、芸術を発信する場にしていきたいと、館内放送は俳優・声優の菅生隆之氏が担当。開放的な立地からサイクリングショップや、非日常を味わえるデジタルスポーツシミュレーションいった、ファッションメインの駅ビルアトレとは異なるテナント構成が特長だ。
〇JR東日本四季劇場
非日常の最たる施設がJR東日本四季劇場。シアター棟にある四季劇場「春」「秋」と、「自由劇場」で構成。3階の「春」劇場は客席数約1500席で四季の専用劇場としては最大。現在、ディズニーミュージカル「アナと雪の女王」を上演中。2階の「秋」劇場は客席数約1200席で、ミュージカル「オペラ座の怪人」を上演中。「秋」劇場では、2022年4月30日から、大ヒットアニメーションをミュージカル化した、劇団四季新作ミュージカル「バケモノの子」を上演する。
シアター棟2階にある、子どものためのエンターテインメント施設「CULAFUL」では、観劇する際に子どもの一時預かりができるキッズルームも併設している。
〇BANK30
シアター棟1階「BANK30」は、ショーと映像、音楽が楽しめるラグジュアリーオーシャンビューラウンジ。ベイサイドテラス、クラブBANK30、マグノリアラウンジ、プライベートダイニングの4エリアで構成、アーバンラグジュアリーをテーマに、一流のエンターテインメントと料理を楽しめる。
〇アトレ竹芝 夏限定メニュー
BANK30の夏メニュー/上演中の「アナと雪の女王」をイメージした「Frozen Verden」(1320 円)は”凍った世界”という意味のカクテルで、キラキラと輝くパールパウダーで雪を表現。シトラスが香る夏にぴったりのブルースカッシュ「竹芝ブルースカッシュ」(880 円)。ナッツをふんだんに使ったコクのあるアイスケーキ「ヘーゼルナッツとピスタチオのセミフレッド」(550 円)。
PAPPAGALLOの夏メニュー/イタリアンレストラン「PAPPAGALLO」から、涼やかな青と白をテーマカラーにした「パンナコッタ アズッロとアスティスプマンテのゼリー」(990円)。
パンナコッタの上にさわやかな甘口マスカットゼリーをのせた夏にぴったりのドルチェ。ノンアルコールカクテル「mare ble」(600円)も提供する。
Bluefin by UORIKIの夏メニュー/鮮魚専門店「魚力」の魚料理レストラン「Bluefin by UORIKI」から、スモークサーモンロールに氷をイメージした「モチ」をふりかけて、見た目も涼しくさっぱりとした味わいの「スモークサーモンホワイトロール」(1650 円)。
メズム東京、オートグラフコレクション
「TOKYO WAVES」をコンセプトに、随所に五感に響く空間を演出するホテル「メズム東京、オートグラフコレクション」。
16階はフロントロビー、バー&ラウンジ、レストラン。天井高9メートルと開放的な空間に、「TOKYO WAVES」から波をイメージしたアートやじゅうたん、フロントの両側には波しぶきをイメージした折り紙のアートワークも。
ヤマハの高音質スピーカーを設置し、BGMならぬFGM(=フォアグランドミュージック)として、音楽を前面に感じてもらえるように音を大きめにかけている。Jポップ、ジャズ、クラシック、ファンクなどオールジャンルのオリジナルキュレーションで、時間帯によって流れる音楽が変化する。
バー&ラウンジ「ウィスク」では、毎晩さまざまなアーティストによるパフォーマンスがあり、宿泊者以外でも無料で見ることができる。ピアノ、弦楽器、バンド、三味線と長唄、歌舞伎、タップダンスと、こちらもジャンルにとらわれないパフォーマンスを開催している。
アーティストのアトリエをコンセプトにした「ウィスク」では、絵画をモチーフにしたカクテルや、有名絵画をモチーフに遊び心あるスイーツとペアリングモクテルをセットにした新感覚アフタヌーンティー「アフタヌーン・エキシビジョン」を提供。第 3 弾となるのがレオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「最後の晩餐」の世界観を表現した「Supper(サパー)」(4950 円・税サ込)。10月29日まで、平日15食限定で提供する。
「最後の晩餐」の登場人物の生い立ちや縁のある場所などにちなんだスイーツ&セイボリー13種類と、洋梨のモクテル&グリッシーニの生ハム巻き、赤&白ワインモクテルのセット。メニューの詳細と予約はこちらから。
客室は「チャプター1」から「チャプター4」までグレードがあり、一番小さい客室のチャプター1で40㎡。チャプターという表現は、「メズムでの滞在がお客様の人生において新たな1章になるように」という想いを込めている。チャプター1は1室料5万円~、2番目に広いチャプター3は20万円前後。
すべての部屋にデジタルピアノが入っており、五感を魅了するホテルとしてさまざまな仕掛けがある。海側の部屋には大きなバルコニーがあり、浜離宮、東京湾、墨田川、スカイツリーと抜け感も素晴らしく眺望は抜群。上の階に行くほどバルコニーが広くなっており、夜景もおすすめ。こちらは24階のチャプター2(43㎡)の部屋からの眺め。
チャプター3は全7部屋、95㎡。ダイニングエリア、リビング、ベッドルーム、シャワールーム、バルコニーで構成されている。
アメニティの入ったボックスはオリジナルデザインで冒険の書のようなイメージ。バスアメニティは男性化粧品のバルクオムとコラボレーションしたもので、香りや使い心地もニュートラルなジェンダーレス。
ホテルスタッフの制服もジェンダーレス。男女共に「Y’s BANG ON!」のデザインで、バッグ、マスクも同ブランドがオリジナルで作ったもの。女性スタッフの靴もパンプスではなくワーキングブーツを着用し、制服を着用しない広報や人事、経理のスタッフもすべて黒を基調にしたモードスタイルで統一するなど、東京のモードを具現化させたメズム東京のスタイリッシュさを感じる。
アメニティボックス、アメニティ類、バスタオル、ローブ、Y's BANG ON!オリジナルシャツやマスクなど、メズム東京のオリジナルアイテムは、オンラインショップ「JRE MALL」で購入することも可能だ。
客室内の飲み物にもメズム東京らしいこだわりがある。猿田彦珈琲のハンドドリップコーヒー、点茶など、ワンアクションを入れることで、ゆったりと流れるラグジュアリーな時間を演出する。冷蔵庫の無料ドリンクはミネラルウォーターとジュース、ハートランドビールで、すべてサステナブルな観点からリターナル瓶で提供している。
メズム東京では東京ブランドを発信していきたいとさまざまな企業とコラボしており、ミルキーもモードススタイルペコちゃんのオリジナルパッケージ。アートスペースのある部屋には(全265室のうち200室ほど)、ウェルカムトイとしてメディコム・トイのBE@RBRICK(ベアブリック)を設置。光にだけ反応する忍者インクを使っている世界初のデザインで、フラッシュをオンにして撮影すると面白いことが起こるので、宿泊した際はぜひお試しを。
【AJの読み】ゆっくりと水辺の時間を楽しんで
昨年のコロナ禍の中で6月に開業した、アトレ竹芝オフィス棟にあるレストラン「ブラウアターフェル」の記事配信は2020年6月22日。この取材の際、シアター棟は開業しておらず、完成した建物を眺めながら寂しさを感じたものだった。あれから1年経過して全館開業し、四季劇場ではミュージカルが上演されている。コロナはまだまだ終息していないが、駅ビルのアトレとは異なり開放感のある空間なので、ゆっくりと水辺の時間を楽しむにはおすすめのスポットだ。
文/阿部純子
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