
第一志望大学合格者の学習習慣とは?
受験生はいつ、どんな勉強をすべきかわからず不安に感じている人が多くいる。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により学校が休校となったり、外出自粛で自宅でのオンライン学習や自学自習の機会が増えた。
そんな中、スタディサプリはユーザーの2021年大学合格実績から、オンライン学習ツールの活用を含む勉強方法について分析した。
国公立約270講義、難関私大約250講義が合格に向けた年間勉強量の目安
第一志望の合格報告ありと合格報告なしで『スタディサプリ』授業の年間※の平均受講講義数を比較したところ、旧帝大合格報告ありは270講義、その他国公立合格報告ありは273講義、早慶上智合格報告ありは254講義という結果になった。
第一志望の合格報告なしと比較すると、全大学群平均で26講義程度多い受講数となっている。
※年間:2020年2月~2021年1月で集計(以後同)
年間の山場は、国公立は夏前まで、難関私大は受験の1年以上前からの継続学習がカギ
つづいて、合格に必要な年間の目安講義数をそれぞれの大学群志望者はどういったスケジュールで勉強していたのかを分析した。
受験までの年間スケジュールにおいては、旧帝大は受験年度の5月頃まで、国公立は遅くとも夏頃までに基礎となる教科の勉強を済ませておく必要がありそうだ。夏までに基礎を繰り返し学習し、夏以降は過去問の演習に注力できるよう準備をしておくことが重要だろう。
一方で、受験スケジュールの異なる難関私大に関しては、受験までの1年間における受講数と合否の関係性は見受けられなかったが、累積で見ると2020年2月時点での受講講義数が、合格報告ありは合格報告なしの約3倍であることがわかった。
5月、8月の長期休みや入試直前の10月・11月のタイミングでしっかりとまとまった学習をおこなうことは重要ではあるが、最も重要なのは受験の1年以上前からの継続学習だといえそうだ。
継続学習成功の秘訣は「宣言と報告」
学習時間や年間スケジュールの目安がわかったところで、日々の勉強をどのように継続させたらいいのかは誰もが悩むことではないだろうか。
同社が実施したアンケートの中でも、「自宅で集中して勉強に取り組むために工夫すべきことや意識するべきことを教えてほしい」「自分で勉強をしていると、これで良いのか不安になるときがある」といった悩みが多く寄せられる。そこで、スタディサプリ教育AI研究所所長の小宮山利恵子が自宅学習を継続させる秘訣を解説する。
1. 達成できそうなレベルの目標を設定し、少しずつレベルアップ
志望校の合格という大きな目標とともに、細かいスパンや小さな粒感で自分が少しがんばれば達成できそうなレベルの目標を設定。目標達成度合いをその都度振り返り、必要に応じて目標や計画を軌道修正していくとよいだろう。
このように最初は、計画(Plan)を立てて、その計画を達成するために実行(Do)し、計画を達成できたかどうかを評価(Check)して、当初の計画とかい離があれば改善(Action)案を考えていくようなPDCAサイクルでスタートし、後半はもう少し柔軟に、その状況に合わせて動き方を変えていくスピード感で対応するOODA(Observe/観察、Orient/状況判断、方向づけ、Decide/意思決定、Act/行動)サイクルで対応していけるとよいだろう。
PDCAやOODAサイクルは、大学に入ってからも社会に出てからも非常に役立つスキルになるので、受験勉強でこの考え方を身につけることができるのはとても良いことだ。
2. 立てた目標や成果を誰かに共有する
立てた目標や、その進捗度合いを身近な周囲の人と共有してください。目標を宣言することで、実行する心構えができるし、成果や進捗を報告することでアドバイスをもらえることもある。友人や親、学校や塾の先生に「宣言と報告」が継続学習のポイントだ。
『スタディサプリ』でも、合格報告なしよりも合格報告ありの方が年間を通じてコーチとのやりとりは多くなっている。
下図は、コーチと生徒のチャットの中で生徒自らの発信でのやりとりの回数を集計したものだ。旧帝大、その他国公立では合格報告ありの方が自発的にコーチにコンタクトを取っていることがわかる。
難関私大に関しては、勉強数同様年間で見ると差がないように見受けられるが、先の勉強数でわかった通り、受験の1年以上前までの継続学習が重要であるためチャット回数としても受験の1年以上前からの継続した「宣言と報告」がカギといえそうだ。
また、やりとりの中では、「昨日」「今日」といったワードも頻繁にでてきており、日々の「宣言と報告」をコーチとやりとりするのも継続学習において良い方法といえる。
構成/ino.
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