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人の動きで抗菌効果が得られる注目の繊維「PIECLEX」に秘められた可能性

2021.07.09

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

単なる抗菌繊維ではなく、効果を得るために体を動かしたいとモチベーションも高めてくれる

村田製作所と帝人フロンティアは、圧電繊維「PIECLEX」の研究開発と販売を手掛ける合弁企業「ピエクレックス」を2020年4月に設立。同年6月に発表会を行い、withコロナ時代の新素材として注目を集めている。

PIECLEX は、製品名であると同時に企業ブランド名であり、村田製作所の圧電技術と帝人フロンティアの化学繊維技術を融合し、“電気の繊維”で世界の文化を変えることを目標に掲げている。

PIECLEX は圧電素材、ポリ乳酸(PLA)から作られた新しい抗菌素材。ポリ乳酸の持つ圧電性を最大限に発揮する繊維設計および構造体を開発し、伸縮したり、ひずみを加えることで電気を発生し、電気の力によって菌を減らす効果を発揮する。

植物由来の素材で環境に優しく、人に有害な抗菌剤を使用せず人の動きによって電気のエネルギーに変え抗菌効果を得る新素材で、効果を得るために体を動かしたいというモチベーションも高めてくれる、これまでにない新しい価値観を提供する。

圧電繊維を利用して自身の力で抗菌効果を生み出すというのは世界初の技術。ポリ乳酸は植物由来の環境に優しいプラスチックとして他のメーカーでも使っている素材だが、村田製作所では圧電性に着目した商品をPIECLEX以前から開発しており、電気的な特性を利用したフィルム形状のフレキシブルなセンサーとして商品化している。

帝人フロンティアでも同時期にポリ乳酸を繊維化しており、繊維を使った「組みひもセンサー」の技術を持っていた。ポリ乳酸を使ったセンサーの開発で共通点があった両社は当時から技術的な交流があり、村田製作所は圧電技術を使った新しい製品開発を模索する中で「抗菌」に着目。抗菌機能を持たせるならばフィルムよりも繊維の方が良いということから、ピエクレックス社の設立につながった。

PIECLEXは繊維素材としてメーカーに提供して製品化する。体を動かすことで効果を得るという特性から、靴、靴下、シャツなどさまざまな形での商品化の可能性もあり、2022年春夏からアパレル製品がデビュー予定とのこと。

それに先立つ第一弾製品として、村田製作所では新素材PIECLEXを使用したマスクを全社員に7月初旬に配布予定。村田製作所の社販からスタートして、京都銀行や滋賀銀行、戸田建設などの他企業でも現在導入検討中という。

「電気の力で抗菌ができる理由は複数あって、電気が発生すると空気中に電場という力が生まれ、電場が発生すると菌の増殖が抑えられるという説が一番有力とされている。

PIECLEXは動かせば動かすほど効果が高まるが、顔に着けるマスクは、笑う、しゃべる、噛む、歌うといった、顔の動きをエネルギーに変えて効果を発揮するため、限られた動きの中でもできる限り、顔の動きを追従できる設計にこだわっている」(PIECLEX ブランディングチームリーダー 井上貴文氏)

PIECLEX繊維による「動くことで電気が出て抗菌する」特性を発揮するマスクを提供できないかと模索していたときに出会ったのが、口腔ケアに対する取り組みを行っているUHA味覚糖。両社の共通点である「咀嚼」に着目した、「オーラルウェルネス共同プロジェクト」を開始した。

共同試験の結果、硬くて弾力のあるグミを食べると、皮膚・マスクの伸縮度が高くなり、咀嚼動作が大きくなることがわかった。硬いグミが咀嚼力を高め、口腔機能の維持に役立つ可能性と、咀嚼という日常の動作でマスクにしっかりとひずみが加わることで、グミを楽しみながらPIECLEXマスクの効果を最大化できる可能性があることが見出された。

共同プロジェクトの今後の取り組みとして、共同エビデンスの開発や両社の製品を使ったコラボレーションキャンペーンの実施を予定している。

「電気の力を使ったこれまでにない繊維のカテゴリーを作りたいと昨年会社を設立した。人にも環境にも優しい電気の繊維による文化づくりをメーカーと共に取り組んでいきたい。第一弾が村田製作所と帝人フロンティアの技術を活かした、ずれにくくぴったりとフィットするマスクで、できる限り口の動きをダイレクトに伝えていく。ただ“微笑”のような小さな動きでは、なかなか効力を発揮できないので、UHA味覚糖と共同で取り組み大きく口を動かすことで、機能の向上につなげたいと考えている。

マスクに続く製品として、より小さい動きで抗菌できる製品や、抗菌だけでなくニオイにも対応できるような製品の開発を行っている。また今後、一般消費者向けだけでなく、BtoBとしてユニフォームなど、体を動かす仕事に繋げた製品も検討していきたい」(PIECLEX代表取締役社長 玉倉大次氏)

【AJの読み】人が動くことで効果につながる「ゼロから生まれる抗菌」がユニーク

PIECLEXの原料はトウモロコシ由来のポリ乳酸で環境に優しい素材。さらに、従来の金属や有機剤を使った抗菌剤ではなく、人が動くことにより電気が発生して、その結果抗菌効果につながる「ゼロから生まれる抗菌」という点が非常にユニーク。

PIECLEX は単なる「抗菌繊維」ではなく消費者に、薬剤不使用・環境配慮という安心感を提供し、ベネフィット(=抗菌)を得るために動きたくなる!というモチベーションにも貢献するのが大きな特長だ。

新型コロナウイルス以降、生活者の抗菌・抗ウイルスに対する意識や、免疫力増加、健康的な食事、宅トレといった健康意識が高まっている。こうした生活様式の変化にもPIECLEXの素材の価値観は合致する。

第一弾製品の「ピエクレックスマスク」を試着してみた。見た目も手触りも普通の布マスク。蒸れて口の周りが汗だくになるウレタンマスクは苦手だが、「ピエクレックスマスク」はさらっとした触感なので着けやすい。

顔の動きを伝える役割もあるため、顔にぴったりと吸い付くようなフィット感がある。隙間ができないので安心感はあるが、夏場は蒸し暑さを感じるかもしれない。繰り返し洗濯しても抗菌効果は持続するとのこと。

ただ、マスクの場合、一人で移動中の電車などでは、独り言をぶつぶつ言ったり、大笑いしたりすることもできないし(笑)、顔が動かない状態だと抗菌効果が低くなってしまうのではないか?と心配になる。こんな時こそ、UHA味覚糖との共同プロジェクトで確認された、口腔ケア機能の付いたグミを食べて、口をもぐもぐと動かせば、抗菌+口腔ケアとマスクの悩みをダブルで解決できるかも!PIECLEXマスク×UHA味覚糖の今後の取り組みに注目したい。

文/阿部純子

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