
結婚したばかりの夫婦の多くが、新婚生活のスタートとともに新居に引っ越し、家電を揃える。一人暮らしや実家暮らしが長い新郎・新婦だと、どんな家電を買うべきかわからなかったり、買い漏れが発生したりする場合もあることだろう。
テックマークジャパンはこのほど、全国の20~30代の既婚者 400名を対象に、ブライダル家電に関する調査を実施した。また、調査結果とともに、後悔しないためのブライダル家電の選び方について解説する。
“イマドキ”ブライダル家電調査
新婚生活を始めるにあたり、購入して良かった家電について聞いたところ、1位「冷蔵庫」(61.0%)、2位「電子レンジ」(53.8%)、3位に「洗濯機」(51.0%)となった。(図1)
後悔した家電については「当てはまるものはない」(83.5%)という回答に続いて、2位「掃除機・ロボット掃除機」(5.0%)、3位「電子レンジ」(2.5%)となっており、一定数購入した後に後悔したことのある新婚夫婦がいることから、慎重に選ぶべきブライダル家電があることがわかった。
新婚生活を始めるにあたり、2人に1人が新しく購入したブライダル家電は、「冷蔵庫」(75.8%)、「電子レンジ」(66.8%)、「洗濯機」(65.5%)、「掃除機・ロボット掃除機」(62.5%)、「炊飯器」(58.5%)、「テレビ」(53.5%)、「エアコン」(53.0%)という結果になった。(図1★)新婚生活を始めるにあたり、まずは生活に必要な家電を購入する人が多いのかもしれない。
新婚生活を始める2人に1人が購入している7種のブライダル家電の平均合計金額は、55万7342円(税込)と、新婚生活を始めるにあたり、相応の費用が必要となることがわかる。(図2)
また夫婦の働き方によって、費用をかけている家電にも違いが出た。どちらか一方が働いている片働き夫婦に比べ、共働き夫婦は、「洗濯機」「掃除機・ロボット掃除機」「炊飯器」「テレビ」に費用をかけていることがわかる。特に洗濯機は24,946円、掃除機においては13,189円の差が出ている。(図2)
一方で、片働き夫婦に関しては、「冷蔵庫」「電子レンジ」「エアコン」にかけている費用が共働き夫婦を上回り、特にエアコンは19,297円の差が出ていることがわかった。(図2)
ブライダル家電を選ぶ際に重視したポイントとして、77%の人が「機能」を挙げ、次いで「価格」(73.8%)という回答が多く挙がった。(図3)
また、男女別で見てみると、男女共に機能や価格を重視している傾向は同じだが、女性においては半数以上の人が「長く使用できそうか(51.2%)」を重要視しており、重視したポイントの3位に入っている。女性は、今後の生活を見据えて家電選びをする傾向にあるのかもしれない。(図3)
ブライダル家電を購入して良かった理由として、7割近くの人が「使いやすかった」(66.3%)を挙げた。(図4)その他の「デザインや質感が良い」や、「コストパフォーマンスが良かった」という回答に比べ、使いやすさという回答を挙げた人が多く、毎日使う家電に対しては、やはり現実的に使いやすいものを選ぶことが満足度に繋がるようだ。
ブライダル家電を調達した場所に関しては、90%以上が「家電量販店」(92.5%)での購入をしていると回答した。また、4人に1人は「インターネット」(24.8%)でもブライダル家電の購入経験があり、インターネットで家電を購入することに対して抵抗がなくなっている傾向が伺える。(図5)
掃除機および洗濯機の“失敗しない選び方のポイント”を総合家電エンジニア本多宏行氏が解説!
■掃除機およびロボット掃除機
今までコード付き掃除機を使っていたけれど、思い切ってコードレス掃除機に交換してみると予想以上に吸引力が弱く、すべての掃除を終える前に充電不足となってしまうことが少なくないと感じることや、フィルターレスと聞いて購入してみたけれど、取扱説明書にフィルターのお手入れ方法が記載されていて、結局のところフィルターの定期的なお手入れは必要だったなど、いろいろと購入後のご意見もある
ようです。
このような場合、不満を感じてしまった家電製品への愛着は薄れてしまい、結果的に長持ちさせることも難しくなってしまいそうですね。さて、掃除機を購入する際に押さえておきたいことをタイプ別に紹介します。
<キャニスタータイプ(コード付き掃除機)>
掃除機本体に車輪が装着されているものが一般的でしょう。しっかりコンセントに接続され且つゴミの集塵部が詰まっていない限り、強い吸引力で稼働しつづけます。広いお家にお住まいの場合はキャニスタータイプが推奨されることでしょう。
注意点は、車輪が装着されていても、そもそも掃除機本体が重いため機動性は望めません。1階から2階への移動などには体力を必要とすることでしょう。掃除機本体の重量も然ることながら、床ブラシが自走式のものを選択されると総重量は更に増します。装着されているブラシが回転する際に床ブラシそのものを自走させるため体力を低減させることはできると思いますが、前述のとおり1階から2階への移動時にはその総重量が足かせになることは否めません。フローリングのお部屋が大半であるのか、絨毯を敷いたお部屋が大半であるのかなど使用環境を事前に把握しておくと良いでしょう。
一般的に床を選ばず万能なものは自走式ですが重量に難ありです。原理は同じですが、床ブラシを自走させないものもありますので家電販売店などで重量差を確認してみましょう。フローリングが大半の場合には自走式でないものでも充分かと思いますが、自走式と比較してしまうと吸引力は劣ります。ブラシが装着されていないものは掃除機本体内部のモーターの力だけでゴミを吸い込むため、吸引力が圧倒的に弱い反面で製品価格は安価となるでしょう。
ゴミの集塵については、主に「紙パック式」と「サイクロン式」に分かれると思います。「紙パック式」はゴミに直接触れることなく捨てることができ、「サイクロン式」よりも集塵容量の大きいものが大半でしょう。紙パック代が必要となることは言わずもがなです。
「サイクロン式」は遠心力で空気とゴミを分離させてダストケース内にゴミを集めることができます。紙パック代は不要ですがダストケースのお手入れや、ゴミを捨てる際に埃が飛散します。また、「サイクロン式」の注意点はフィルターレスと案内されることでしょうか。ダストボックス内にフィルターが装着されていないためフィルターレスと案内されても、掃除機本体に一切のフィルターが装着されていないという意味ではありません。かならず排気部にはフィルターが装着されており、フィルターレスと案内されているものを購入しても、排気部のフィルターやダストボックスのお手入れは必要となります。
<スティックタイプ(コードレス掃除機)>
電源コードがなく、掃除機本体の重量も軽量なものが大半なので小回りが利いて機動性に優れているのが特徴でしょう。各種アタッチメントに変換することでハンディタイプに早変わりするものも多く、非常に使い勝手の良い掃除機です。注意点は充電式となりますので稼働時間が限られます。広いお家などには不向きかと思います。床ブラシや集塵につきましてはキャニスタータイプと同様に考えましょう。
<ロボット掃除機>
お家を自動で掃除してくれるロボット掃除機は進化しつづけており、走行方式はランダム型とマッピング型の2種類に分類されます。ランダム型は、障害物に衝突すると進行方向を変えて移動することができ、あらかじめ設定された数種類のパターンを繰り返して移動します。
マッピング型は、室内を移動しながら内蔵カメラやレーザーレンジファインダーから収集される部屋の大きさや配置されている家具などの情報を人工知能プログラムで分析して、最適な行動パターンを決定します。どちらも発売当初から性能は大きく向上しており、しっかり掃除されたお部屋に驚かれるのではないでしょうか。
ロボット掃除機の場合「今日は疲れたので掃除機を掛けるのは明日以降にしよう」とサボってしまうことがありません。プログラムに従って定期的に掃除してくれるため、お家を清潔に保てることが最大のメリットでしょう。
注意点は床に放置された小物類やペットの排泄物などです。内蔵カメラと人工知能との連携によって床にある異物を認識して自動回避する能力を備えたものもありますが、絶対の信頼を寄せることは御法度です。
また、ロボット掃除機が一台あれば掃除機は不要という判断は難しいのではないでしょうか。ロボット掃除機は床という「面」を掃除することに長けていても、ピンポイント的に「点」を掃除するには人による掃除機の操作が必要不可欠です。
■洗濯機
“お気に入りの洗濯機を購入したけれど、搬入経路を通過することができなかったため、やむを得ず欲しかった機能が満たされていない洗濯機へ変更した”、“縦型洗濯機からドラム式洗濯機に交換してみると、扉を全開にした場合の作業スペースに余裕が無いため、家事効率が悪くなった”という経験をお持ちの方もいるかもしれません。いずれにしても、不満を感じてしまった家電製品への愛着は薄れてしまいそうです。さて、洗濯機を購入する際に押さえておきたいことをタイプ別にご紹介します。
<縦型洗濯機>
洗濯脱水層の底部分に据えられている羽(パレセーター)の回転によって「攪拌水流」を作り出し、洗濯物を“もみ洗い”する洗濯機と考えましょう。空気中のゴミや食べこぼし、ドロや油など、外部から衣類に付着した汚れを落とすことが得意です。ご自身や家族の方々の洗濯物を確認のうえ、前述の汚れに多く該当する場合は縦型洗濯機が推奨されることでしょう。
縦型洗濯機に備わる乾燥機能には、洗濯脱水層を高速回転させて衣類の水分を飛ばす送風方式と、洗濯機外部から空気を吸い込んで洗濯機内部のヒーターで高温にして洗濯脱水層へ送り込む空冷ヒーター方式、洗濯機外部から空気を吸い込んで洗濯機内部のヒーターで高温にして洗濯脱水層へ送り込んだ上、湿気を含んだ空気は水道水で冷却する水冷ヒーター方式があり、この三種が大半を占めていると思います。
ヒーターは大きな電力を必要としますので必然的に電気代が嵩むうえ、期待するほど衣類を乾燥させるには至りません。縦型洗濯機を選択する場合、乾燥機能は洗濯脱水層のカビ防止のための機能として活用し(特に水冷ヒーター方式で効果を期待できる)、衣類は干して乾かすものと割り切ってしまう方が良いかもしれません。
また、最新の洗濯機は大きいものが大半かと思います。搬入することができなかった、搬入はできても給水栓に干渉してしまったなど、せっかく気に入った洗濯機を諦めるような事態とならないためにも、搬入路と設置環境を事前に確認しましょう。
<ドラム式洗濯機>
洗濯脱水層の回転により洗濯物を持ち上げては落とす、“たたき洗い”の洗濯機と考えましょう。使用する水の量が縦型洗濯機よりも極端に少なく、洗剤液が高い濃度を維持できるため、皮脂や汗、垢などの身体から付着する汚れを落とすことが得意です。ご自身や家族の方々の洗濯物を確認のうえ、前述の汚れに多く該当する場合はドラム式洗濯機が推奨されることでしょう。
ドラム式洗濯機にヒートポンプ方式という乾燥機能が備わっている場合、縦型洗濯機のそれとは比較にならないほどの乾燥能力を持ち合わせています。ヒートポンプと呼ばれる熱交換器を用いて湿気が含まれた冷たい空気を除湿して、温かく乾いた温風で衣類を乾燥させるため、衣類の傷みや縮みも少なくて済みます。また、ヒートポンプ方式はヒーター方式に比べて消費電力量が大幅に少ないため非常に経済的です。
乾燥機能を充実させたいのであれば、ドラム式洗濯機のヒートポンプ方式こそが最高位であると断言できます。ドアの開閉が縦型洗濯機と大きく異なりますので、事前に作業スペースを確認しておくこともお忘れなく。搬入路と設置環境については縦型洗濯機と同様に考えましょう。
■総合家電エンジニア本多宏行氏
テックマークジャパン株式会社
業務部クレームチームチーフ
大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社、テックマークジャパンへ入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格を保持し、チームを牽引する。
※テックマークジャパン調べ
<調査概要>
調査名:新婚生活における家電購入の調査
調査対象:全国の20代、30代の既婚者合計400名
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査時期:2021年4月17日~2021年4月18日
出典元:テックマークジャパン株式会社
https://www.techmark.co.jp/
構成/こじへい
@DIME公式通販人気ランキング