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2020年度に売上が半減した上場外食企業は19社、総売上9000億円が消失

2021.07.05

上場外食企業、売上高が50%以上減少した企業は19社

緊急事態宣言は沖縄県を除き解除されたものの、営業時間の短縮や酒類提供時の制限など、通常通りの営業に戻るには至っておらず、依然として居酒屋業態を中心に大きな影響を及ぼしている。

この1年間余り、各外食事業者はテイクアウトの拡充や業態変更、店舗数の削減など様々な対策を講じてきた。特に3月期決算の企業においては、コロナ禍の1年間を経ての決算発表となり、その影響、各企業の対応の効果などが表れている。

TDBによると2020年度の上場外食業者の総売上高は約3兆9797億300万円となり、前年度(約4兆8888億900万円)から約9091億600万円減少した。

上場外食業者94社の2020年度の売上高を2019年度の売上高と比較すると、減収企業は84社(構成比89.4%)で、増収企業は10社(同10.6%)となった。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や営業時間短縮、営業自粛要請などによって営業を制限されたことが大きく影響した。

増収企業をみると、コロナ禍での巣ごもり需要によるテイクアウト需要を獲得した日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングスやロードサイド需要を獲得したアークランドサービスホールディングス、積極的な新規出店を行い2020年9月に東証1部に市場変更をしたギフトなどが名を連ねた。

決算月別にみると、3月期決算の企業が45社と、全体の約半数を占め、そのうち42社が減収となり増収企業は3社にとどまった。

 減少幅動向:19社が50%以上減少

減収となった84社の減少幅をみると、「10%~20%未満」が18社で最多となった。次いで、「30%~40%未満」(15社)、「20%~30%未満」(14社)と続く。

50%以上の減少となった19社をみると、すべてが2020年12月期決算以降の企業であった。居酒屋など酒類の提供を伴う飲食店を運営する企業が大半を占めており、新型コロナウイルスの影響が大きく表れている。

減収となった企業のうち、3月期決算の企業42社の減少幅をみると、「30%~40%未満」が9社で最多となった。次いで、「10%未満」が8社、「20%~30%未満」、「40%~50%未満」が6社と続く。

営業利益動向:3月期決算で黒字は5社

上場外食業者94社の2020年度の営業利益をみると、赤字となった企業は72社(構成比76.6%)で、黒字となった企業は22社(同23.4%)。前年度(黒字企業78社〈同83.0%〉、赤字企業16社〈同17.0%〉)から一転、8割弱が赤字となった。

増収かつ増益となったのは、日本マクドナルドホールディングス、モスフードサービス、日本KFCホールディングス、アークランドサービスホールディングスの4社となった。

また、3月期決算の45社をみると、40社(構成比88.9%)が赤字となり、黒字は5社(同11.1%)にとどまった。

業績見通し:21社が未定

2021年3月期決算短信にて、業績の見通しを発表した企業は45社中24社で、その24社全ての企業が増収を見込んでいる。一方で、その他の21社は「新型コロナウイルスの収束時期によって業績に与える影響が大きく変動するため業績予想の算出が困難として未定」としている。

店舗数動向:7割弱の企業で店舗数減少

2020年度末及び2019年度末の店舗数の判明した90社をみると、2020年度末時点で前年度より店舗数が減少した企業は62社(構成比68.9%)となった。一方で増加となった企業は23社(同25.6%)で、5社が横ばいであった。

店舗数が増加した企業の特徴は、コロナ禍においても積極的な出店を続けたほか、コロワイドは大戸屋ホールディングス、安楽亭は(株)アークミール、アークランドサービスホールディングスは(株)ミールワークスを期中に連結子会社化するなど、連結子会社の増加に伴う店舗数の増加もみられた。

一方で、不採算店舗の閉店に加え、期中にペッパーランチ事業の譲渡を行ったペッパーフードサービスは大幅な減少となった。JFLAホールディングスも事業譲渡やブランドリストラクチャリングや店舗撤退の結果減少となった。チムニーは新ブランドの展開など一部店舗は増加したものの、「はなの舞」や「さかなや道場」などの閉店によって総店舗数は減少となった。

営業時間や酒類提供の制限の動向がカギ

上場外食業者の2020年度の総売上高は前年度より約9000億円減少した。企業ごとにみると、上場外食業者94社のうち、84社で減収と9割の企業で前年度より売り上げが減少していることが判明した。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や営業時間の短縮、営業自粛によって営業の制限を余儀なくされた影響の大きさを表している。

特に減少幅が50%以上の企業の大半が居酒屋など酒類の提供を伴う飲食店を中心に展開する企業となっている。GoToイートキャンペーンによって客足の回復の兆しが見え始めた矢先、感染第三波が発生し忘年会や新年会、歓送迎会を自粛する動きが強まったことで、需要が消失したことが影響を及ぼした。

また、3度目の緊急事態宣言以降、酒類提供に制限が設けられており、居酒屋業態の企業に大きく影響を及ぼしている。一方で、ステイホームによる消費動向の変化にいち早く対応し、デリバリーやテイクアウトの強化、ドライブスルーの対応が可能なロードサイド店舗の拡充などにより客数の獲得に成功した企業は、コロナ禍を追い風として業績を伸ばしており、明暗が分かれた。

3月期決算の企業の約半数が業績予想を未定としているように、先行きの見えない状況が続いている。ワクチン接種の加速により、状況の好転が期待されるが、感染者数が再び増加傾向に転じている状況もあり、営業時間や酒類提供の制限の動向がカギとなる。

また、今後はウィズコロナ、アフターコロナにおいての経営戦略が求められる。各社、さらなる業態転換や店舗戦略、ネットオーダーなどのIT技術の促進など打ち出しており、業績の回復及びさらなる発展を目指している。消費者マインドの停滞が続くなか、いかにニーズを獲得することができるか、各社の戦略にも注目が集まる。

構成/ino.

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